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釧路自然環境事務所

報道発表資料

2022年06月22日
  • その他

(お知らせ)令和3年度国内希少野生動植物種シマフクロウ、タンチョウ、オジロワシ及びオオワシの傷病個体収容結果について~傷病発生は増加傾向・生き物に優しい行動を~

 環境省が令和3年度に個体収容したシマフクロウ、タンチョウ、オジロワシ及びオオワシの収容結果は、タンチョウ及びオオワシにおいて増加傾向となりました。
 近年では、保護増殖事業の取り組み等により生息数が増加している種もみられますが、個体数の増加に伴い傷病が発生しやすい状況であると考えられ、収容数を減らすための取組の強化が重要です。

1. 令和3年度(2021年度)の収容結果について

 令和3年度は、シマフクロウ、タンチョウ、オジロワシ及びオオワシ4種で合計119羽の傷病個体(死体を含む)を収容しました。昨年度の117羽と比べて2羽増加し、全体として最も多い収容原因は列車事故でした。種別の収容状況等は、以下のとおりです。

(1) シマフクロウ(別紙1)

 収容数は、5羽(昨年度比4羽減)でした。収容原因としては、「交通事故」、「その他」が2件、「原因不明」が1件でした。

(2) タンチョウ(別紙2)

 収容数は、47羽(昨年度比16羽増)でした。収容原因としては、「交通事故」が15件と最も多く、次に「原因不明」が8件、「列車事故」が5件となりました。6年連続で交通事故が最も多い収容原因となっています。

(3) オジロワシ(別紙3)

 収容数は、38羽(昨年度比15羽減)でした。収容原因としては、「列車事故」が11件、「原因不明」が8件でした。また、「鉛中毒」を1件確認しました。

(4) オオワシ(別紙4)

 収容数は、29羽(昨年度比5羽増)でした。収容原因としては、「列車事故」が5年連続で最も多く12件、「原因不明」が9件でした。また、「鉛中毒」を1件確認しました。

 なお、収容結果は、令和4年3月31日時点までの状況を取りまとめたものであるため、今後、剖検の実施等により収容原因別の件数が修正となる場合があります。

2. 傷病収容個体を一羽でも減らしていくためのお願い 

 環境省では、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律により、国内希少野生動植物種に指定されているシマフクロウ、タンチョウ、オジロワシ及びオオワシの保全に資するため、傷病個体(死体を含む。)が発見された際には収容し、現場状況や収容個体を調査し、原因の解明に努めています。

 希少種の傷病収容の原因の多くは、人為的な要因によるものです。以下のことに留意いただくことで、希少種の保全につながります。皆様のご理解とご協力を宜しくお願い致します。

(1) シマフクロウの生息個体数は回復傾向にありますが、推定個体数は約165羽と極めて少ないことから、今後も人為的な要因による傷病個体の発生を抑制し、シマフクロウが安心して暮らすことが出来る生息環境の保全を図ることが必要です。

(2) 「列車事故」については、エゾシカとの衝突事故との関連が考えられていることから、エゾシカ対策と事故発生抑止対策の双方から取組を進めていくため、関係者との協力が必要です。

(3) 「交通事故」については、ドライバーは適正な速度で走行し、安全運転を心がけることで、交通事故回避の可能性が高まります。

(4) 「風車・列車・電線衝突」等の事業活動に伴う事故等が発生した際には、発見後の素早い個体回収や環境省への通報を行っていただくことで、原因の特定につながり、対策を検討していくことが可能となります。

(5) 「鉛中毒」については、狩猟に使用されている鉛弾が原因と考えられています。北海道においては鉛弾の使用に加え、エゾシカを捕獲する目的での所持についても平成26年10月1日から禁止されていますが、鉛中毒が継続して発生していることから、狩猟者の皆さまにおかれましては、エゾシカを捕獲する目的で鉛弾を所持、使用することのないようお願いします。
 参考:北海道HP「鉛弾の所持の禁止について」
 https://www.pref.hokkaido.lg.jp/ks/skn/est/ht/namaridan-kisei.html

(6) 「鳥インフルエンザ」については、人為による感染拡大を防ぐため、野鳥を集める行為(餌やり、生ゴミの放置、漁業に伴う不要魚の放置、エゾシカ残滓の放置等)を行わないようご協力をお願いします。

 参考:令和4年2月1日発表「北海道内における野鳥での高病原性鳥インフルエンザの感染・まん延防止に向けた取組の徹底について」
 https://hokkaido.env.go.jp/kushiro/pre_2022/post_166.html

                          <添付資料>

(別紙1)令和3年度シマフクロウ傷病個体収容結果

(別紙2)令和3年度タンチョウ傷病個体収容結果 

(別紙3)令和3年度オジロワシ傷病個体収容結果 

(別紙4)令和3年度オオワシ傷病個体収容結果  

お問い合わせ先

環境省 北海道地方環境事務所
所長: 櫻井 洋一
統括自然保護企画官: 福井 智之
野生生物課課長: 太田 貴智
野生生物課課長補佐: 山下 慎吾
野生生物課係員: 興津 絵美

環境省 釧路自然環境事務所
所長: 川越 久史
野生生物企画官: 七目木(しちめき) 修一
野生生物課係員: 永田 拳吾(担当)
電話(0154)32-7500 FAX(0154)32-7575

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