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【お知らせ】平成22年度の知床岬方面トレッキング利用について

2010.04.02 釧路自然環境事務所

 平成21年9月、知床岬へトレッキング中の方が野外に残置していた食料をヒグマに奪われる事例が発生したことを受け、平成21年度中の知床岬方面へのトレッキング利用については自粛を要請していました。このたび、食料等の残置を禁じる旨の「知床半島先端部地区利用の心得」の一部改訂と、フードコンテナの携行その他「知床半島先端部地区利用の心得」の遵守についての普及啓発強化を行い、これらの遵守を前提として、平成22年度からの知床岬方面へのトレッキング利用の自粛要請を解除することとしましたので、お知らせします。
 知床半島先端部地区は、厳しい自然条件のもと、全て自己の責任において判断し、行動しなければならない場所です。また、誤った判断は自分自身だけでなく、同行している仲間や今後同じように訪れようとする方々まで危険にさらしかねません。知床半島先端部地区への立ち入りを計画されている方々にあっては、必ず「知床半島先端部地区利用の心得」を遵守してください。

1.経緯

 平成21年9月、羅臼側海岸の念仏岩において、知床岬へトレッキング中の方が野外に残置していた食料をヒグマに奪われる事例が発生しました。このことについては、類似の事案が同年7月にも発生していた可能性が高いこととあわせ、既に9月28日の速報、並びに10月27日の詳報でお知らせしたところです。
 いずれのケースも、フードコンテナ(強化プラスチック製のヒグマ対策用食糧保管容器)を用いず、食料を残置していたために食料を野生動物(ヒグマ等)に奪われたケースです。今回のケースについては、ヒグマが人間から強引に食料を奪ったり、設置しているテントを荒らしたりしたものではなく、人的被害もありませんでした。しかしが、今後同地区周辺において、食料に味をしめたヒグマがトレッキング利用者らの荷物やテントなどに執着する可能性がありることから、人的被害の発生に繋がることも考えられたことから、9月28日及び10月27日のお知らせでは、平成21年度中の知床岬方面へのトレッキング利用の自粛を要請していました。
 知床岬を含む知床半島先端部地区の利用については、平成20年1月、「知床半島先端部地区利用の心得」(以下、「心得」という)を策定し、ヒグマを含むリスクの軽減に関する取組を利用者に求めていましたが、今回の事案の要因はこの「心得」の中で強く求めていたフードコンテナによる食料の保管が徹底されていなかったことにありました。
 このたび、今回の事例を踏まえて食料等の残置の禁止を明示する心得の一部改訂を行うとともに、フードコンテナの携行その他心得の遵守についての普及啓発を強化することとあわせ、平成22年における知床岬方面へのトレッキング利用の自粛要請を解除することとしましたので、お知らせします。

2.今後の対応について

 今回の事例を踏まえ、心得を一部改訂して新たに食料等のデポ(一時的な残置)についても注意喚起を図ることとしました※。また、心得及びフードコンテナに関するリーフレット等を作成し、今後、アウトドア雑誌等メディア、山岳会等関係団体などへの広報、並びに関連施設でのリーフレット配付等を通じて普及啓発を図ります。あわせて、(財)知床財団では、フードコンテナの貸し出し体制の強化を図ります。
 また、平成22年度には、心得の普及啓発及び遵守状況把握のための現地調査等を予定しております(本調査については、詳細が決まりましたら改めて公表いたします)。

※「知床半島先端部地区利用の心得」の一部改訂の内容
2.共通事項
(1)リスクの軽減に関する事項
イ.ヒグマ対策 に以下の項目を追加しました。
 食料やゴミなどヒグマを誘引する物を含む荷物は、常に持ち歩くこと。途中に一時置いて行動すること(いわゆるデポ)は絶対に行わない。ヒグマに食料を取られないようにデポすることは困難である。また、食料等を含まない荷物についても、デポしないことを推奨する。

3. 知床半島先端部地区利用者へのお願い

 知床半島先端部地区は、世界有数のヒグマ高密度生息地であり、それに加えて厳しい自然条件が待ち受けています。過酷な条件に自らの力だけで対処できる極めて高度な技術・体力・判断力が必要であり、また、全て自己の責任において判断し、行動しなければならない場所です。そのうえ今回の事例のように、誤った判断は自分自身だけでなく、同行している仲間や今後同じように訪れようとする方々まで危険にさらしかねません。
 知床半島先端部地区への立ち入りを計画されている方々にあっては、必ず「知床半島先端部地区利用の心得」を入手し、内容を学習されるとともに遵守してください。また、最新情報やリスク低減に関する情報を入手するため、必ず事前に知床世界遺産ルサフィールドハウス、羅臼ビジターセンター、または知床自然センターにお立ち寄りください。

(1)知床世界自然遺産ルサフィールドハウス http://shiretoko-whc.jp/rfh/
開館時間
(夏期)5〜10月 9:00〜17:00 毎週火曜日休館
(冬季)2〜4月 10:00〜16:00 毎週火曜日休館
(閉館)11〜1月
0153−89−2722 北海道目梨郡羅臼町北浜8番地
(2)羅臼ビジターセンター http://rausu-vc.jp/
開館時間
(夏期)5〜10月 9:00〜17:00 毎週月曜日休館
(冬季)11〜4月 10:00〜16:00 毎週月曜日及び年末年始休館
0153−87−2828 北海道目梨郡羅臼町湯ノ沢町6-27
(3)知床自然センター http://www.shiretoko.or.jp/
開館時間
(夏期)4/20〜10/20 8:00〜17:40 休館日なし
(冬季)10/21〜4/19 9:00〜16:00 12/31のみ休館
0152−24−2114 北海道斜里郡斜里町岩宇別
 また、「知床半島先端部地区利用の心得」については、知床のデータベースサイトである「知床データセンター」のホームページからダウンロードできます。
 http://dc.shiretoko-whc.com/management/rule.html

添付資料

(別紙1)
 ヒグマによるリスクの軽減等の観点から留意すべき事項や禁止事項 [PDF 123KB]
(別紙2)
 知床半島先端部地区利用の心得について [PDF 616KB]
(別紙3)
 利用の心得普及啓発パンフレット「知床半島先端部地区に立ち入る方へ」 [PDF 462KB]
(別紙4)
 フードコンテナ普及啓発チラシ「フードコンテナがあなたの安全を守ります!」 [PDF 301KB]