管内の国指定鳥獣保護区
国指定鳥獣保護区
環境省では、国際的または全国的な鳥獣の保護のため重要と認められる区域について国指定鳥獣保護区に指定し、保護及び管理を行っています。釧路自然環境事務所が管轄する道東地域では、濤沸湖、知床、野付半島・野付湾、風蓮湖、厚岸・別寒辺牛・霧多布、ユルリ・モユルリ、大黒島、釧路湿原が国指定鳥獣保護区に指定されています。
国指定鳥獣保護区では、保護区内での鳥獣の狩猟行為を禁止しているほか、生息地保護のため重要な区域については工作物の設置、水面の埋め立て、森林の伐採などの行為を規制しています。
各保護区には鳥獣保護区管理員を配置し、密猟防止のパトロール、利用者の指導、鳥獣の生息概況調査等を行っています。
釧路自然環境事務所所管一覧 | 釧路自然環境事務所管轄 国指定鳥獣保護区_位置図.pdf |
濤沸湖鳥獣保護区
国指定濤沸湖鳥獣保護区は、北岸の砂州が発達してオホーツク海と隔てられた潟湖であり、川の水と海の水が入り混じる汽水湖です。北海道有数の水鳥類の渡来地(渡りの中継地)であり、オオハクチョウ、オナガガモ等のガンガモ類やシギ、チドリ類が数多く飛来し、鳥類45科217種、哺乳類5科6種が確認されています。
ヒシクイの群れ 撮影者:濤沸湖水鳥・湿地センター |
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当初指定年月日 | 平成4年(1992年)10月16日 |
存続期間 |
平成24年(2012年)10月1日から |
指定区分 | 集団渡来地 |
面積 |
鳥獣保護区 2,023㏊ |
関係市町村 | 網走市、小清水町 |
資料・リンク |
濤沸湖鳥獣保護区更新計画書.pdf |
知床鳥獣保護区
国指定知床鳥獣保護区は、北海道の東北端から突き出した知床半島に位置し、火山活動や流氷などによって形成された特徴的な地形を有しており、原生的な自然環境が保たれています。ヒグマなどの哺乳類をはじめ、シマフクロウやオジロワシなどの希少猛鳥類も数多く生息しており、それらを頂点とした良好な生態系が保たれています。当該区域については鳥類55科286種、哺乳類10科38種が確認されています。
ヒグマ 撮影:羅臼自然保護官事務所 |
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当初指定年月日 | 昭和57年(1982年)3月31日 |
存続期間 |
令和3年(2021年)11月1日から |
指定区分 | 希少鳥獣生息地 |
面積 |
鳥獣保護区 44,011㏊ |
関係市町村 | 斜里町、羅臼町 |
資料・リンク |
国指定知床鳥獣保護区計画書【存続期間の更新】.pdf |
野付半島・野付湾鳥獣保護区
国指定野付半島・野付湾鳥獣保護区は、北海道東端の根室海峡に突き出た、釣りばり状に湾曲した半島で、根室海峡を南下する潮流で運ばれた砂が堆積してできた、長さ28kmの日本最大の砂嘴で構成されます。標高はほとんどなく、平坦な砂浜と湿地だけで構成されており、自然度の高い多様な湿地環境を有しています。春と秋に2万羽以上の渡り鳥が飛来し、重要な中継地となっており、鳥類46科211種、哺乳類8科21種が確認されています。
飛び立つコクガンの群れ 撮影:野付半島ネイチャーセンター |
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当初指定年月日 | 平成17年(2005年)11月1日 |
存続期間 |
平成17年(2005年)11月1日から |
指定区分 | 集団飛来地 |
面積 |
鳥獣保護区 6,146㏊ |
関係市町村 | 標津町、別海町 |
資料・リンク |
野付半島・野付湾鳥獣保護区指定計画書.pdf |
風蓮湖鳥獣保護区
国指定風蓮湖鳥獣保護区は、北海道根室半島の付け根にある海跡湖であり、南から延びる春国岱と、北から延びる走古丹の二つの砂州でオホーツク海と隔てられ、2カ所の開口部で海とつながっている汽水湖で構成されます。砂浜海岸から草原、森林、塩性湿原、干潟など複雑な地形と多様な自然環境を有しており、鳥類59科339種、哺乳類9科26種の数多くの動物種が確認されています。
春国岱のオオハクチョウ 撮影:根室市春国岱原生野鳥公園ネイチャーセンター |
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当初指定年月日 | 平成5年(1993年)7月24日 |
存続期間 |
平成25年(2013年)7月24日から |
指定区分 | 集団渡来地 |
面積 |
鳥獣保護区 8,139㏊ |
関係市町村 | 別海町、根室市 |
資料・リンク |
風蓮湖鳥獣保護区指定計画書 |
ユルリ・モユルリ鳥獣保護区
国指定ユルリ・モユルリ鳥獣保護区は、北海道根室半島南方約3kmの海上に位置するユルリ・モユルリ島及び両島の海岸線から沖合1km以内にある岩礁で構成されています。エトピリカやチシマウガラスなどの北方系海鳥類をはじめ多くの海鳥類の繁殖地として利用されており、27科47種の鳥類が確認されています。
飛翔するエトピリカ 撮影:釧路自然環境事務所 |
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当初指定年月日 | 昭和57年(1982年)3月31日 |
存続期間 |
平成23年(2011年)10月1日から |
指定区分 | 集団繁殖地 |
面積 |
鳥獣保護区 199㏊ |
関係市町村 | 根室市 |
資料・リンク |
ユルリ・モユルリ鳥獣保護区指定計画書.pdf |
厚岸・別寒辺牛・霧多布鳥獣保護区
国指定厚岸・別寒辺牛・霧多布鳥獣保護区は厚岸湖、霧多布湿原、別寒辺牛湿原等から構成されています。湖沼、湿原、内湾等の多様な自然環境を有していることから多様な動物相が見られ、鳥類49科223種、哺乳類は9科31種確認されており、渡り鳥の大規模な渡来地、繁殖地となっています。
上空から見た別寒辺牛湿原 撮影者:厚岸水鳥観察館 |
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当初指定年月日 | 平成5年(1993年)6月1日 |
存続期間 |
平成24年(2012年)10月1日から |
指定区分 | 集団飛来地 |
面積 |
鳥獣保護区 13,064㏊ |
関係市町村 | 厚岸町、浜中町 |
資料・リンク |
厚岸・別寒辺牛・霧多布鳥獣保護区指定計画書.pdf |
大黒島鳥獣保護区
国指定大黒島鳥獣保護区は、太平洋に浮かぶ台形上の島である大黒島およびその海岸線から1km以内にある岩礁で構成されています。北方系の海鳥の集団繁殖地として重要な地域であり、コシジロウミツバメを始めとして、ウミウ、ウトウ等の海鳥の国内では数少ない良好な繁殖地となっております。28科59種の鳥類が確認されているほか岩礁部にはアザラシ類が多数確認されています。
岩礁でのウミウとラッコ 撮影:釧路湿原自然保護官事務所 |
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当初指定年月日 | 昭和47年(1972年)11月1日 |
存続期間 |
平成24年(2012年)10月1日から |
指定区分 | 集団繁殖地 |
面積 |
鳥獣保護区 107㏊ |
関係市町村 | 厚岸町 |
資料・リンク |
釧路湿原鳥獣保護区
国指定釧路湿原鳥獣保護区は、北海道東部を流れる釧路川とその支流を抱く日本最大の湿原である釧路湿原及び湿原を取り囲む丘陵地からなります。蛇行河川や湿原植生を有し、タンチョウなどの希少鳥類をはじめ多くの野生動物の貴重な生息地となっており、鳥類48科206種、哺乳類10科37種が確認されています。
鳴き合うタンチョウのペア 撮影:釧路自然環境事務所 |
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当初指定年月日 | 昭和33年(1958年)11月1日 |
存続期間 |
平成30年(2018年)11月1日から |
指定区分 | 希少鳥獣生息地 |
面積 |
鳥獣保護区 17,241㏊ |
関係市町村 | 釧路市、鶴居村、標茶町、釧路町 |
資料・リンク |
釧路湿原鳥獣保護区更新計画書.pdf |