報道発表資料

2013年07月30日

報道発表:「天売島におけるウミガラスの繁殖結果について」(お知らせ)

 北海道地方環境事務所

 ウミガラスの繁殖が終了しましたのでお知らせします。
 11羽のヒナを確認しましたが、最終的には昨年と同数の9羽の巣立ちとなりました。なお、3年連続の巣立ち成功は10年ぶりとなります。

7月23日巣立ち後の親子
7月23日巣立ち後の親子

1. ウミガラスの飛来・繁殖結果

・最大飛来数 :
35羽
・抱卵個体数 :
13羽
・ヒナ数 :
11羽(卵2個消失)
・巣立ち数 :
9羽
※ヒナ11羽のうち、1羽死亡、1羽不明
・巣立ち日 :
7月19~23日の間(昨年7月21日~8月4日)

2.最近20年間のウミガラスの繁殖状況

○赤岩対岸繁殖地の繁殖状況

飛来数卵数雛数巣立数
1993 4 1 0 0
1994 6 3 3 3
1995 7 3 3 3
1996 18 9 9 9
1997 9 0 0 0
1998 9 4 4 4
1999 12 0 0 0
2000 1 0 0 0
2001 11 0 0 0
2002 6 2 2 2
2003 14 0 0 0
2004 0 0 0 0
2005 0 0 0 0
2006 0 0 0 0
2007 4 0 0 0
2008 6 3 3 3
2009 9 4 4 1
2010 18 5 2 0
2011 20 7 7 7
2012 32 12 11 9
2013 35 13 11 9

※数字は推定数も含む

○天売島全体の繁殖状況

飛来数卵数雛数巣立数
1993 39 7 2 0
1994 19 9 9 7
1995 20 9 9 9
1996 31 14 14 14
1997 24 6 6 6
1998 17 8 8 8
1999 19 3 2 2
2000 24 3 3 1
2001 17 3 3 3
2002 13 5 5 5
2003 20 3 2 2
2004 18 1 0 0
2005 15 0 0 0
2006 52 2 0 0
2007 31 1 1 0
2008 20 4 3 3
2009 15 4 4 1
2010 19 5 2 0
2011 20 7 7 7
2012 32 12 11 9
2013 35 13 11 9

※数字は推定数も含む

2012年の巣立数について再確認したところ、重複が認められたため、2013年7月11日時点で訂正。
天売島ではかつて、赤岩対岸の繁殖地以外に、7カ所繁殖地がありましたが、現在繁殖が確認されているのは、赤岩対岸の繁殖地のみとなっています。

 環境省では、2009年から赤岩対岸の繁殖地で、音声装置やデコイの設置等を実施し、ウミガラスの保護増殖事業に取り組んでいます。

3.ヒナの写真・動画について

 写真・動画を提供いたしますので、ご要望がありましたら羽幌自然保護官事務所(電話:0164-69-1101)までお問い合わせ願います。
 提供する動画は、北海道海鳥センターHP海鳥日記(http://seabirds.exblog.jp/)で公開しています。

<提供可能写真>

写真1:巣立ち後の親子
写真1:巣立ち後の親子
(7月23日撮影)

写真2:巣立ち後の親子
写真2:巣立ち後の親子
(7月23日撮影)

写真3:巣立ち直前のヒナ2羽
写真3:巣立ち直前のヒナ2羽
(7月20日撮影)

写真4:繁殖地内を探検中の親子
写真4:繁殖地内を探検中の親子
(7月18日撮影)

<参考>

1.ウミガラスについて

チドリ目 ウミスズメ科
絶滅危惧ⅠA類(ごく近い将来における絶滅の危険性が極めて高い種)

分布の概要
種としては、北太平洋、北大西洋の亜寒帯を中心に分布している。日本国内ではかつては、北海道の離島である松前小島、ユルリ島、モユルリ島にも繁殖地コロニーがあったが、現在では天売島だけである。
形態、生物学的特性
全長40cm~45cm。潜水して主に魚類を食べる。
離島の断崖で集団繁殖する。5月下旬~6月に1卵産み、約30日抱卵する。ヒナは、孵化約3週間で巣立ち、その後約2ヶ月親と過ごしてから独立する。繁殖期(4月~8月頃)は、営巣地周辺の海域で、非繁殖期は北海道や本州北部の沿海域から沖合海域に生息する。
生息数
天売島での生息数は、1960年代には8000羽と推定されたが、1970年代には500~1000羽、1980年代には130~600羽、1990年代は20羽~80羽、現在では30羽前後と減少している。
減少要因
原因は明らかでは無いが、餌資源の減少等が考えられている。しかし最近では、オオセグロカモメやハシブトガラスによる卵やヒナの捕食が主要な要因と考えられている。
保護対策
1982年に天売島全域を国指定鳥獣保護区に指定、1993年にはウミガラスを種の保存法に基づく国内希少野生動植物種に指定した。更に2001年には保護増殖事業計画を作成し、デコイ(鳥の模型)の設置や生息状況のモニタリング等を実施してきた。

2.ウミガラス保護増殖事業の経緯

主に天売島の2箇所の繁殖地(屏風岩、赤岩対岸)でデコイを設置したり、音声装置を設置して鳴き声を流し繁殖個体の誘引等を行ってきた。

2003年~2008年:屏風岩(デコイ設置、音声装置設置(2005年~2008年))
2006年には50羽飛来し13年ぶりにウミガラスが卵を産んだが捕食された。その後もハシブトガラスやオオセグロカモメに卵や雛を捕食され巣立ちには至らなかった。
2009年~2013年:赤岩対岸(デコイ設置、音声装置設置)
赤岩対岸にある繁殖地は、標高25mにある断崖の岩棚にあるため、屏風岩の繁殖地より捕食されにくいと考えられたことから、誘引場所を移動した。しかしながら最初の2年はハシブトガラスやオオセグロカモメに卵や雛を捕食され巣立ちには至らなかった。
2011年からは、繁殖地周辺でエアライフルによる捕食者の捕獲を実施している。その結果、捕食圧を下げることに成功し、3年連続の巣立ちとなった。
※2011年以前は、繁殖地周辺以外で箱罠や散弾銃による捕食者の捕獲を実施していた。
地域環境データベース
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