報道発表資料

2021年06月30日

(お知らせ)「レブンアツモリソウ保護増殖ロードマップ」に係る中間評価実施結果の公表について

レブンアツモリソウは、平成6年に「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」に基づく国内希少野生動植物種に指定され、「レブンアツモリソウ保護増殖事業計画(平成8年 環境省、農林水産省)」および「レブンアツモリソウ保護増殖ロードマップ(平成28年 環境省、林野庁、礼文町)」に基づき「本種が自然状態で安定的に存続できる状態」を目標に保護増殖にかかる各種取組を進めています。 このたび、「レブンアツモリソウ保護増殖ロードマップ」の策定後、5年が経過したことをふまえ、ロードマップに基づき、令和2年度に5年間の取組み状況に係る中間評価を実施いたしました。取組実績、レブンアツモリソウの生育状況の両方とも概ね現時点の目標を達成しているとの結果となりましたので、概要を公表します。

1.「レブンアツモリソウ保護増殖ロードマップ」について

平成28年にレブンアツモリソウ保護増殖事業の実施者である北海道地方環境事務所、北海道森林管理局、礼文町の三者が、「レブンアツモリソウ保護増殖検討会」の助言・指導を受けつつ、「レブンアツモリソウ保護増殖事業計画」の行程計画として策定。

目標期間を10カ年とし、地区毎の中間目標および管理方針を定め、三者の分担による具体的な取組み内容を明記。また、順応的且つ科学的な取組みとするため、計画策定後5年を目処に中間評価を実施し、必要に応じて見直しを行うこととしており、計画策定後5年目にあたる令和2年度に中間評価を実施したもの。

(参考)レブンアツモリソウ保護増殖ロードマップ概要版

http://hokkaido.env.go.jp/post_4.html

2.中間評価の実施方法

ロードマップ策定主体三者の過去5年間の取組みについて実績・成果をとりまとめ、令和2年度に開催した計2回の「レブンアツモリソウ保護増殖検討会」において、中間評価を実施。

中間評価は、レブンアツモリソウの自生地内における取組み(盗掘防止対策、生育状況モニタリング、生育環境改善、人工培養株の試験的な移植など)と自生地外における取組み(人工培養技術の確立、普及啓発)に分け、総合評価を実施するとともに、各自生地における取組の実績・成果およびレブンアツモリソウの生育状況についても、定量的および定性的な評価を行った。

なお、定量評価は、現時点における目標達成度合いを5段階評価で数値化することで、(5:目標を大きく上回る、4:目標を上回る、3:目標達成、2:一部目標未達成、1:未達成で課題が多い。)実施した。

3.中間評価実施結果概要

【定量評価】

①取組みに係る評価

取組み状況に係る全体評価は、自生地における取組みが「3.8」、自生地外における取組みも「3.6」と、いずれも目標達成以上の「3」を上回る評価結果となった。また、自生地・区分毎の12項目についても、うち9項目の総合評価の平均は「3」以上となり、ほとんどの項目で目標達成以上となった。

②レブンアツモリソウの生育状況に係る評価

自生地におけるレブンアツモリソウの生育状況の評価は、平均で「3.27」と生育状況についても、目標達成以上の評価となった。

なお、レブンアツモリソウの開花茎数は、レブンアツモリソウの回復や新たな生育箇所の確認等により、平成28年のロードマップ策定時の2倍以上となる大幅増の結果となった。

【定性評価】

[自生地での取組み]

<評価点>

  • ササや高茎草本などのレブンアツモリソウの被陰要因となる植生刈払いなどの生育環境改善の取組みにより、レブンアツモリソウの回復傾向が見えてきた。
  • 新たな生育箇所の確認も含めレブンアツモリソウの生育現況がきちんと網羅出来ている。

<今後の検討・対応課題>

  • レブンアツモリソウの回復が進んだ地域ではモニタリング調査によるレブンアツモリソウの踏み付けが生じないようドローンや双眼鏡を用いたモニタリング手法への移行が必要。
  • 共生菌を用いた人工培養株の再導入(試験)をどのように進めていくのか検討する必要がある。
  • 世代交代につながる実生発生環境や播種による植生復元技術を確立していく必要がある。
[自生地外での取組み]

<評価点>

  • 関係機関の連携による盗掘対策が効果的に進められ盗掘発生件数は0件であった。
  • 共生菌を用いた人工培養技術が概ね確立されマニュアル化された。
  • ロードマップ概要版の作成・公表や地元の子どもたちへの環境学習による普及啓発の効果があった。

<今後の検討・対応課題>

  • 人工培養に係る取組は、人的資源が脆弱であり改善が必要である。

【今後への提言】

●積極的に生育環境改善を行うケースと自然の推移に委ねるケースの2つの方針を使い分ける方向性を検討していく必要がある。

●種子・実生を用いた保全技術および実生発生・定着環境への誘導技術の確立が必要となる。

●モニタリング、人工培養および普及啓発に継続的な資金・人的資源の確保が望まれる。

●観光客に保全にかかる努力を知ってもらいつつ楽しんでもらえる活動があるとよい。

●普及啓発は今後も力を入れて取り組んでもらいたい。

4.今後の予定

中間評価実施結果をふまえ、令和3年度にロードマップの改定を行い、5年後の目標期間終了時の目標達成に向けて、生育環境改善の取組みや人工培養株の活用によるレブンアツモリソウの保護増殖の取組みを進めていく。

(参考)レブンアツモリソウ保護増殖検討会 検討員(敬称略。五十音順)

河原 孝行(※) 国立研究開発法人 森林研究・整備機構 フェロー

北村 系子    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所

         北海道支所 森林育成研究グループ 主任研究員

幸田 泰則    北海道大学 名誉教授

志村 華子    北海道大学大学院農学研究院 作物生理学研究室 講師

八巻 一成    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所

         林業研究部門 森林管理研究領域 環境計画研究室長

※座長

ロードマップ中間評価実施結果概要(公表版)

■ 問い合わせ先
環境省 北海道地方環境事務所
所長 安田 直人
統括自然保護企画官 大林 圭司
野生生物課課長補佐 若松 徹(担当)
電話(011)299-1954
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