【開催報告】2007年1月28日(日)冬の自然観察会1回目
【開催報告】2007年1月28日(日)冬の自然観察会1回目
2007.01.28 上士幌自然保護官事務所
平成19年1月28日、上士幌自然保護官事務所と上士幌町ひがし大雪博物館の共催で、講演会と自然観察会を行いました。

午前の部は、糠平文化ホールにて北海道環境科学研究センター道東地区野生生物室の宇野裕之氏から、「エゾシカの生態~保護管理と資源利用」と題して講演していただきました。
エゾシカは夏期と冬期で生息場所をかえる「渡り」を行い、阿寒湖で越冬する個体群は、夏期には藻琴山や美幌、津別など40kmにも及ぶ渡りを行うそうです。中には別海まで、その距離およそ100kmを渡るものもいるとのことでした。冬期はエゾシカにとっても過酷な季節で、積雪により食料が得られなかったり身動きがとれなくなり死亡するものがいます。そのため、積雪量と積雪期間が個体数の増減に大きく影響すると考えられています。
近年は、農業被害や交通事故など人とエゾシカとの軋轢が起こっていますが、オオカミの絶滅や狩猟者の減少、積雪量の減少などが要因として考えられています。人間活動による気候変動を食い止めるとともに、ヘルシーな肉や毛皮、角の活用を推進し、バランスよくエゾシカとつきあっていくべきとの意見を述べられました。

クマゲラの採餌跡
午後の部では、ひがし大雪博物館の川辺館長の案内で、上士幌町糠平の五の沢と呼ばれる場所で自然観察会を行いました。夏には笹藪でなかなか歩けない森林の中を歩くスキーで皆さん軽快に散策されていました。冬の森林では積雪期しか見られない足跡など、姿は見えなくても野生動物の息吹を感じることができます。この日はキタキツネ、エゾクロテン、リス、アカネズミの足跡が見られたほか、エゾライチョウのねぐらなどを見ることができました。
クマゲラの採餌跡、アカゲラの巣穴、アカエゾマツの倒木上更新なども見ることができ、枯れた木も森林生態系の重要な構成要素であると強く感じました。
午前の部19名、午後の部9名が参加されました。エゾシカに関する講演は大変興味深く、参加者から盛んな質疑がおこなわれました。当日は天気がよく風もなくてすがすがしい気候、おもしろいお話とともに気持ちよく運動でき、皆さん大変満足されたご様子でした。
次回は2月25日、十勝三股での自然観察会を予定しています。