報道発表資料
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(お知らせ)「レブンアツモリソウ保護増殖ロードマップ」概要版の公表について
レブンアツモリソウは、平成6年に「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」に基づく国内希少野生動植物種に指定され、「レブンアツモリソウ保護増殖事業計画(平成8年 農林水産省、環境省)」に沿って保護増殖の取組が進められております。 本種はこれまで盗掘や生育環境の悪化により生育数が減少しておりましたが、北海道地方環境事務所、北海道森林管理局、礼文町の3者が平成28年度に策定した「レブンアツモリソウ保護増殖ロードマップ」に基づき、「本種が自然状態で安定的に存続できる状態」にするための各種取り組みを進める中で、生育環境の改善によって個体数の減少を食い止める手法が確立されつつあることが明らかになりました。 そこで、北海道地方環境事務所、北海道森林管理局及び礼文町では、より多くの理解と協力の下で本種の保護増殖の取組を進めるために、「レブンアツモリソウ保護増殖ロードマップ」の概要版を作成し、公表することとしました。
1.「レブンアツモリソウ保護増殖ロードマップ」の検討の経緯
レブンアツモリソウ保護増殖事業計画に示された長期的な目標「本種が自然状態で安定的に存続できる状態になること」の実現に向け、平成26年度に有識者によるワーキンググループを立ち上げ、保護増殖事業の事業者である北海道地方環境事務所、北海道森林管理局、礼文町が平成28(2016)年度にロードマップとしてとりまとめたもの。今後10年程度の中間目標を定めた基本方針や各機関の取組内容・連携・普及啓発などについて定め、取組5年目の2020年の中間評価に向けて取組を進めているところ。
2.「レブンアツモリソウ保護増殖ロードマップ(概要版)」の主なポイント
(1)目標
長期目標:本種が自然状態で安定的に存続できる状態とすること。
中間目標:2025年まで
- 礼文島北部の群生地において、生育環境改善により個体数の減少を食い止める。
- 群生地以外の生育地において、生育状況を把握し、状況に応じて生育地を維持するための対策を講じる。
- 過去の生育地において、将来的に再導入の是非を検討することになった場合に備え、過去の生育情報について情報収集に努める。
(2)各取組の実施にあたっての基本的考え方
1.生育地における生育環境の改善
生育地でササの刈り払いや樹木の枝打ち等の植生管理により、生育環境の改善を行います。また、必要に応じて、近隣から採取した種子の播種を行います。
2.個体の再導入・人工培養の技術確立
植栽が必要になった場合に備えて、再導入・人工培養技術の確立に努めます。
3.生育地における盗掘の防止
盗掘防止のための柵やカメラの設置、監視員の配置を行うほか、盗掘防止キャンペーンの実施、ボランティアによるパトロール活動を継続します。
4.生育状況等の把握・モニタリング
双眼鏡による目視で開花数を数えるなど、可能な限り環境への影響の少ない方法でモニタリングを実施します。
(3)ロードマップ
2016年(1年目):取組の開始
↓
2020年(5年目):目標達成度の評価・必要に応じた見直し
↓
2025年(10年目):中間目標の評価・次期目標の設定
↓
以後、5年ごとに評価・見直しを実施
(4)添付資料
- ■ 問い合わせ先
- 環境省 北海道地方環境事務所 野生生物課
電話(011)299-1954 FAX(011)736-1234