アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]
見て、聞いて、ふれて。夏を五感で楽しもう!
2016年08月17日みなさま、こんにちは。阿寒国立公園川湯自然保護官事務所の二階堂です。
夏らしい陽気が続いたかと思えば、びっくりするほど冷え冷えする日もあり、北海道らしい短い夏が盛りを迎えています。そんな川湯地区で、全身で夏を感じた子ども達の様子をお伝えします。
まずは、弟子屈町教育委員会主催の「夏休みこども体験学習」の様子です。
和琴半島にて、北限で精一杯夏を告げる「和琴ミンミンゼミ(国指定天然記念物)」の声を聞きながら、オヤコツ地獄周辺に生育する「マダラスズ」を探したり、屈斜路湖で特定外来生物である「ウチダザリガニ」釣りに挑戦したりしました。
(和琴半島オヤコツ地獄にてマダラスズを観察する子ども達)
「マダラスズ」はコオロギ科の昆虫で米粒くらいの大きさ。オヤコツ地獄の地熱がマダラスズが快適に生育できる環境をつくっています。地面を触ってみると暖かく、地熱を体感できる場所です。
(レンジャーから特定外来生物「ウチダザリガニ」の説明を受ける子ども達)
ウチダザリガニは繁殖力が強く、ほかの生物のえさやすみかを奪ったり、捕食したりしています。
しかし・・・、悪いのはウチダザリガニでしょうか?
いいえ。責任は、影響を考えずに持ち込んでしまった人間の行動にあります。まずはこれ以上「広げない」ことが大切です。
(ウチダザリガニを食べる子ども達)
「広げない」ために。釣り上げたウチダザリガニは、その場で茹でてみんなでおいしくいただきました!
※外来生物は、「飼育・栽培」「運搬」「保管」「輸入」「販売」「野外に放つ」などの行為が外来生物法で規制されています。
また、川湯エコミュージアムセンターにも、夏休みを利用してたくさんの方にご来館いただきました。
流入する川もないのに水位が変わらない神秘の「摩周湖」、歴史的な硫黄採掘地でもある「硫黄山」、北海道第2の大きさを誇りオオハクチョウ飛来地でもある「屈斜路湖」など、川湯地区の自然や歴史について知識を深めることができます。
(顕微鏡を覗く子ども達)
顕微鏡で硫黄の結晶やトドマツの種、フクロウの羽などを観察。細部まで見てみると、新たな発見がきっとありますよ。
(クラフトコーナーで工作に励むご家族)
センター内のクラフトコーナー(無料)では、職員やパークボランティアが拾ってきた「まつぼっくり」や「木の枝」などを使って、自由に工作することができます。この日もたくさんの力作が生まれました!
夏には夏を。もちろん、秋には秋を。その季節の旬を五感で満喫してはいかがでしょうか?