ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

北海道地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2021年10月22日定山渓の山と紅葉

支笏洞爺国立公園 荒川真吾

こんにちは。支笏湖アクティブ・レンジャーの荒川です。

先日、定山渓にある小天狗岳の登山道巡視を行いましたので、今回はその様子をご紹介します。定山渓は「札幌の奥座敷」とも呼ばれ、温泉や紅葉がとても有名ですが、支笏洞爺国立公園の一部であるということはご存じない方も多いかもしれません。札幌中心部から約1時間という立地に、札幌岳や無意根山を始めとする山々や豊平川の清流など、豊かな自然を楽しむことができます。

小天狗岳は温泉街の北側、さっぽろ湖の南西側に位置する標高765mの山で、登山口は定山渓ダム下流園地内の定山渓ダム資料館の横にあります。(定山渓ダム下流園地は17時で閉鎖されるので、小天狗岳に登るときは遅くとも14時30分までに登り始める必要があります)

小天狗岳登山口

登山道は勾配が急な箇所が多く体力と脚力が必要ですが、最近新しくなった階段とロープが設置されており、とても良く整備されています。

登山道周辺では、赤や黄色に色づいたハウチワカエデやイタヤカエデが眼を楽しませてくれます。また、山頂付近からは、眼下に定山渓の温泉街やさっぽろ湖を眺めることができました。

定山渓には小天狗岳の他にも、朝日岳や夕日岳のように登山初級者にもおすすめの山があります。定山渓の山々にもヒグマが住んでいますので、山に入る際は登山の準備の他、クマ鈴などの対策を忘れないようにして下さいね。

定山渓の紅葉は10月終わり頃まで楽しむことができます。皆さんも見事な紅葉と温泉、豊かな自然を体験しに定山渓を訪れてみてはいかがでしょうか。

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2021年10月21日晩秋の1839m峰

丸岡梨紗

 大雪山では積雪も見られた寒い日ではありましたが、10月6ー8日に1839m峰の登山道調査に行ってきました。

 水も冷たくなった紅葉のコイカクシュサツナイ川を遡行し、北海道3大急登と呼ばれている急な尾根を苦労して登っていくと、稜線が近づくにつれ、1823m峰へと続く縦走路のナイフリッジには幾筋もの険谷が美しく刻まれ、ピラミッド峰を経てアイヌ語でカムイ・エクチカ・ウシ・イ(熊が・ 岩崖を踏み外して下へ落ちる・よくする・所)という意味をもつカムイエクチカウシ山まで急峻で美しい造形が連なる様子を望むことができました。

1823m峰紅葉のグラデーション【1823m峰紅葉のグラデーション】

 稜線から見た、残照に照らされる下部の紅葉から、上部の落葉した真っ白なダケカンバへと移り変わる晩秋の山のグラデーションと秋枯れの草紅葉。そして、その彩られた美しい屏風のような稜線をバックに、うっすらと舞う初雪が太平洋に沈む洛陽に輝く様子は、寒さも忘れる美しさでした。

夕暮れに染まるナイフリッジ【夕暮れに染まるナイフリッジの稜線】

 翌日は晴天で、北日高方面では白く輝く山々が見られました。今回は調査のために万全の準備のもと山行にのぞみましたが、10月以降は気温も低く、また日没も早いため、9月中までの登山をお勧めします。

 コイカクシュサツナイ岳を過ぎるとハイマツのブッシュは濃くなり、枝や幹を払いのけながら、ヤオロマップ岳への藪漕ぎが始まりました。

コイカクシュサツナイ岳山頂から1839峰への稜線【コイカクシュサツナイ岳から1839m峰方面を望む】

 水場は、このヤオロマップ岳の東側の急斜面をヤオロマップ左沢源頭に向かって慎重に10分ほど下ると水が得られるとされていますが、水量が少ないため時期が遅ければなおさら下から担ぎあげることをお勧めします。その際、2日目の行動時間が長いため、もし夏場であれば、特に十分な水の量を計算することが必要です。

 私は、隆起して地球の圧力を受けた変成岩や深成岩の岩壁が、氷河や川に削られてさらに雪に磨かれた険谷に、地球のエネルギーを感じながら沢登りするのが好きなのですが、カムエクから続く中日高一帯は特に難易度の高い沢に囲まれており、1823m峰からすっと流れ落ちる名無沢の滝を筆頭に、縦走路から望むことのできる様々な滝や、サッシビチャリ川源頭のきらきらと光る水に輝く岩盤などに美しさや遡行への憧れを感じました。

 その後1781m付近からのハイマツと低木ブッシュをまるで木登りのように越え、急なアップダウンも越え、1839m峰への最後の登りである部分的にロープが張られている急な壁を越え、苦労して山頂につくと主稜線から離れていることもあり、ペテガリ岳からカムイエクチカウシ山までの雄大な日高山脈の国境稜線を見渡すことができました。

【1839m峰山頂からカムイエクチカウシ山方面を望む】

 1839m峰に登るのは13年前のお盆に1週間かけてポンヤオロマップ岳まで縦走した時に登った以来でしたが、夏の日高山脈にありがちな上昇気流の影響によりガスがかかっていたその時と違って、今回は寒いながらも、最高のお天気で感動もひとしおです。

 帰路のヤオロマップ岳からコイカクシュサツナイ岳への工程はハイマツの生える向きが逆になるために、疲れた体に鞭打って厳しい藪こぎとなり、なんと足には無数の青あざができていました。

 秋の日暮れは早く、夕暮れのエゾシカのラッティングコールに晩秋の寂しさを感じながら1日がかりで往復しました。

 1839峰は、急峻な日高らしさを持つ美しい山でしたが、北海道最難関とも呼ばれており、23日は必要となる体力的に大変ハードなルートとなりますので十分計画されてからの山行をお願いいたします。

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2021年10月08日今が狙い目!川湯の森散策のススメ

阿寒摩周国立公園 川湯 武山栞

阿寒摩周国立公園管理事務所の武山です。

「川湯の森ナイトミュージアム」が今年も始まっています。

ライトアップによって「夜ならではの森の観察体験」を楽しめるイベントです。

入口でヒグマがお出迎え。

川湯の森が立体図鑑に変身した「図鑑の森」は、一部の木々がライトアップされると共に、シマフクロウなどの彫刻の野鳥たちを見ることができます。道中には、スマートフォンと連動する解説板が至る所に設置してあり、川湯の森や生き物たちへの知識をさらに深めることもできます。

普段は気にとめないような切り株が......


夜の明かりの下では、いつもより神秘的で、より生命力を感じます。

また、109()17:0021:00は関連イベントとして「森のマルシェ」も同時開催。川湯周辺のお店が大集合し、美味しい料理や飲み物を楽しむことができます。

※イベントによって開催期間や時間が異なるので、事前に確認することをおすすめします。

特設HP(各種関連イベントの詳細あり)

https://www.kawayunomori.com/

☆消毒液の設置など、感染対策を行って開催しています。

「レプリカもいいけど、やっぱり本物の動物が見たい!」

そう思われる方もいると思います。道東を巡ると様々な動物たちに出会えますが、お昼の川湯の森も実は穴場。私が巡視していて、よく見かけるのはキツツキの仲間です。

↳キツツキの仲間の中では比較的よく見かける「アカゲラ」


↳アカゲラより一回り大きく、おなかの赤い部分の範囲も広い「オオアカゲラ」

↳キツツキたちに混じって一緒に木をつついていたのは「キバシリ」。

スズメよりも小さい鳥で、キツツキのように木の幹に縦にとまり、隠れている虫を探します。

川湯の森のふかふかの苔の道を踏みしめながら(雨の日などは滑りやすくなるので要注意!)、のんびり鳥の声を聞き、緑に包まれてみてはいかがでしょうか。紅葉も進んできており、きれいですよ。

夜の川湯の森を楽しめるのは今だけですのでぜひこの機会にお越しください。

最近はかなり気温が下がってきているので、防寒対策はしっかりしてきてくださいね。

川湯の森から歩いてすぐの足湯や温泉で暖まっていくのもおすすめです。

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2021年10月05日利尻礼文サロベツ国立公園だより(6月・7月号編)

利尻礼文サロベツ国立公園 福井翔太

サロベツ担当アクティブレンジャーの福井です!

今回は一気に夏の期間、6月と7月の利尻礼文サロベツ国立公園だよりを紹介します。夏は特に見頃が盛り沢山なため、月2回上旬と下旬で発行をしています。

●6月上旬 輝く生命               ●6月下旬 一期一会

利尻礼文サロベツ国立公園も4月と5月に比べて新緑になり、緑の草や葉を彩るように黄色やピンク、紫といった鮮やかな色の花が咲きます。

サロベツでは、夏にやってくる輝かしい黄色い野鳥のツメナガセキレイと、湿原のあたり一面を星のようにピンクで彩りをつけてくれる低木のヒメシャクナゲが目立っていたため掲載しました。6月下旬から7月上旬はエゾカンゾウも満開になり見頃な時期です。

          

●夏の到来 7月上旬               ●賑わう夏 7月下旬

7月は緑の大地に、青い空、青い海といった夏らしい景色、野外で活動にも良い季節です。よく目をこらすと気づく小さな花の開花や昆虫たちの活動が見られます。

サロベツでは足下にツルコケモモや、モウセンゴケ、ミズゴケがカーペットの様に地面を覆います。また、夏の期間は地元の学生やパークボランティアの方と自然を通して交流する機会も多くあり、野外を体感するには良い季節でした。

7月中はノハナショウブが目立ちますが、6月から7月にかけてこのほかにもカキツバタやヒオウギアヤメなどのアヤメ科の花が咲きます。似ていますがそれぞれ花の形や模様が違いますので、ぜひ観察をしてみてください。

利尻礼文サロベツ国立公園だよりは毎月1日(6月から8月は月2回で15日にも発行)、

稚内市内だけでなく利尻島、礼文島、更には豊富町、幌延町、浜頓別町など役場、駅、空港、ホテル、港など、約150ヶ所に掲示しています。

道北に訪れて便りを見つけた際には、ご確認と共にぜひ『利尻礼文サロベツ国立公園だより』に掲載されている利尻・礼文・サロベツへ足をお運びください!

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