ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

北海道地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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大雪山国立公園

127件の記事があります。

2021年09月24日We all live in the Earth

大雪山国立公園 渡邉 あゆみ

こんにちは、東川管理官事務所の渡邉です。

先日、東川町内の小学5,6年生に、東川町の生き物と環境問題について出前授業をする機会がありました。

授業のタイトルは【We all live in the Earth~大雪山に暮らす生き物とわたしができるエコプラン~】

「大雪山に暮らす生き物を学び、自然環境問題について課題意識をもち,自分にできるエコを考えてみよう」がテーマです。

はじめに先生と打合せをしたときに「生徒はみんな東川が大好きで、東川に誇りを持っている。」と仰っていました。

では「みんなの誇りでもある町の自慢【お米】【旭岳】【雪】。この3つが、今と同じ暮らしをしながら、50年後も自慢と言えるだろうか?」と、少しドキッとさせる質問を投げかけ、東川で起こっている環境問題や地球温暖化の影響をクイズにしたり、私たちができるエコ活動のお話をしました。

続いて、最近ニュースで連日報道されている「市街地に出てくるヒグマ」について。

ヒグマに関するクイズを出しながら、本来のヒグマの生態を紹介し、ヒグマがなぜ増え、山から下りてくるようになったのか。山の豊かさの象徴であるヒグマを"悪者"とせず共存していく方法や、ヒグマとの事故を起こさないために私たちにできることについて、お話しました。

ヒグマが一時絶滅しかけたことや、ヒグマの生態など知らないこともあったようで、ただ怖いだけだったヒグマの印象が少し変わったかな?と話しながら感じました。

後日、第二弾として、生徒たちが考えた【東川の自然を守るためのエコプラン】の発表会があったので、私が生徒たちに伝えた内容は届いているだろうか・・・とドキドキしながら聞きに行ってきました。

先生が発表前に「笑顔で、アイコンタクトをしながら、ハキハキと」とアドバイスしたポイントを守り、学習している英語やSDGsに絡めた内容を交えての堂々とした発表で、今の小学生はたくましいし、頼もしい!と関心しきり。

生徒たちが発表したエコプランは「動物はとてもデリケートで、私たちに害のないものはむやみに殺さず見守っていく」「50年後の東川を守るために、マイバッグを持ったり、ポイ捨てはしない。」「私もレンジャーになりたい」など嬉しい発表などもあり、今回の授業をきっかけに、自然環境保護への関心が芽生えて、地球に優しい生活が日常の一部になって、みんなで東川の自然を守っていけたら嬉しいです。

これからの時代を担う若い世代への負担を減らし、恥ずかしくなく、胸を張ってバトンを渡せるように、私たち大人もコツコツと、できることからはじめていこう。

【かかとを縫った愛用の靴下を紹介中】

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2021年09月22日スノーモビルによる荷上げ2021編

大雪山国立公園 忠鉢伸一

こんにちは大雪山国立公園管理事務所の忠鉢です。

9/11当麻乗越にて、木道を設置作業に立ち会った時の様子をお伝えしたいと思います。

以前AR日記でお伝えした、スノーモビルを使った資材荷上のその後です。

以前の日記も良かったら見てください。

2020.3月「スノーモビルを使った荷上げの調査」

この木材はスノーモビルを使って今年の3月に荷上げしたものです。

大雪山は雪解けが遅いため、登山道が乾く8月下旬~9月上旬が登山道の整備に適した季節となります。

木道を作る角材は1本約15kgあります。この仮置き場から各設置場所へ数100メートル移動させるだけでも一苦労ですが、登山口から約5km位離れたこの場所に人力で運ぶとしたら途方もない労力と時間が掛かるでしょう。

令和元年度からスノーモビルでの運搬ルートや手法の調査を続けてきましたが、今年の春に初めて木材の運搬をする事ができました。

スノーモビル数台のチームで行われたこの調査は、スノーモビルの運転技術のみならず、天候、ルート読み等、山行に適した知識や能力も必要であり、何よりも運搬作業が可能かどうか、重要なのは現地の雪の状態です。パウダー雪では運搬には適さないし、溶けすぎていても樹林帯の走行が難しくなってしまいます。

調査の結果、資材運搬は気温が上がり始めた3月が最も適した時期だとわかりました。

     

当麻乗越付近での資材運搬の様子(2021年3月)

(この作業にあたり、環境省が道有林の入林申請を行い、また国立公園内の乗り入れ規制区域でのスノーモビル使用手続きを取りました。許可無く国立公園内にスノーモビルの乗り入れ規制区域に入ることは禁止されています。)

登山口から遠いと日常的な補修整備ができずに、登山道の浸食を止めることができません。

資材不足が登山道の維持管理を難しくしていた部分もあり、今年のスノーモビルでの荷上げは、今後大雪山の登山道整備の方法を変えていく可能性があると期待しています。

当麻乗越から(2021.9月)

当麻乗越への登山道には高層湿原や、秋は綺麗な紅葉をみることができる場所が多くあり、旭岳や愛別岳の展望も良い素晴らしい場所です。

歩きやすい木道が整備されると、ぬかるみを避けて法面や植生の上を歩く登山者の踏圧による侵食が軽減されます。木道を設置する事で整備は終了ではなく、設置してからの管理がとても重要なため、巡視の際に経過の観察をし、侵食状況や木道の不具合を点検する作業が始まります。

 

今回は全部で13基の木道を制作し、水がたまってぬかるんでいる場所や侵食が進みそうな箇所に敷設されました。

一度に大きな施工を行ったために、場合によって生態系が変化してしまうケースもあり、今後の整備としては、最低限の整備をしつつ現場を良く観察しながら、臨機応変に整備方法を見直していくやり方が望ましいと思われます。

今回の試験的な試みが成功して、色々な地域でスノーモビルが活用されるようになり、今まで資材確保が難しくてできなかった整備が進むことによって登山道が快適になったら良いですね。

登山の際は、登山道整備した箇所を観察しながら歩くのも面白いですよ。

今後の整備後の経過もAR日記でお伝えしていけたらと思います。

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2021年09月17日今シーズン見た面白い生き物たち

大雪山国立公園 入江瑞生

大雪山国立公園では少しずつ紅葉が進み、短いグリーンシーズンの終わりを迎えようとしています。

さて、今シーズン見た面白い生き物たちを皆さんに紹介したいと思います。

ナガバノモウセンゴケは食虫植物の一種で貧栄養の湿地に生育します。葉の表に紅色を帯びた長い腺毛が多数あり、粘る液で小虫を捕らえ消化液で溶かして栄養としているそうです。下の写真は何が起こっているか皆さんわかりますでしょうか?

モウセンゴケに2匹のトンボが捕まっています。

粘液には2匹も捕まえることができる力があったのかと驚かされました!!

今までは、下の写真のように

小バエが捕まっているところは見たことがありましたが、このサイズの小虫ぐらいまででした。

一度気になって湿原を歩くたびにモウセンゴケの観察を始めると、他の場所でもトンボが捕まっていました。朝露のように小さな滴の粘液でどのくらいのサイズの虫を捕まえることができるのか気になりますね!

どこかのアニメで出てきそうな感じでかわいいですよね!頭部のオレンジに愛らしい目!!

見た瞬間かわいすぎて思わず写真を撮ってしまいました。

ハチ目ハバチ亜目という種類の幼虫ではないかと思います。日本に生息するハチの種類は4,000種以上とも言われておりこれ以上同定することはできませんでした。ハバチの仲間は他の動物や人を攻撃するための毒はもっておらず、群れも作らないそうです。そのため初めてこの幼虫を見たときハチの仲間だったとは気づきませんでした...


私は木です。

登山道を歩いていると、あたかも木に同化していると思っているようなエゾライチョウに会いました。登山道に沿って少しづつ近づいても変わらずこのポーズ。

微動だにせずじっとこちらの様子をうかがっていたので、エゾライチョウが逃げるまで待つのではなく、私たちが先に去ることにしました。

エゾトラマルハナバチが夢中になってサワアザミの蜜・花粉を集めていました。サワアザミには蜜が多いのか長いことどの個体も花にしがみついていました。アザミが下向きに咲くのでマルハナバチの調査をしていなければ気づきませんでした。好きな花があるのか、多くのマルハナバチはアオノツガザクラから蜜を集めていましたが、エゾノコザクラやチングルマからしか蜜を集めないというマニアな個体もいるようでした。

マルハナバチの働き蜂は、一日に2匹のハチを育てるだけの花粉を集めると言われており、大忙しに蜜を探して飛び回っています。どのような世界が彼らにあるのか少し覗けたような気がしました。

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2021年09月14日オオハンゴンソウとの戦い

大雪山国立公園 上士幌 上村 哲也

 上士幌管理官事務所では、大雪山国立公園の特別地域において特定外来生物「オオハンゴンソウ」の駆除を行っています。国立公園利用者の目に留まりやすい道路脇から堀取りを行っています。主に国道273号糠平国道と道道718号忠別清水線の道路脇に生育しています。オオハンゴンソウは、寒冷な気候にも対応でき、根を張り葉を広げ土の中で根茎を太らせると、やがて茎を伸ばし花を咲かせるようです。埋土種子の寿命や発芽率など詳しい生態はわかっていませんが、根茎を残さず掘り取り種を落とす前に駆除することで、徐々に生育数が減っていくはずです。

 駆除の効果を確かめるため、2019年からは掘り取った開花茎を数えながら進めています。なかなか思うように減っていってはくれません。全体としては減少させていると言えますが、年々半減ということにはなっていません。

主な生育場所における駆除数の推移(本)
生育場所 2019年 2020年 2021年
忠別清水線

189

113 61
糠平国道49km地点 757 266 279
音更川第3橋梁付近 62 79 17

 フキやササ、イラクサの混在する茂みからオオハンゴンソウを根茎ごと掘り取るのは辛い作業です。次の写真は糠平国道の道路脇を見下ろした様子です。乗用車の運転席からは一部しか見えないかもしれませんが、大型バスからは黄色い花が広がる生育地全体が見えるに違いありません。写真の範囲の124本を駆除するのに1時間以上かかりました。土壌に石が混じっていたり、フキの根に癒着していたり、ササの根と絡み合ったりしているととても厄介です。

駆除前(黄色い花を咲かせているのがオオハンゴンソウ)

駆除後

 もう3年ぐらい駆除を続けた結果として約100本以下になれば、計画的に日付や時間を割り振らなくても、目に付いたときに掘り取っていけば生育数を抑制した状態が保っていけるのではないでしょうか。

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2021年09月10日なぜ?

大雪山国立公園 渡邉 あゆみ

こんにちは、東川管理官事務所の渡邉です。

順調に紅葉が進む大雪山。山ではそろそろ雪がちらつきそうな寒さが漂っています。

【2021.9.8 大塚・小塚の斜面】

巡視のときは、自分の登山グッズの他に仕事で使用する道具、例えば剪定バサミ、ハンマー等、色々持って行くのですが、欠かせないのが「火ばさみ」。トイレで使用したと思われるティッシュを拾うためです。

先日、旭岳~中岳温泉を「携帯トイレ普及キャンペーン」で歩いたとき、岩陰で11個ものトイレ痕のティッシュを拾いました。過去最多。

尋常じゃない数で、とてもショックでした。

ティッシュを放置していった人たちも、本来は美しい大雪山の大自然を満喫するために来たのでしょう。

足下に咲く可憐な高山植物や、野生動物が逞しく生きる姿に癒やされ、大雪山の大いなる懐に抱かれ、たくさん深呼吸をして、活力を得たことでしょう。

それなのに、なぜ、自分のお尻を拭いた汚いティッシュを、放置していけるのでしょう?

高山植物の上に残された無惨なティッシュを見て、何を感じるのでしょう?

いずれ溶けるか、風で飛ばされて散り散りになるから大丈夫、と思うのでしょうか?

汚いティッシュなんて持って帰りたくない、と思うのでしょうか?

携帯トイレを持っていなかったのでしょうか?

置いていったティッシュを誰かが拾っているなんて想像もしないのでしょう。

ティッシュは100%が紙で製造されているのではなく、プラスチックを含んで作られているのがほとんどなので、自然界に捨ててもプラスチックは溶けきらず目に見えない大きさのマイクロ・プラスチックとなって残ります。それを野生動物が何かの植物と一緒に口に入れて、消化しきれず胃に残ってしまう可能性は少なくないでしょう。

次に、携帯トイレを持ってきて、携帯トイレで用を足し、それを山に置いていく人・・・。ここまで用意したのに、どうして・・・?

想像より臭かったのでしょうか?重かったのでしょうか?ザックがいっぱいだったのでしょうか?下山して捨てる場所がわからないと思ったのでしょうか?

体の生理現象を我慢する必要はありませんが、用を足したティッシュや使用済みの携帯トイレを残置すること、これら登山者の行動心理は、どんなに想像力を膨らませても、神聖な大雪山を前に、寛容できる行為ではなく、こんなにも尊い自然の中に、人間の汚物を残していけるってどうしてできるのだろう??と本当に不思議でなりません。

私たちのように毎日のように山に行く場合、携帯トイレ代もかかりますし、そのたびに携帯トイレをゴミとして廃棄することになります。使用後はそれなりの大きさになり、ザックの中で袋を破裂させないよう取扱い注意な荷物になり、私的には生理現象として毎日使用する割に大げさというか、スマートではなくなってきました。そこで考えたのが、ピーボトル(尿瓶)。

私はM社の飲料用ボトルをピーボトルとして使っています。

口が広いので、女性でも問題なく使えますし、密閉性があり漏れる心配はなく、一度買えば、ゴミも出ません。ボトルに用を足し、下山してからトイレに流して洗うだけ。一連の作業はすぐに慣れました。シンプルで、携帯トイレを使うより時短にもなります。

大好きな大雪山にいつまでも登らせてもらえるように、山への負荷は最小限に、山への敬意は最大限に。

皆さんにも、理解していただき、正しい選択をしてもらえるよう、環境に、山に、優しい登山をしていきたいです。

9月8日(水)~10月5日(火)まで、中岳温泉に携帯トイレブースを設置しています。ぜひ、ご利用ください。

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2021年09月08日紅葉マイカー規制

大雪山国立公園 忠鉢伸一

こんにちは。大雪山国立公園管理事務所の忠鉢です。

今年の北海道の夏は雨がほとんど降らず、暑さも北海道とは思えないほどでした。

季節の移ろいは早いもので、植物の葉は色付きはじめて、長い冬が近づいているのを日々感じます。

麓の上川町でも、太陽が出ている時間は暖かいのですが、朝晩は冷え込む日が増えてきたようです。季節は確実に進んでいきますね。

9/6 黒岳にて撮影

さて、紅葉時のマイカー規制が来月から始まり、銀泉台、高原温泉は一般車での出入りが規制されます。

銀泉台  9/189/26 (ゲート閉鎖 9/17 1900~)

高原温泉 9/2310/3

詳しい情報は上川町のホームページをご覧ください。

                    →上川町HP

紅葉が綺麗になる条件としてはいくつかあります

・昼と夜の気温差

・直射日光がよくあたること

・適度に湿度があること

この三つが紅葉が綺麗に色づく条件のようです。

今年の現時点では紅葉の色づきが良く、素晴らしい紅葉が見られるのではないかと期待してしまいます。

日本一早いと言われる大雪山の紅葉ですが、今年はどんな彩りを見せてくれるのでしょう。

9/1 赤岳第1花園にて撮影

紅葉マイカー規制の時期、層雲峡紅葉谷ではの紅葉ライトアップイベント「奇跡のイルミネート」が開催されます。

山の上の紅葉が終わる頃、層雲峡は紅葉の見頃を迎えます。

秋の夜は層雲峡紅葉谷での散歩を楽しんでみてはいかがでしょうか。

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2021年08月31日層雲峡命名100周年

大雪山国立公園 上川 忠鉢伸一

こんにちは

大雪山国立公園管理事務所の忠鉢です。

8月も最後の日を迎え、そろそろ次の季節が来そうですね。

今年は大雪山もとても暑い夏でしたが、山の上ではすでに紅葉が始まっています。

朝晩は気温もぐっと下がってきました。

今年は層雲峡命名100周年ということで少し層雲峡命名のお話をしようと思います。

層雲峡と名付けたのは、「大町桂月」という当時全国的に広く知られる文学者とされています。

大正10年(1921年)8月、大町桂月は層雲峡を初めて訪れた際に、当時「霊山碧水峡」と呼ばれていた石狩川上流の渓谷を、アイヌ語「ソウンペッ(滝のある川)」にちなむ双雲別川をヒントに「層雲峡」と命名しました。

この時、大町桂月は層雲峡から数日間がかりで大雪山系を縦走し、天人峡に下山しました。

桂月岳から見た夕暮れ(8月)

この当時は、国内では、すでにロープを使ったクライミングが始まっていたという記録もあり、日本人登山家がヨーロッパアルプスで最も困難なルートに初登攀するという時代でしたが、大町桂月はなんと袷衣姿に草鞋履きで沢筋を遡行して稜線へ登り、縦走を果たしたことになります。高性能な道具もない、整備された登山道も、ロープウェイもない時代です。無謀とも思える山行ですが、彼の冒険に対する情熱と、なにより8月の天気に恵まれたから成し遂げられた縦走だったのかもしれません。

縦走の途中、大雪山系黒岳の近くにあった無名の山に登頂しました。この大雪山縦走計画の企画者でもある塩谷忠の提案で、この無名の山がのちに桂月の名を冠した桂月岳(標高1938m)となったと言われています。

この大町桂月による縦走後、層雲峡や大雪山の名は全国に知れ渡っていくことになります。

大雪山が国立公園として指定されるのはそれからさらに13年後の1934年になります。

そのお話はまたいつか日記に書こうと思います。

層雲峡園地にある大町桂月の碑文

「人若し余に北海道の山水を問えば、第一に大雪山を挙ぐべし。次に層雲峡を挙ぐべし。大雪山は頂上広くして、お花畑の多き点に於いて、層雲峡は両崖の高く且つ奇なる点に於いて、いづれも天下無双」

と書かれています。

現代風に大まかに訳すと・・・

「誰かが北海道の素晴らしい景観はどこか?私に尋ねればこう答えます。最初に大雪山を推薦します。次が層雲峡です。大雪山は頂上部分が広く、お花畑が多いのが特徴です。層雲峡は崖がとても高く、その形はとても変わっています。両方とも他には、まず見ることができないほど素晴らしいものです」

大雪山と層雲峡は、これから100年後も碑文にあるような素晴らしい場所であり続けてほしいです。

大町桂月(1869~1925)高知県生まれ 詩人、歌人、随筆家、評論家 

大正時代には登山家としても活動し、北海道各地を旅してその魅力を発信しました。

※大町桂月の文学碑は層雲峡以外にも北海道各地に点在しています。

参考文献「大町桂月の大雪山」

    「大雪山のあゆみ」

    「大雪物知り百科」

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2021年08月30日大雪山国立公園携帯トイレ普及キャンペーンin黒岳石室

大雪山国立公園 入江瑞生

大雪山国立公園は、本州の山岳地と比べて避難小屋や常設トイレなどが極めて少なく常設トイレのない宿泊地を中心にし尿の問題が深刻となっています。登山者がし尿を排出するため登山道を外れて繰り返し歩き、高山植物が消失して裸地が拡大、土壌が流出するほか、排出されたし尿が放置されることによる景観の悪化、不快感の増加による利用上の支障、土壌の富栄養化など周辺植生への悪影響や水場や沢水等の汚染も懸念されています。そこでH30 年に大雪山国立公園に関わる山岳関係機関18団体が協力し「携帯トイレ普及宣言」を行い、山岳環境を維持するために携帯トイレの利用推進を行っています。大雪山国立公園連絡協議会では、87日に携帯トイレ普及キャンペーン活動の一つとして安く作れる携帯トイレの配布を行いました。今回のキャンペーンは携帯トイレブースがあり、携帯トイレをすぐ使える黒岳石室で行いました。天気が下り坂ということもあり利用者は少なめでしたが、石室を利用した約8割以上の方に携帯トイレの話や、配布を行うことができました。

<配布内容>

1セット:45Lの防臭ゴミ袋、防臭ビニール袋、凝固剤、防臭ジッパー袋を各一個づつ

山用品店でなくてもホームセンター等で安くそろえることができるもので作ってみました。「これでは不安だ」という方は、登山口近くのコンビニでも携帯トイレの販売を行っている箇所がありますので調べてみてください!

登山者の方と話をしていて驚いたのは、日帰りではトイレに行かないという方が多く、携帯トイレを持参されない方が多いということでした。一方で、今年は北海道でも猛暑が続き登山中に熱中症で下山できなくなったという人が多かったそうです。持って行く水の量が少なかったことが大きな原因ではあるようですが、トイレのことを気にして水を飲めず脱水症状になってしまったという方もいらっしゃるのではないかと心配になりました。

そんな時に有効なのが、携帯トイレです!!持っていればいつでも用を足すことができます。ポンチョ等も売られており、急を要しても隠れることができます。

大雪山国立公園では、常設のトイレブースや携帯トイレブースが設置されている場所もありますので事前に調べてみてください!

今年度大雪山国立公園管理事務所の何人かの職員で使い始めてたのがピーボトルです。

携帯トイレを初めて使用する時よりも抵抗感はありましたが、使っていると携帯トイレより良い場面もあるなと感じています。また洗って使い回しをできるのでお財布や環境にも優しいのではないかと期待しています。キャンペーン中に1組の登山者がピーボトル使ってますよという嬉しい話も聞きくことができました!!

ティッシュが風で舞い、野外し尿痕で汚れている山ではなく、雄大で綺麗な大雪山国立公園であり続けてほしいと改めて思いました。皆さんも登山の際にザックの中に携帯トイレ常備しておいてはいかがでしょうか?

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2021年08月16日大好き、富良野岳❀

大雪山国立公園 渡邉 あゆみ

こんにちは、東川管理官事務所の渡邉です。

十勝岳連峰の南端、富良野岳は早くに火山活動が終わったため多種類の高山植物が咲き、十勝岳温泉から登るルートは登山口から標高差670mほどでピークに達することができるので、高山植物の開花がピークとなる7月は、全国からはもちろんのこと、登山初心者や長年大雪山に登り続けるリピーターも毎年登りたくなる幅広い世代から愛されている山です。

私もかれこれ15年以上、毎年かかさず登っています。

今年の6、7月は悪天で富良野岳に登る計画が流れ、やっと8月5日にパークボランティアの方々とセイヨウオオマルハナバチ防除活動のため富良野岳に登ってきました。

すっかりお花の盛りを過ぎているので、秋のお花に出会えたらいいな~と向かったところ・・・夏と秋のお花をミックスした50種以上もの高山植物に出会うことができました❀

富良野岳の斜面を覆い尽くしていたのが、ナガバノキタアザミとトカチフウロ。

 

頂上直下で満開だったのがカラフトイチヤクソウとムカゴトラノオ。

ムカゴトラノオは雄しべがピンクになります。

小さくて、よく見えない!!そんな姿もいじらしくて可愛い♡

 

目立つ黄色いお花たち

控えめに咲くお花たち

チングルマやコマクサなどの目を引くアイドルたちの出番は終えていましたが、急いでいたら見落とすほど控えめに、ジッと咲いているお花たちを見つけると、尊さで一つ一つ話しかけてしまい、なかなか歩みを進めることができません。正直なところ、あまりにも控えめなので、図鑑で同定していかなければ名前が思い出せないほど・・・(勉強不足です)。

この日、セイヨウオオマルハナバチはおらず、在来マルハナバチが忙しそうにミヤマサワアザミに潜り込んでいました。

普段は作業をするために急ぎ足で歩くことが多いですが、じっくり周囲の自然を観察しながら歩くと、新たな発見がまだまだあり、今まで見落としていた「はじめまして」のものに出会えて、大雪山は本当に奥深く、底なしに学ぶことがあって、こんなに豊かな自然に出会えてありがたい♡と心がホカホカになりました。

過酷な環境下で、たくさんの高山植物が力強く根を張り、ときには風の、ときには昆虫の力を借りて、様々な形で命を紡いでいる姿を見て、改めてその一つ一つを大切にしていきたいと感じました。そのためにももっと大雪山について勉強していきます。

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2021年08月13日ヒグマ情報センター巡視員体験

大雪山国立公園 入江瑞生

大雪山国立公園には高原温泉ヒグマ情報センターがあり、そこから沼巡りができます。紅葉の時期は人が多く人気な場所なのですが、この時期の見どころは、雪渓の上でごろごろと涼んでいるヒグマの姿が見られることです!

登山者とヒグマの接触が起こらないように巡視員がおり、今回は巡視員の体験をしてきました。

朝センターの専門の巡視員と一緒に、痕跡を探しながら高原沼まで行きました。この時期の沼巡りコースにいるヒグマはミズバショウやフキを食べ、雪渓の近くではハクサンボウフウを食べているのではないかとセンターの方は話していました。

上の写真にヒグマがいるのですが、皆さんは見つけられますか?? 

雪渓の上の方にある黒い点がクマです!!今回は高原沼まで行くと、運よく雪渓の上でゴロゴロしているクマがいました。雪渓を出、食事を再開したと思うと雪渓に戻ってきて涼む姿は、とても愛らしかったです。高原沼でクマを観察している最中はとても暑く、雪渓で涼むことができるヒグマがうらやましかったです。現在残雪状況は下の写真の通りで、8月中旬までは雪渓が残るだろうといわれています。

沼巡りコースは名前の通り沼が多く、それぞれの沼で雰囲気が違うので、とてもワクワクしながら沼が見られるのではないかと思います。

    

紅葉時期もきれいですが、雪渓が残るこの時期の沼巡りコースもおすすめです!

コース内を歩いているとエゾシカもいました。こちらを確認してまた食事を再開。とてものんびりとしているシカでした。

清流やきれいな湖池にしか生息しないバイカモが見ごろでとてもきれいでした。

巡視員として周りを見ながら気を付けてゆっくり歩いてみると、今まで通り過ぎていた植物、昆虫たち、痕跡に出会えました。山頂目指して歩くのも良いですが、皆さんもぜひ周りをゆっくり見ながら歩いてみてはいかがでしょうか?

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