アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]
ニセイノシキオマップの氷瀑
2021年03月11日3月7日に層雲峡で行われた自然観察講座の様子を紹介します。
上川町公民館主催、大雪山国立公園共催で上川町在住の方々を対象に行っているイベントです。
今回は層雲峡の沢山ある氷瀑の一つ、ニセイノシキオマップ滝を観察に行きました。
層雲峡には、源流であるニセイカウシュッペ山(1883m)から流れる「ニセイ」の名前のつく川が3つあり、それぞれが石狩川に流れ込んでいます。
「ニセイ・ノシキ・オマ・プ」とはアイヌ語で「渓谷の中央にあるもの」という意味。アイヌはこの3つの川を人体に形容して、中流に流れ込むこの川を胴体と表していたと考えられています。
(参照 山田秀三『北海道の地名』 知里真志保『地名アイヌ語小辞典』)
上川山岳会8名が講師となり、総勢28名での観察会となりました。
暖冬だった昨年の冬とは違って、ここには雪が沢山あります。先頭はラッセルしながら林道の中を進んでいきます。
晴れた日であればニセイカウシュッペ山の稜線が見えるようですが、この日はあいにくの曇空だったため山肌が見える程度でした・・・
野生動物の痕跡を探したり、溶け始めた川を眺めながら川沿いを進んでいくと、
氷結した滝が姿を現しました。とても綺麗な氷瀑です。
ニセイノシキオマップ滝は別名「ブルーウルフ」とも呼ばれています。
氷が青く見えるのがブルーウルフと呼ばれる由来なのでしょうか。
水が澄んでいるから氷も綺麗になるのでしょう。
アイスクライマー達にも人気の場所のようですが、氷の壁を登らない人であってもこの氷瀑を見たら感動すると思います。
層雲峡には一般的にあまり知られていないスポットがまだまだ沢山あるような気がします。
積もったばかりの新雪も味わえましたが、沢部分は大きく踏み抜く場所もあり、確実に春は近づいているなあと感じられました。厳しかった冬ももうすぐ終わりです。
自然観察講座に参加の皆さん、そして上川山岳会の皆さんお疲れさまでした!