ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

北海道地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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知床国立公園 ウトロ

213件の記事があります。

2020年09月25日山、きれいにつかいませんか?

知床国立公園 ウトロ 小泉尚也

道東の端っこの知床では、すっかり空気は秋の匂いになり、

河川にはシロザケが遡上してくる季節となりました。知床国立公園・ウトロ地区の小泉です。

9月15日-16日に知床連山巡視に行ってきました。

天候に恵まれ、草紅葉も始まりつつあり、素晴らしい景色を堪能できました!

(サシルイ岳からの三ツ峰、羅臼岳の景色)

(葉が紅葉している季節外れのチングルマ)

山が生み出す自然の景色は最高にきれいなのですが、登山道の各ポイントでは、人が生み出すとても残念な景色も見られました。

  

(弥三吉水にて人糞がついたトイレットペーパー) (銀冷水トイレブース裏のし尿後)

  

(極楽平にてグミの袋)        (二つ池野営指定地にて野生動物がいたずらしたであろうポリタンク)

◎し尿・トイレットペーパー問題

アクティブレンジャーが行っている羅臼岳・知床連山巡視の際には、毎回トイレットペーパーの調査回収調査をしています。岩尾別温泉ルートでは、オホーツク展望、弥三吉水、銀冷水、羅臼平。連山縦走路では、三ツ峰野営指定地、二つ池野営指定地、第一火口野営指定地行っています。特に岩尾別温泉ルートでは、利用者が多いため、各休憩地点に非常に多くのトイレットペーパーが落ちています。

今回の巡視では、し尿の臭いがきつい場所もあり、『弥三吉水』では計5カ所もトイレットペーパーが散乱しておりました。長時間の登山で尿意を感じるのは当然なことで、トイレもしないでということではありません。

山でのトイレは、携帯トイレを使い、使用後は下界に持ち帰りましょう。岩尾別ルートには『銀冷水』(登山口から徒歩3時間程度)という地点に携帯トイレブースを設置しておりますので、ご利用をお願いいたします。裏側には、男性用の小トイレ用もあり、非常に快適です。壁があるので、恥ずかしくないですよ!

きれいな景色をみせてくれる山は、きれいなままにしておきたいですね。

※携帯トイレブースは、積雪のため、10月中旬に冬期養生されますので、利用出来なくなります。ご了承ください。

(銀冷水トイレブース)

 

(男女兼用大便器)              (男性用小便器)

(携帯トイレ_羅臼岳ver)

※携帯トイレは登山口にある木下小屋やウトロのセブンイレブンでも購入できます。

知床の携帯トイレの詳細については、下記URLからご確認ください!

○知床登山のマナー 携帯トイレを使いましょう

www.pref.hokkaido.lg.jp/ks/skn/ssi/keitaitoire.htm

◎野生動物とゴミ問題

野生動物がゴミを食べてしまうとその味を覚えてしまい、次は食べ物を持っている人間を狙って近づいてくるかもしれません。特に知床はヒグマが高密度に生息しているところです。そのヒグマがゴミの味を覚えてしまったら、、、。想像しただけで恐ろしいです。

このゴミ問題は、登山に限ったことではありません。知床にお越しの際は、野生動物が近くにいるということを自覚し、ゴミを捨てないなどの最低限のマナーを守っていただきたいと思います。動物たちも人間もきれいな自然を堪能できる世界自然遺産・知床になることように私たちも現場で頑張ります。みなさまもご協力の程、よろしくお願いいたします!

知床では、「道の駅・ウトロシリエトク」、「知床世界遺産センター」、「知床自然センター」にて、ゴミの有料回収を行っておりますので、ぜひぜひご利用ください!

※分別したもののみ受け付けております。資源ゴミについては、すすぎ洗いしたものをお願いしております。

知床でのゴミ問題に関して詳しく知りたい方は下記をご覧ください。

○活動報告BLOG|公益財団法人 知床財団 - 知床自然センター

https://www.shiretoko.or.jp/report

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2020年09月14日Shiretoko Autumn Bus Days(10/2~10/4)

知床国立公園 白石海弥

お久しぶりです。知床国立公園ウトロ側の白石です。季節はあっという間に過ぎ、秋に差しかかるウトロ...のはずが、9月に入っても真夏日が記録され残暑が苦しいです。

さて、2005年に世界自然遺産に登録されてから今年で15周年を迎える知床。節目となる今年、10月2日(金)~10月4日(日)新たなイベントを実施します。

世界的に見ても高密度に生息するヒグマ。知床の自然の豊かさの象徴である一方、観光客や地域住民との遭遇件数は増加の一途をたどり、その大半が道路沿いや遊歩道等で起きています。昨今、大々的に報道されたので耳にしたことがある方もいらっしゃると思いますが、「クマ渋滞」という言葉まで出始め、観光客とヒグマの距離感は近づくばかり。いつ人身事故が起きてもおかしくない状況が続いています。

何度呼びかけても無くならないポイ捨て、エサやり。餌付いてしまったヒグマは人を襲う危険が高く、やむを得ず駆除する、そんな事象が発生しているのも事実です。

今回のイベントは新しい知床の魅力を発掘しながら、これらの問題解決を図ろうとする初めての試みになります。

【期間】2020年10月2日(金)~2020年10月4日(日)の3日間

【区間】自然センター~カムイワッカ湯の滝間(羅臼岳登山口・ホテル地の涯含む)

【シャトルバス運賃】全便無料

【各ゲートの閉鎖時間】カムイワッカ湯の滝へ至るゲート:10月1日 午後4時に閉鎖

      五湖方面(羅臼岳登山口含む)へ至るゲート:10月1日 午後10時に閉鎖

イベント期間中自家用車・自動二輪の乗り入れが出来なくなります。

※羅臼岳をご利用の皆様には、別途早朝と夕方を中心にマイクロバスを運行します。

このイベントで運行されるシャトルバスは、いわゆるマイカー規制のような目的地への移動だけでなく、野生動物観察や自然ガイドによる解説もあり、新しい知床の楽しみ方を提供します。

詳細はコチラをご確認ください。

自然センターを出てすぐ、知床連山が皆様を出迎えてくれます。

今は青々としていますが、10月の上旬になれば紅葉が始まり、運が良ければ冠雪している連山が見られるかもしれません。

連絡・問い合わせは以下の通りです。

車両規制・シャトルバス運行に関する問い合わせ

知床国立公園カムイワッカ地区自動車利用適正化対策連絡協議会事務局

斜里町役場 総務部環境課TEL 0152-26-8217 FAX 0152-2-4150

イベント等実施に関する問い合わせ

公益財団法人 知床財団

TEL 0152-26-7665 FAX 0152-24-2115

また、9月19~9月22日の連休の間ディスタンスキャンペーンを道の駅うとろ・シリエトク隣で行います。

野生動物との距離感を大事にしようというキャンペーンで、普及啓発グッズの配布や、プラバン作り体験など子供でも楽しめるイベントとなっておりますので、連休中知床にいらっしゃる方々はぜひ足を運んで頂ければと思います。

詳細はコチラ

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2020年07月22日2020海鳥WEEK開催

知床国立公園 小泉尚也

知床国立公園ウトロの小泉です。

毎年実施している海鳥WEEKを今年も開催いたしますので、お知らせします!

【期間】7月23日(木)~7月31日(金)

【イベント内容】

①海鳥と知床の海の企画展

→知床世界遺産センター(レクチャー内)、入館無料

②うみどりサンセットクルーズ(地元の子ども限定)

今年の海鳥WEEKは、知床世界遺産センターでの展示と地元の子供向けに夕暮れの時間帯に出航するサンセットクルーズのみに縮小しての開催となりました。

☆海鳥WEEKとは☆

知床ウトロ海域環境保全協議会が主催しているイベントで、知床半島に多く生息するケイマフリを初めとした海鳥の保全活動や海鳥の楽しい観察の仕方などを学ぶことを通じて、地域の自然環境保全について考えようとの主旨で開催しているものです。環境省は、この協議会の一員として所属しており、海鳥の保全を通じて環境保全に取り組むこの活動を応援しています。

今、知床世界遺産センターでは、着々と海鳥の展示に向けて準備を進めております。この写真がかわいいかな、これを皆さんに知って欲しいなどなど模索しながら進めておりますので、是非足をお運び頂けたらと思います。

海鳥展示準備①

海鳥展示準備②

海鳥展示全体写真

(こちらは一昨年度の写真になります。)

今年の海鳥WEEKは、昨年度に比べ、規模縮小しての開催としました。

海鳥WEEKを楽しみにしておられた方には、本当に申し訳ございませんが、できる範囲で頑張って活動しています!ご理解の程、よろしくお願いいたします。

(おまけ)

ケイマフリ写真

(知床ウトロ海域環境保全協議会 福田氏 撮影)

こちらは海鳥WEEKにて、主役のケイマフリです。環境省レッドリストの絶滅危惧種Ⅱ類にも指定され、とても希少な鳥です。今ウトロの海で繁殖シーズンを迎えておりますので、たくさん見られます。ぜひ、観光船に乗って頂き、見つけてみてください!特徴は「フィー、フィー」というかわいらしい鳴き声と赤い足ですので、観察してみてください。

それと同時に、「知床・ウトロ海のハンドブック」という、海鳥や知床の海について詳しく解説されているハンドブックがあります。そのハンドブックとともに観光船に乗って頂くとより楽しめると思いますので、是非お買い求め頂けたらと思います。(収益については、海鳥の保全活動に使われます。)

海のハンドブック写真

○知床・ウトロ海のハンドブック

販売場所:観光船事業所・知床自然センター・知床世界遺産センター

定価:300円

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2020年05月01日知床国立公園(ウトロ地区)の施設休館状況

知床国立公園 ウトロ 小泉尚也

こんにちは、ウトロ自然保護官事務所の小泉です。

全国各地で春の訪れを告げるニュースが聞こえる中、知床の状況を気にしていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。

今回は、4/28現在の知床(ウトロ地区)の情報をお知らせいたします。

新型コロナウイルス感染症の拡大防止に伴う緊急事態宣言が、全国に発令されている状況を考慮して、

ビジターセンターや知床五湖歩道・園地等のすべての施設は閉館・閉鎖しております。

利用者の皆様にはご迷惑をおかけしますが、ご理解とご協力をお願いいたします。

この他、道の駅うとろ・シリエトク、知床自然センターも休館。

道の駅うとろ・シリエトク、オシンコシンの滝、知床峠の各駐車場も閉鎖となっております。

皆様にはこのような状況をご理解いただき、知床国立公園の利用をお控えいただきますようお願いいたします。

詳細な情報は各ホームページをご参照いただけたら、幸いです。

◆知床五湖のホームページ

https://www.goko.go.jp/

◆知床世界遺産センターホームページ

http://shiretoko-whc.jp/whc/

◆知床の観光情報|知床斜里町観光協会

https://www.shiretoko.asia/

 

        フクジュソウ               ギョウジャニンニク

  

        エゾイラクサ                エゾエンゴサク

知床では、ついこの間まで一面雪景色であったところから、力強く、鮮やかに、春を告げる植物たちが顔を出すようになってきました。世の中はこのようなご時世ですが、自然界では着々と命が芽吹き始めています。

早く事態が収束し、みなさんに知床国立公園に安心して訪れていただける日が来ることを願ってやみません。

これからは家にいても知床国立公園を少しでも楽しんでいただけるように、できる限り自然情報をアップしていけたらと思っておりますので、よろしくお願いいたます。

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2020年04月09日動き出す生命

知床国立公園 ウトロ 白石海弥

こんにちは。ウトロ事務所の白石です。4月に入り気温が2桁になる日が徐々に出てきたウトロ。それでもまだ寒いからと布団で怠けている人間界をよそ目に、自然界は着実に春を迎えています。

一面を覆いつくしていた流氷はわずかに残るばかり、海明けです。

氷で埋め尽くされていた港が明け、漁船も着水です。上架(船舶を海から引き上げること)している間に漁師さんたちはせっせと漁船のメンテナンスを行います。

いち早く春を報せるのがアキタブキ(フキノトウ)。根雪が無くなった地面からさっそく顔を出していました。

若いフキノトウは天ぷらにすると美味しいです。もう少ししたらギョウジャニンニクが生えてくるので、こちらはしょう油漬けにしてご飯のおともにしましょうね。きざんで餃子もアリです。

話が逸れましたが、これからエゾノリュウキンカや、フクジュソウといった春の花もほころび始めます。

※ 国立公園の中では、植物の採取が禁止されている場所があります。ご注意ください

動物たちも繁殖・出産シーズンに突入です。

こちらは北海道のみに生息するエゾモモンガ。冬の間はトドマツやカラマツ、シラカバなどの冬芽を食べて栄養を蓄え、2月下旬~3月下旬に交尾し、4月中旬ごろからベイビーが産まれます。

 

       毛づくろい途中                冬芽を食べるエゾモモンガ

オオワシの大半は北へ帰っていきました。知床に残るのは少数のオジロワシだけ。残ったオジロワシは同じ巣を使い繁殖するため、巣を補強しつつ抱卵期を迎えます。ピリピリしている彼らを刺激しないよう、観察する際は双眼鏡等を使い離れた場所から観ましょう。

沖に消えていく流氷とオジロワシ。北へ帰るのか残るのか。

キタキツネはまだ換毛期を迎えていないようです。

夏になると冬毛が抜けかなりみすぼらしい恰好になりますが、痩せ細っているわけではありません。可哀想だからと誤解し、餌をやることは絶対にしないでください。野生動物において人間の食べ物は栄養過多であり、消化できずにその身を弱らせることもありますし、餌を求めたが故に交通事故で命を落とすこともあります。

ヒグマもどうやら冬眠から覚めた様子。まだ私は見ていませんが、足跡がちらほらと発見されています。こちらもお腹が空いてピリピリしているため、見つけても決して車から降りないでくださいね。

流氷が溶けたことを皮切りに動き出す知床。春はもうすぐそこです。

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2020年03月03日流氷、やってきました!

知床国立公園 ウトロ 小泉尚也

こんにちは。ウトロ自然保護官事務所の小泉です。

やっとウトロに冬の風物詩の流氷がやってきました!例年流氷は1月の下旬に来ますが、今年は210日に接岸しました。私は初めて流氷を見たのですが、上から見ると圧巻です。流氷が来るまでは波打っていた海も波一つ立たず、大海原は雪原になり、静寂に包まれています。

(プユニ岬からの流氷)

さてそんな知床では、流氷を楽しむことのできるアクティビティーがあります!

様々なアクティビティーの一例では、流氷の上で歩いたり、流氷の隙間から海に入ることができる『流氷ウォーク』があります。

安全管理に配慮し、ガイドさん同行のもと水が入ってこないドライスーツを着て、流氷の上を散策できるのです!

運が良ければ、流氷の妖精クリオネに出会える可能性もあるのだとか、、、

これは知床でしかできない流氷アクティビティーなのではないでしょうか?

(流氷ウォークを楽しむ人たち)

※流氷は風により沖に流されることがありますので、適した装備・ガイドさんの同行なしに流氷の上に乗るのは大変危険です。絶対にやめましょう。

流氷の到来を待ちわびていたのは私たち人間だけではありません。野生動物も待ちわびていたようで、私たちが行っている海ワシ調査では、流氷が到来して以降、海ワシの飛来数が多くなり、カウント数も226日の調査では140羽になりました。

(流氷上にとまるオオワシ)

流氷がやってくると氷同士がぶつかり、魚が動きづらくなり、エサが採りやすくなります。そのため木の上にとまっている海ワシは少なくなり、ほとんどが流氷の上に降りています。


流氷は溶けるときにも恵みをもたしてくれます。流氷はロシアのサハリン北東部からシベリアの冷たい季節風に当たることによって徐々に大きくなり、北海道のオホーツク海までやってきます。その流氷が運んでくる植物プランクトンによって、知床の海が豊かになるのです。やはり流氷は知床の生態系にとって欠かせない存在のようです。

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2020年02月10日鳥好きの祭典

知床国立公園 ウトロ 白石海弥

こんにちは。今回は根室市で開かれた「ねむろバードランドフェスティバル(以下ねむろBLF)」に知床ウトロ海域環境保全協議会の活動として出展してきましたのでご報告します。

根室は「野鳥の宝庫」とも言われ、日本を代表するバードウォッチングフィールドの一つ。イスカやコミミズクなどちょっと珍しい鳥が根室では見られることがあります。

そんな根室で13回目を迎えるねむろBLF、会場はメイン会場と道の駅に分かれており、今回私たちはメイン会場での出展でした。今年のねむろBLFのイチオシはコクガン。私のイチオシはアオバト。

 

知床ウトロ海域環境保全協議会では主にケイマフリについて普及啓発活動をしており、今回の出展でもばっちりアピールをしてきました。手ぬぐいを買って頂いた皆さまありがとうございました。売り上げは海鳥の保全活動に役立てられます。

会場では美麗な写真やイラストコンテスト、コクガンについての講演会や野鳥トークが開かれ終始鳥づくしでした。

鳥図鑑の絵を多数書いている谷口高司氏による「タマゴ式鳥絵塾」に参加しましたが驚きました。

まともに絵を描けない私が鳥の形をしたルリビタキを描けたんです!!

自分でもびっくりしました。誰が描いても描けるというのはすごいことです。

イベント中は多数のバードウォッチングツアーが組まれており多くの参加者がいたようです(参加したかった)

鳥まみれの3日間はあっという間に終わり。皆さまお疲れ様でした!

知床世界遺産センターでも鳥の特別展を開催しております。この時期多くやってくる海ワシの展示です。(海ワシとは海岸や水辺に生息し魚を主食とするワシの総称です)

毎年行っているモニタリング調査の速報や、特徴の違い、実寸大のシルエットなどワシだらけの展示をしております。

 

この冬知床に来られる方はぜひ遺産センターに足を運び、ワシについて学んでみてはいかがでしょうか?

スタッフ一同お待ちしております!

オマケ

私のイチオシの鳥、アオバト。新緑のような美しい緑の体と歌うような鳴き声が特徴です。良いですよ、アオバト。

なぜ、緑なのに青なのか。それは名づけられた当時、「緑」という言葉が日本にはなかったため、広い範囲の色を指していた「青」が付けられたからだそうです。信号の色が緑なのに「青信号」といっているのもこれにちなんでいたりします。良いですよ、アオバト。

学名はTreron sieboldii。あのシーボルトの名前が付けられています。博物学者として日本の生き物に関する資料を数多く残した彼に敬意を表して献名されました。他にもオニヤンマやサクラソウなど彼の名前が付いている生物は多いです。

余談がすぎました、ではまた!

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2019年11月18日海ワシ類の越冬調査が始まりました!

知床国立公園 白石海弥

10月下旬から一層冷え込み、木枯らしが吹いているウトロ。

初雪も降り、羅臼への横断道路も通行止め、いよいよ長い冬がはじまりました。

そんな冬と一緒にやってくるのがオオワシ・オジロワシたち。彼らは越冬のためロシアから渡ってきます。

11月からウトロと羅臼、知床国立公園にある二つの自然保護官事務所で毎週、ワシ類のカウント調査を行っています。

この調査は知床半島において、傷病などによる個体の早期発見や、長期にわたり分布情報を蓄積し、渡来数や性年齢の変動から環境変化を把握するために行われています。

また、知床世界自然遺産のモニタリング項目にもなっている大切な調査の一つです。

調査に必要な持ち物はこちら☟

 

       記録表               双眼鏡と望遠鏡(フィールドスコープ)

    鳥インフルエンザ対策キット

あと大事なのは暖かい服装と見つけるぞというやる気と根気。

調査は2人以上一組になり、ラインセンサス(直接観察)法でカウントしていきます。

 

進行方向に対して右側と左側、それぞれ担当を決めて、飛んでいるもしくは木にとまっているオオワシ・オジロワシを探していきます。

   

見通しの良い場所や特にワシ類が集まりやすい場所では、車を停めて一定時間、双眼鏡で探します。本日の気温は4度。冷たい風と「何をやっているんだこの人たちは...」というドライバーの冷たい視線に耐え、ただひたすらに探します。

見つけたら、先ずはオオワシかオジロワシか、成鳥か幼鳥かを識別します。成鳥は羽根の色や体型により、すぐにオオワシとオジロワシの見分けがつきますが、幼鳥は見慣れていないとなかなか分かりづらいです。

識別したら次は記録を行います。飛んでいたらその飛行ルートを、エサを食べていたらそのエサが何かも記録していきます。

今回の調査で確認できたのは、オオワシ10羽、オジロワシ7羽の計17羽。

オオワシ・オジロワシが本格的にやってくるのはもう少し先。1月になって流氷が来ればもっとたくさんのワシたちを確認できます。毎年のことではありますがやはりワクワクしますね!

夏とは全く違う顔を見せてくれる冬の知床。楽しみです。

いた!どこだ!!?

ここだ!!!

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2019年10月31日ルシャ地区海岸清掃

知床国立公園 ウトロ 小泉尚也

こんにちは!知床国立公園ウトロ自然保護官事務所の小泉です。

先日、ルシャ地区の海岸清掃に参加してきました。今回の清掃作業は、企業協賛で行われ、町役場職員、北海道庁職員、環境省職員、協賛企業職員の他、地元漁業共同組合の皆さんも合わせて37名での作業となりました。

集合写真

海洋ゴミにはペットボトルや空き缶、空き瓶などの一般ゴミがたくさんありますが、

今回は普段回収することができない網や浮き玉、カゴなどといった比較的大きめの漂着ゴミを拾いました。(毎年拾っている一般ゴミは別日に回収しました。)

手で持てる程度の大きさでしたが、流木に絡んだ網や、半ば以上地面に埋まった縄など、かなりの重労働になりました。

浮き球 漁具

作業から小一時間、数十メートルの距離でこれだけの漁具が集まりました。4tトラックが一杯です。

たくさんの漁具 トラック一杯のゴミ

トラックが一杯になってしまったため、これ以上の漁具回収はできませんでしたが、あたりはまだ漁具がたくさん残っている状況です。ルシャ地区の海洋ゴミをなくすためには継続したゴミ拾い活動が必要です。

海岸のゴミ

現在、世界中で海洋ゴミが問題視されており、知床の海岸線でも同様の問題が起っています。

世界自然遺産に登録され、貴重な自然環境を形成している知床でもこのような問題を抱えているのは、非常に悲しい現実です。

皆さんに知床でもこのような問題が起きているということが伝わり、少しでも海洋ゴミ問題に関心を持っていただけたら幸いです。

海洋ゴミをなくすためには、ゴミを出さない、ポイ捨てしないことが大事です。

終了集合写真

参加された皆様、お疲れ様でした!

環境省ではプラスチックゴミ削減のため「プラスチックスマート」〈http://plastics-smart.env.go.jp/〉キャンペーンを実施しています。

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2019年09月13日アメリカオニアザミ駆除作業を行いました

知床国立公園 白石海弥

こんにちは。秋の匂いがし始めると同時にサケマスが美味しい時期になったウトロです。

さて、今回はちょっと(いやかなり)遅いアメリカオニアザミの駆除作業報告です。

場所はフレペの滝遊歩道。夏の巡視の時は「今年はほとんどないなぁ、よかったよかった」なんて呑気なことを考えていましたが、8月末日、キオンやハンゴンソウに隠れるようにスッと立つ背丈ほどのオニアザミを発見。

油断しました。

急遽、行政機関や関係者の皆さんに声をかけ遅めの駆除作業に入りました。

本来は花を咲かせる前の6月に行うのがベストなのですが、今は9月。綿毛になってしまっているものもあります。

綿毛が飛んでしまうと種を拡散させてしまうため、先に綿毛部分を切り落とし、飛び散らないよう回収してから茎・根の駆除を行います。こういった手間・リスクがあるのでまだ花を付けない6月に行うのが良いのです。

そもそもアメリカオニアザミとは。

 

キク科アザミ属の道端や田んぼの周辺でよく見られる花です。

原産地はヨーロッパで、トゲトゲしい見た目が特徴の外来植物。

環境省・農林水産省による「生態系被害防止外来種リスト2018」に掲載されていて、国内の様々なところで駆除の取り組みが行われています。

北海道では1960年代に確認され、北アメリカからの輸入穀物や牧草に混じり入ってきたと考えられています。

2年目に花を咲かせタンポポのように綿毛に乗せて種子を飛ばす2年草という分類になり、生えたての頃はロゼット葉(※)です。

※「ロゼット葉」・・・地表に葉を平らにならべた植物の状態を表す言葉。

大きな特徴である鋭いトゲ、一見あまり痛くなさそうに見えますが薄い皮手袋ぐらいならいとも簡単に突き破ってきます。今回はゴム手袋in皮手袋で勝負です。

道端沿いには数本しかありませんでしたが、普段足を踏み入れない草原部にはこんもりありました。

駆除した背丈ほどあるアメリカオニアザミ。綿毛が怖いので先に花の部分を切り落とします。

今回特に多かったのはウトロ灯台へ続く道です。この道も普段は誰も歩かない場所。咲いているかもなと思いながら立ち入ると山ほどのロゼット葉が!!

      山ほどのロゼット葉       鍬やツルハシを駆使して根を残さないよう慎重に駆除します。

ロゼット葉だけでもかなりの量に。

花をつける前に多く駆除出来てホッとしました。

今回は土嚢袋20袋分のアメリカオニアザミを駆除できました。皆さまありがとうございました!

ここからは余談ですが・・・

スコットランドの国花は「アザミ」。敵から国を守ったとされ、王家の紋章にもなっています。

一説によりますが、夜闇に紛れて攻撃しようと裸足で身を潜めていた敵国兵士がアザミのトゲを踏み、その痛さから思わず声をあげたことによって、スコットランドの人々が攻撃を察知できたのだとか。

その言い伝えからスコットランドでは国の守護者としてアザミを称えています。

世界にアザミ属は250種類以上。どのアザミがスコットランドを守ったのかは誰もわかりませんが、アメリカオニアザミもそうかもしれないと考えるとただ嫌ってしまうのももったいないなと思うのでした。

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