
アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]
北海道東トレイル~ARトレイル日記⑥ほしかぜの丘-来運神社~
2026年01月16日
ほしかぜの丘からの景色
| ■丘を吹き抜ける風に背中を押されて、さあハイクスタート! |
頬をなでる風の向こうに青々とした斜里岳の輪郭がくっきりと広がっていました。
ここは清里町江南地区にある「ほしかぜの丘」。
訪れた人がパノラマを堪能できるように、きよさと観光協会が牧場だった場所にベンチを置いて整備しています。
そしてこの場所が、6回目となるARトレイルのスタート地点です。

この日のゴール「来運神社」(斜里町)までは約10㎞の道のりで、清里と斜里の両町をまたいで歩行します。
旅のメンバーは、阿寒摩周国立公園管理事務所の3人、羅臼自然保護官事務所の2人、ウトロ自然保護官事務所2人の計7人。
年齢層は20代~50代と幅広く、畑作風景を眺めながら、ゆったりしたペースでハイク開始です!
わたし自身、初めのコースでどんな景色がみられるのかちょっとワクワクです。
ちなみに、トレイルを歩くときは、ほとんどがアスファルトの上です。
歩きやすい靴と、日差しよけの帽子は必須アイテムです。
| ■金色の畑作地帯からオホーツク海へ。ひとつなぎに歩く |
歩き始めるとすぐにパッチワークのような畑が広がっていました。
何を育てているのかよく見てみると、金色に輝く小麦や、
大豆、ビート、じゃがいも、トウモロコシなどさまざま。
きれいに区画整理された耕作地には時おり、大型の農業機械がぽつんと現れ、
収穫や耕運している作業を見ることができます。
ふだん乗る自動車よりも何倍も大きい重機が広大悠然と動く風景は、
北の大地で開拓時代から脈々と受けつがれてきた農業の息づかいも感じさせてくれます。
この大豆はどこに出荷されるのだろう?ここで育ったビートは砂糖になって、
もしかしたら我が家の食卓や、東京にいる家族や親せきのもとに届くかもしれない。
そんなことをついつい考えてしまいます。

斜里岳に見守られてのハイク。大豆畑の横を通ります


「この作物は何だろう」と畑を眺める メンバー 畑への立ち入りはご法度
ごごごごご…。歩みを進めていると私たちの横を、大きなエンジン音を立てて重機が通過しました。
ふだん耕作エリアを歩く人はほとんどいないのでしょうか。
車上から農家さんがもの珍しそうにこちらを見ていました。

大型重機が真横を通ると迫力満点
舗装されている道とはいえ、長距離を歩くのはやっぱり疲れます。9月といえどもまだまだ暑いオホーツク。
こまめに水を飲んだり、お菓子をたべたり、休憩をはさみます。
Aさんからもらったチョコレート菓子で元気回復!

元気が湧いてきた!
斜里町に入ってくると、農道の景色の先にオホーツク海が見えてきました。
海へ吸い込まれるように心なしか歩みも早くなります。
来運神社まで残すところ約1㎞、もうひと踏ん張りです。

農道に先に見えるオホーツク海
| ■運が来る!?至福の一杯が待っていた |
歩き続けて3時間半ちょい。ついに目的地の「いずみの森 来運公園」(斜里町来運)へたどり着きました。
踏み入れると、来運神社の鳥居があり、境内には斜里岳の伏流水が毎分5トンという量で湧き出ています。
地元民もよく汲みにくる場所ですが、実は「来運の水」は斜里町の水道水としても使われているそうです。


目的地に到着! 斜里岳からの恵みが湧き出ている
疲れた身体に至福の一杯が染みわたる
湧水の温度は夏も冬も6度程度と言われています。
ひと口飲めば、乾いた身体にすうっと滲みわたっていきます。
そしてずっとやってみたかった来運の水を使い珈琲を淹れてみました。


来運公園に響くごりごりという音 コーヒーの香りが広がります
背負っていたコーヒーミルをリュックから取り出して、お気に入りの豆をゴリゴリと挽いていきます。
肝心のお味は…。
うーん。ちょっと濃かったですが、湧き水をちょい足してアイスコーヒーにするととても美味しくいただけました。
北海道東トレイルの知床エリアにつながる農道は、常に斜里岳に見守られていて、
車だとただ行きすぎるだけだった道も、“歩く”ことで、その土地の匂いや風、
そこに住む虫や鳥、人々の暮らしや景色を形作った歴史にも、自分のペースで思いを馳せることができました。
なによりも仲間と歩けば、会話もはずみます。
皆さんもぜひ、3つの国立公園をつなぐロングトレイルに出かけてみませんか?
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2025年9月11日にハイクした際の記事です。
冬期閉鎖等をはじめ、最新情報をご確認の上、お出かけください。
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