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アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

北海道地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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大雪山国立公園 東川

161件の記事があります。

2021年06月29日大雪山のパークボランティア始動!

大雪山国立公園 渡邉 あゆみ

こんにちは、東川管理官事務所の渡邉です。

北海道にも短い夏がやってきました。去年まで毎晩聞こえてきたオオジシギのディスプレイ・フライトも今年はあまり聞こえてきません。みなさんの地域はどうでしょうか。

毎年6月は山開きにあわせてパークボランティアのみなさんと旭岳周辺と十勝岳周辺の登山道整備をしていましたが、緊急事態宣言中はパークボランティア活動を停止したため、晴れて宣言が解除された6月23日(水)と6月25日(金)に登山道整備を行いました。

登山道整備は天候、メンバー、人数、雪解け状況など毎年状況が違い、また過酷な環境下での作業なので何年やっても「いつもと同じように」いかないのが山の作業の難しいところ。

ですが、今年は人数は少ないながらも二日間とも天気に恵まれ、無事に鉄ピンの交換やロープ張りが完了できました。

【鉄ピン一人4本(約5kg)、荷揚げの様子。】

荷揚げ中もおしゃべりは止まりません。パークボランティアのみなさんは本当に元気です。(この日はついつい頑張りすぎて11時間の行程となりました・・・)

強風地帯では新しいロープを試してみたり、装備を改良して作業効率をアップさせたり・・・今年も試作品をいくつか導入してみましたが、来年はあれも試そう、これもやってみよう、と頼れるみなさんとより良い整備にするためにワクワクする次なるアイディアが浮かんできています。

ハードな行程ですが、みなさんがいつも明るく作業してくださるので、なんと心強いことか。

パークボランティアとして大雪山を登るみなさんの熱意のある姿は本当に惚れ惚れとしますし、一緒に作業できることを誇らしく感じています。また、みなさんの熱意に答えられるよう、私自身も鍛えなければ!といつも高められています。

【名付けて、イワウメロード。星屑をちりばめたようでした。】

そして、みなさんと今年も大雪山に登れたこと。

大雪山が大好きで、大雪山を守りたいという同じ志の方たちと、同じ釜の飯を食べてから(大変な作業をしてから)見る大雪の絶景は、いつも以上に心に染み入り、本当に心強く、パークボランティアに出会えて良かったな~と思っています☺☺☺

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2021年05月25日五月晴れの日に

大雪山国立公園 渡邉 あゆみ

こんにちは、東川管理官事務所の渡邉です。

今回の日記は5月の東川町を紹介します。

季節の変わり目で中途半端な感じがしますが、実は東川町にとって5月はオススメの時期でもあります。

東川町は全耕地面積のうち水稲作が80%を占めています。

わが町には、北海道最高峰 旭岳をはじめ、水、雪、米、写真の文化など、町自慢のものがたくさんありますが、田んぼに水がはり、稲が植えられるまでの数日間だけ見られる、この水田鏡もご当地自慢の景色の一つ。

【キトウシ展望閣より撮影】

東川町では高級米「ゆめぴりか」、「ななつぼし」などのお米を作っていますが、わが町の「ゆめぴりか」は2019年「ゆめぴりかグランプリ」の最高金賞を受賞しました。

東川町は全家庭、地下水の町。なんと水道代はタダ!

大雪山に降った雨や雪は、山肌に染み込んだり、地表を流れたりしながら長い年月をかけて山の麓におりてきます。

大雪山は火山活動でできた火山群。山体を作っている火山噴出物の地層は、無数の穴や亀裂があり、水がその中を流れていくときに、水の中に含まれるゴミや有機物などを取り除くろ過フィルターの役割を果たすと同時に、周りの岩に含まれる天然ミネラル成分が水に溶け込んでいきます。

いわば、大雪山は「大自然の天然フィルター」としてゆっくり水を磨いてくれます。

東川町のお水は美味しく、お水をきっかけに移住してくる人が多いのも事実です。


【大雪遊水公園より撮影】

5月、東川町の桜は満開となります。

特に、ここ遊水公園にはエゾヤマザクラが植樹され、町民の憩いの場となっています。

遊水公園では、桜の名所としてだけでなく、池に雪解け水を貯め、太陽の日差しで水を温めてから田畑に送るという遊水池の役割も果たしています。雪解け水は農業用水として使用するには冷たすぎるそうです。

【勇駒別湿原から撮影】

旭岳温泉にある勇駒別湿原は5月中旬以降、雪解けが少しずつにすすみ、いち早く雪が溶けたところからエゾノリュウキンカとミズバショウが咲き始めます。ここには木道が敷かれていますが、まだ雪でほとんどが隠れているため、私は週に1回ほど現地に行き、スノーブリッジの雪切りをしたり、スノーブリッジを踏み抜かないようロープ柵を設置したりしています。

長靴での散策と双眼鏡があると楽しめますよ。

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2021年04月22日気がかりな春の幕開け

大雪山国立公園 東川 渡邉 あゆみ

こんにちは、東川管理官事務所の渡邉です。

東川町にも本格的な春がやってきました。

野鳥の声、雪解けで水量が増した川の音、盛大に花粉をつけたネコヤナギがそよぐ音。

冬が静かなだけに、にぎやかな春の訪れは、季節の巡りをいっそう強く感じられる気がします。

これからの季節は、いつもやってくる渡り鳥たちとの再会がとても楽しみです♪

さて、旭岳ビジターセンターに新たな展示が増えましたので、ご紹介します。

表大雪地域のバーチャル・トレッキングや、空を飛んでいるような感覚が体験できるスカイウォーク、絶景コレクションなど11個のコンテンツをご用意しました。

バーチャル・トレッキングでは山岳ガイドさんの解説を聞きながら、お天気の良い日に大雪山を歩いているような体験ができます。ぜひ、全てのコンテンツを見ていただきたい!自慢の映像集です(^○^)

実在する風景にバーチャルの視覚情報を重ねて表示することで、目の前にある世界を"仮想的に拡張する"仮想現実。タブレットで動植物の紹介や、大雪山の環境分布など見ることができます。

最新の映像展示技術をぜひ、ご覧になっていってください。

【2021年4月10日(土) 上富良野岳より撮影】

今年の大雪山はとても雪が少ないので、このまま早く雪解けがすすむと、高山植物の開花が早まり、マルハナバチが蜜を集める時期とお花の開花のタイミングがズレてしまいます。虫媒花高山植物の約40%がマルハナバチに受粉を依存しているため、お花も受粉もできず、ハチも蜜不足となり、お花とハチの共生関係が保たなくなるのでは・・・シーズン前から気がかりです。

大雪山のお花畑とマルハナバチを守るために、なにができるでしょうか。

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2021年03月01日ドングリで草木染め♪のご報告

大雪山国立公園 渡邉 あゆみ

 こんにちは、東川管理官事務所の渡邉です。

 3月に入りました。日増しに日が長く、降る雪が重たくなり、春が近いことを感じます。今頃、ヒグマの巣穴では赤ちゃんが誕生し、母グマのお乳を飲みながら本物の春を待っているのでしょう。

 さて、2月27日(土)に旭岳ビジターセンターで、「ドングリで草木染め」ワークショップを開催したので、その様子をご報告します。

 新型コロナウィルス感染症の拡大防止のため、今回は町民限定とイベントさせていただきました。町外からも参加したいとご反響をいくつかいただきましたが、お応えできず申し訳ありませんでした。

 

 イベントを開催した経緯は、冬季の旭岳ビジターセンター利用促進、そして昨年使い捨てレジ袋が廃止になったので、草木染めで世界で一つだけのエコバッグを作って末永く愛用してもらいたい、と考えついたのがはじまりでした。

 染めるバッグは、令和元年度に旭岳ビジターセンター開館記念で作成したノベルティーのトートバッグにしました。

 草木染めは「藍染め」が有名。なぜ、今回ドングリかと言うと、秋に採取して冬まで保存が利くもの・・・と考えついた結果がドングリでした。

 ちなみに、北海道に藍は自生していません。アイヌの人々は「蝦夷大葉(エゾタイセイ)」を使って、アイヌ衣装を染めていたそうです。

 草木染めは日本では縄文時代から、海外では動物の血液や貝殻、昆虫でも染めていた染め文化で、1800年代終わりに合成染料(化学染料)が開発されてから、手間とコストのかかる草木染めは衰退していったそうです。

 草木染めの工程をザックリ説明すると・・・ドングリを煮る⇒ドングリ液にバッグを分浸ける⇒媒染する(色落ち止めの作業)⇒またドングリ液にバッグ浸ける⇒水洗い、で終了です。

 

 ドングリを煮出すと、お湯の色がどんどん赤茶色に変わって、良い香りもしてきます。

 漬け込んでいる最中は色ムラができないように、よく布をひっくり返し、布全体にドングリ液が染み渡るようにしていきます。

 

 作業の合間には、ビジターセンターを見学してもらったり、草木染めの基礎知識や、ドングリやナラの説明、ナラクイズ、VR鑑賞など・・・順調に作業は進み、できあがったバッグがこちら。

 ドングリの深みのある優しい赤茶色が入っています♪

 草木染めのおもしろいところが、一つとして同じ色に染まらないこと。同量のドングリで染めたのに、少しずつ色が違ってきます。これから使い込んだり、洗濯していく上でも、風合いが変わってくるでしょう。お楽しみに♪

 私自身も、今回草木染めを調べていく中で、普段自分が着ている洋服や持ち物が地球にどんな影響を与えているか、合成染料での染色がどれだけ負荷をかけているかを知るきっかけになりました。

 私にできることは、使い捨てじゃないものを選択する。必要なものだけを手に取り、大切に使っていく。作れる物はなるべく作って、壊れたらなおして使う。手作りの物は愛着が持てるので、長く使うことに繋がると思います。

 

 参加者の皆さんの染め終わった後の喜んでくださった顔を見て安心しました。

 身近な物で草木染め、またしてみたいと思います。第二弾は何で染めようか考えるとワクワクしてきます。お楽しみに♪

 参加された皆さん、旭岳ビジターセンタースタッフの髙橋さん、ありがとうございました。

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2021年01月27日アクティブ・レンジャーの休日

大雪山国立公園 渡邉 あゆみ

 こんにちは、東川管理官事務所の渡邉です。

 高気圧に覆われた1月23日(土)~24日(日)、プライベートで美瑛富士に登ってきました。

 きれいな写真が撮れたので、冬の大雪山国立公園を紹介したいと思います。

 美瑛町白金をスキーで出発。林道を1時間半歩き、登山口に辿り着きました。看板は雪で半分埋まっています。

 これから先は夏の登山道ではなく、バックカントリー(整備された区画外のエリア)に突入。尾根伝いに登っていきます。

 頑張ってラッセルをして、美しいアカエゾマツとダケカンバの森を抜けた先に待っていたのは・・・

 美瑛富士と美瑛岳が正面に見える、開けた台地。

 ここは一体何なんでしょう・・・夏はきっとササ原なのでしょうが、用意された舞台のセットのようなドラマチックな展開に思わず感嘆の声が漏れてしまいました。ここは夏の登山道からは離れている場所なので、積雪期しか見ることができない景色。これが冬山の楽しみの一つでもあります。

 

 初日は森林限界1250mにテントを張り、翌朝アタックです。

 この日は放射冷却現象で、美瑛町の麓は-23℃。山はもっとしばれています。おかげで美しい夕日が見られました。

 

 星が瞬く夜を越え、しばれた朝を迎えました。意を決してテントから外に出ます。

 斜面は凍っているので、スキーではなく、滑落しないで歩くための道具、アイゼンとピッケルに変え、登っていきます。テン場から頂上までの標高差は600mほど。振り返ると、美瑛富士のピラミダルな影が見えました。頂上に着くまでは日が当たらず寒いです。

 

 歩きにくいロックガーデンを越えて、3時間ほどで、頂上に着きました。

 やっと陽にあたれましたが、風が強い!よろけないよう、踏ん張って歩きます。

 お楽しみの頂上からの景色は・・・

 想像では、360℃見渡せる周囲の山々に感動すると思っていたのですが、それ以上に目を奪われたのが、気象の厳しさを物語る、色々な形の風紋やエビの尻尾、スノーモンスターでした。

 誰に見せるためでもなく、また誰にも見られることなく消える自然が作り出した造形美は、言葉にしがたく、究極的に美しい全てが詰まっているようで、本当に忘れがたい景色でした。

 

 大雪山のどっしりとした大きな山々は、心のふるさとのような、安心感と癒やしを与えてくれます。

 そんな大雪山にも見たことない景色がまだまだたくさんあり、一生通っても知り尽くすことはできないでしょう。大雪山のことをもっと知りたい!大雪山の色んな表情を、自分の足で見に行きたい!生涯大雪山と共にありたい♡と、より愛が深まった一日でした。

 (おまけ)

*大雪山の冬山登山、特に厳冬期は、あらゆる登山知識と経験を総動員で臨まなければ、大変危険です。*

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2020年12月25日世界一の雪質、旭岳。

大雪山国立公園 渡邉 あゆみ

 こんにちは、東川管理官事務所の渡邉です。

 旭岳スキーコースは、大雪山国立公園の中にあり、スキーコースの下地は、夏は高山植物が咲いていたり、"天女ヶ原湿原"という高層湿原の一体となっており、それらの希少な自然環境が圧雪車やスキーヤーによって損なわれないよう、一定以上の積雪がなければオープンできません。

 

 【積雪量検査中】

 今年は順調に雪が降り積もり、昨日、東川町・北海道上川総合振興局南部森林室・旭岳ロープウェイを運行するワカサリゾートと環境省で積雪量チェックを行い、無事に本日12月25日(金)にオープンすることとなりました。

 

 旭岳は「雪質世界一」と呼ばれるパウダースノー。近年では、その雪を求めて、日本中はもとより、欧米からもたくさんのスキーヤー、スノーボーダーが訪れ、冬の観光資源ともなっていますが、今年は新型コロナウィルスのため、欧米からのお客様がほとんどおらず、観光業の方にとって大打撃となります。

 「雪質世界一」と呼ばれる理由は、日本海の湿った空気を含んだ雪雲が日本海沿岸の山にあたると日本海地方は豪雪となり、その雲は水分を落としながら移動し、大雪山に到着する頃には、雲に水分はなくなり、乾燥した空気と寒冷な気温がぶつかり、大雪山にとても乾いた雪(結晶)を降らせます。

 旭岳はロープウェイで一気に標高1600mまで上がることができるので、大雪山の中でも最も身近に、

超!軽い雪に出会うことができます。

 その雪はまるでホイップクリームの上を滑り降りているかのような浮遊感を味わえる、とても珍しく希少な雪質で、はじめて滑ったときの感覚、驚きは今も覚えています。

 東川町が誇る、世界一の雪質旭岳。国内・道内の方、感染状況が落ち着いたら滑りに来てください。

 

 美しい冬山の側面には、厳しい自然環境があります。

 大雪山は毎冬、雪崩事故や、視界不良・悪天候による道迷いが多発しています。

 自分の身を守るのはもちろん、仲間を守るための装備、知識、経験をフルに活用し、長いようで短い冬山を満喫しましょう。

 良いお年をお迎えください。来年もよろしくお願いします!

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2020年12月07日アクティブ・レンジャー写真展inチカホ中止とオンライン写真展開催について

大雪山国立公園 渡邉 あゆみ

 お久しぶりです。東川管理官事務所の渡邉です。

 この時期は雪が積もったり溶けたり、本物の冬将軍が来るまで、じらされながら、今年の冬はどの山に登ろうかと妄想を膨らませる日々です。

 毎年1月にアクティブ・レンジャー写真展inチカホと題し、札幌市地下歩行空間でアクティブ・レンジャー12名が集結し、写真解説や業務紹介など行っていましたが、今年は新型コロナウィルス感染拡大防止の観点から、チカホでの写真展は中止とすることにしました。

 今回のチカホ展を楽しみにしてくださっていた皆様、いつも駆けつけて激励をくださっていた皆様、大変申し訳ありません。

 その代わりとして、ご自宅で楽しんでいただけるようオンラインでの写真展を開催することにしました♪

 

 期間は、2020年12月15日(火)~2021年1月12日(火)まで。

 ご覧いただけるサイトは北海道地方環境事務所のHPとインスタグラムを予定しています。オンライン写真展に関する続報はアクティブ・レンジャー日記でお知らせしますので、お楽しみに。

 また、札幌第一合同庁舎でも2021年1月13日(水)~1月20日(水)13時まで、写真のみの展示を予定しています。合庁に来られた際は写真展をご覧になっていってください。

 普段、私たちは全道各地で業務にあたっているので、今回のことはオンライン会議を開催し、みんなで意見を出し合い、この形でまとまりました。いっそ代替え展もしないか、別の会場を探すか、オンラインはどのページにしようか・・・チカホ展は残念ながら中止になってしまいましたが、なんとか別の形でご覧いただけるようになり、一同安心しています。

前代未聞のコロナ禍の写真展も最善の策で一丸となって乗り越えるようAR一同で準備中をしています。お楽しみに☆

 モンベル大雪ひがしかわ店2階でも、12月2日(水)~12月24日(木)までアクティブ・レンジャー写真展を開催しています。東川町に来られた際は、お立ち寄りください。

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2020年09月25日大雪山はいつだって最高♪

大雪山国立公園 渡邉 あゆみ

 こんにちは、東川管理官事務所の渡邉です。

 9月19日(土)カミホロカメットク山周辺、20日(日)旭岳周辺のロープ緩めや廃材荷下げなどの後期登山道整備をパークボランティアの方々17名と実施しました。後期もたくさん集まっていただきありがとうございます!

 この時期は初雪が先か、整備が先か、という微妙な時期ですが、今年は初雪が遅かったので、予定通りの日程で行うことができました。(昨年度は9月18日に初雪がドカッと降り、登山道整備が中止に。)

 19日は爆風。細い稜線上の作業は危険なので、十勝岳方面はあきらめ上富良野岳~カミホロ避難小屋に重点を置きました。汗冷えすると体が凍えてしまうので避難小屋で着替えたり、防寒手袋やニット帽を着用し、完全防備で作業開始です。

 

 

 風で体が倒されること数回。吹き飛ばされないようお腹に力を入れながらロープを外していきます。立っているだけでも大変なのに、気持ちが折れない皆さんの気合いに脱帽!

 チーフリーダーが風速計を持っていました。上富良野岳での瞬間最大風速がなんと37.6m!

 ロープを下ろし終え、背負子に積めるだけの廃材をパッキングし、下山開始。爆風の中の作業は大変だったので、下山後は思わず拍手が出て、笑ってしまいました。

 20日は曇り~晴れ~時々小雨の秋特有の変わりやすい空模様の中、旭岳~中岳までの作業を終えました。

 やはり9月後半。青空が見えていても標高2000mを超える場所での作業は頭がキーンとしてくるような寒さで、気を抜くと戦意喪失してしまうので、手際よく作業をしていくことが肝心です。来年またビシッとロープを張り直すために、古いロープや転がっていたコンクリート柵を荷下げしました。

 いつも大変な作業を引き受けてくださり、ありがとうございます。

 裾合平では真っ赤なチングルマの絨毯が広がっていました。

 例年にない暑い日が続く中、ここまで見事な紅葉になろうとは想像していませんでした。自然って本当に不思議です。頼りなげに残っているチングルマの最後の綿毛、後ろの大きな大きな旭岳。今年は紅葉の「ハズレ年」などと言われていますが、私は大雪山に登ってきて、これまで紅葉を見てハズレと思ったことは一度もありません。大雪山はいつだって最高です(^○^)! 

【お知らせ】

中岳温泉の携帯トイレブースは20日に撤去予定でしたが、ご好評をいただいているので、10月1日(木)まで設置を延長します。

 今年も無事に登山道整備が終わり、ホッとしました。

 初めましての人も、ベテランの人も、年齢も登山経験も知識もバラバラだけど、「大雪山を守りたい」という一つの志の元でパークボランティアに入り、それぞれが送る忙しい日々の合間に、日本各地から活動に参加していただいています。

 豊かな皆さんと美しい大雪山を未来に残すための活動をしながら、大雪山の景色や四季を共有できたこと、心強く、嬉しく、誇りに思います。ありがとうございました◎

★最後に、お披露目したい一枚を。

8月に姿見の池で撮影したエゾオヤマノリンドウに潜り込むエゾオオマルハナバチのワーカー。

私が見てきた中で、史上最大の花粉団子の大きさです。私がこのワーカーの女王なら「よくやった!」と頬ずりして褒めたくなる、いい仕事っぷり。マルハナバチにメロメロです。

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2020年09月14日裏の空き地は宝箱

大雪山国立公園 渡邉 あゆみ

 こんにちは、東川管理官事務所の渡邉です。

 これから紅葉ハイシーズンを迎える大雪山。

 裾合平のチングルマ最盛期に続いて、9月8日(火)~9月20日(日)の間、中岳温泉に仮設携帯トイレブースを設置しています。

 今年は山も体験したことがない蒸し暑さでした。寒暖差が少ないので、紅葉も遅れているようですが、中岳温泉方面に行かれた際はトイレブースを是非ご利用ください。

 

 

 数日前から、我が家の裏の空き地(草地)に「モズ」が来ています。

 

 朝、カーテンを開けると「またいた!」。帰って窓を覗くと「またいた!」。虫を捕ったりしている程度で、ほぼ一日中、この草地で過ごしているようです。

 お腹は丸々としており、栄養状態は良さそうなので安心して観察しています。道北で越冬するモズは少ないので、これから南に移動するために更に栄養を蓄えているのでしょう。

 スズメに似ていますが、大きさはハトくらいあるので一目でスズメじゃないことがわかります。

 野鳥の繁殖やカエルの合唱シーズンが終わり、すっかり静かでしたが、久しぶりの来客で外を覗くのが楽しみになっています。いつまで居てくれるかな?

 続いて7月、同じく裏の空き地に来ていた「ホオアカ」も紹介します。

 

 頬が赤いので、ホオアカ。ちょっと濃いめの頬紅を塗っているようで、可愛くないですか?

 大雨の日も、強風の日も、メスを呼び続けるオス。あまりに健気な姿に心を奪われ、「私じゃダメかい?」と返事しました。ダメだったようです。半月ほど、特徴的な美しいさえずりを聞くことが出来ました。

 

 最後に8月末、事務所近くで巣立った「チゴハヤブサ」の幼鳥。

 

 齋藤管理官から、早朝や夕方に事務所近くの電柱にとまり、鳴いているハヤブサっぽい家族がいると聞いていましたが、運良く事務所の電柱に留まっている幼鳥を撮影できました。

 写真で見ると、ハヤブサではなく、チゴハヤブサということがわかりました。(お腹が茶色い、頬の白い切れ込みが大きくある。)

 事務所は町内の中心部。人が密集しているところですが、こんな場所で繁殖していることにも驚きました。

 

 ちなみに、写真は全て↓のように、双眼鏡にスマートフォンを合わせて撮影しています。

 ちょっと画像が粗いですが、自分の記録用としてはとても便利です◎

 身近な自然、特に野鳥にはたくさんの気づきや、癒やしを与えてもらっています。

 春にも、この空き地には オオジシギが来る ことを書きましたが、ニンゲンから見ると、一見荒れた草地が野鳥や生き物にとっては、伴侶を見つけたり、食料庫だったり、子育てする場になっていたり、とても重要な場所となっていることがわかります。それを知ってから、私にとっても裏の空き地は大雪山と同じくらい大切な場所になりました◎どうか身近な自然が守られていけますように。

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2020年08月26日美味しんぼ

大雪山国立公園 渡邉 あゆみ

 こんにちは、東川管理官事務所の渡邉です。

 大雪山と言えば、テントを担いでの縦走。そこで欠かせないのが「テントでの食事」です。

 

 標高の高い山では沸点が低いためご飯を上手に炊くのが難しく、アルファ米を食べている人が多いようですが、実はいくつか留意すれば簡単に美味しいご飯を炊くことができます。

 アルファ米やフリーズドライ食品も最近は美味しくなったと聞きますが、やっぱり手作りのご飯は食欲もそそり、満足度も高く、心身のリカバリーにもなるので、山ではいつもご飯を炊き、調理をします。

 生米は重いと敬遠されがちですが、実際のところ・・・

私は、山では一食0.8合くらい食べるので、生米の状態だと120g⇒炊きあがり後、約264g。(お米の種類によっても変わります)

某社のアルファ米は、作る前が1袋100g⇒出来上がりが260g。

作る前の重さの差は20g・・・アメ玉4つ程度の重さしか変わらないようです。

 そこで、今回は「私流・山で失敗しない米の炊き方」を紹介します。

 用意する物:生米(無洗米じゃなくて○)、水、コッヘル(鍋)、ガス缶、ガスストーブ

      

  1. ① コッヘルに米を入れ、人差し指を米の上に立て、水を「第一関節の上のシワ」と水平になるまで入れる。

  1. ② 10分ほど、うるかす。(水になじませる。)

  1. ③ フタをして、強火で点火する。

  2. ④ 沸騰したら、弱火よりも小さい"とろ火"にし、フタの上に重しをのせる。

  3. ⑤ 15分ほどしたら、米の炊けた香ばしい匂いがしてくるので、強火にして一気に水分を飛ばし、パチパチ音がしてきたら火から下ろす。

  4. ⑥ フタをしたまま、こぼさないようひっくり返し、10分ほど蒸らす。

【炊きあがり】

 ⑤の段階で味見をすると、"芯飯"や"べちゃっとしたご飯"になっていることがあり「失敗した!」とヒヤッとしますが、⑥の「ひっくり返して蒸らす」ことで、ちょ~どいい炊き具合のご飯になり、山でも失敗した記憶はほとんどありません。

 蒸らしている最中に、おかずや汁物を作るといいですね。

 

【ある晩のディナー】

 夏だと腐ったりするので持ち運びできる食材も限られますが、干し野菜や干しきのこ、パックの食材や缶詰、珍味等の食材を使えば、献立は無限大。

 家では作らない謎の組み合わせでも、裏切られるような美味しい一品になることがあり、翌日への鋭気が養われ、心身ほかほかでシュラフに潜り込めることができます。

 グツグツ煮炊きする音を聞きながら、テントの中を整理したり、地図を見たり、そういったテントの時間も山っぽくて大好きです。

 是非、山で炊くお米、試してみてください。

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