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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

大いなるトムラウシ山

2014年07月17日
東川
先日、大雪山のパークボランティア(以下:PV)の方々と沼ノ原登山口からトムラウシ山まで二泊三日で登山道整備に行ってきました。
沼ノ原登山口は平成23年より林道が土砂崩れのため通行止めとなっていましたが、昨年工事が終わり、今年通行出来るようになりました。
待望の沼ノ原!ですね。

登山口から大沼までは急な登りとなりますが、大沼まで上がってしまえば緩やかな傾斜が続き、
高層湿原や木道歩きを楽しむことができ、人気ルートであると実感できました。

更に奥に進み、化雲岳付近まで来ると、だいぶトムラウシ山は近く感じますが、それでもまだ遠く、どっしりとしたトムラウシ山は「大雪の奥座敷」という言葉はぴったりだと、ここへ来て頷くことができます。

トムラウシ山を見たPVの方が言っていました。
「当たり前だけど、今年も動かないで在った!」。
その気持ち、とってもよくわかります。あまりにも大きく鎮座していて、そこにあるのが“異物”に感じるほどトムラウシ山の山容は異様に大きいのです。

そして、化雲岳とトムラウシ山の鞍部に位置するヒサゴ沼からはじまるトムラウシ山へのアプローチの道は、日本庭園を通り過ぎて辺り一面ゴロゴロとした巨岩が積み上がるロックガーデンが続き、
ピークからの眺めはもちろん、次から次へと変化にとんでいて、自然が作り出した異様な造形美につっこみを入れたり、呆然とするほど広い景色に圧倒されたり、あらゆる桁違いが起こっているのを目の当たりにして、ただただトムラウシ山の虜(とりこ)になってしまいます。


この三日間は、レインコートを着ることはなく天気に恵まれました。
今回、パークボランティアの皆さんとはヒサゴ沼周辺からトムラウシ山頂、南沼野営指定地のロープ張り、ヒサゴ沼避難小屋トイレの壁補修、標柱・分岐ペイント、清掃を行いました。
登山道整備は本来の登山タイムよりもプラス2~3時間かかるので、連日10時間近く歩き続けることになります。
三日間の食料・登山装備以外にも、登山道整備に必要な用具を持っての登山となるのでザックはいつも以上に重たいです。
参加された皆さん、大仕事本当にお疲れさまでした。


このとき、化雲岳周辺はチングルマが満開で、ここでしか見られない広いお花畑がありました。
穏やかな陽気で、ここは天国みたいだね、下山するのがもったいないね、と何度となくPVの方々と言い合いましたが、そこは天国ではなく大雪山。そう思える自然がすぐ近くにあり、幸せです。

「トムラウシ山はやっぱり遠い!」と言ったら、「年々近く感じるようになるよ」とPVの方に励ましてもらいました。
説得力のあるお言葉で、そう思える日が楽しみになりました。
今回の登山道整備にご参加頂いて、本当にありがとうございました。
是非、九月の後期登山道整備もよろしくお願いします。

【塗り直したトムラウシ山標柱とみなさんと】