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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

花の富良野岳とトイレ問題

2023年08月09日
東川 渡邉 あゆみ
こんにちは、東川管理官事務所の渡邉です。
あっという間にお盆目前となりました。夏山シーズン真っ盛りですが、雨続きの大雪山。
登山の予定が狂ってしまった方も多いのではないでしょうか。

さて、7月に富良野岳で携帯トイレキャンペーンを行いました!
大便を拾うAR
富良野岳は「花の百名山」として人気があり、毎年多くの登山者が訪れます。
十勝岳温泉登山口から往復7時間ほどの行程ですが、その間トイレがないため、途中の休憩場となっている通称“お花畑”のハイマツの影がトイレポイントとなり、し尿やティッシュの残置、トイレ道の踏み跡の拡大に頭を悩ませていました。
通称”お花畑”に設置した携帯トイレブース
そこで7月21日(金)~8月3日(木)までの2週間、期間限定で”お花畑”に携帯トイレブースを設置し、大雪山でのトイレ問題や携帯トイレの認知度アンケート調査、携帯トイレの普及PRのため、地元のみなさんに協力していただき、2週に渡り日曜日にキャンペーンを行いました。
7月23日(日)は上富良野山岳会、十勝岳ジオクラブ、十勝岳温泉凌雲閣スタッフの方々、 7月30日(日)は富良野緑峰高校山岳部の生徒さんと。
二日間で85枚のアンケートが集まりました。
   
85人中53人が携帯トイレを持参してくださっていましたが、アンケート結果で驚きだったのが「大雪山ではし尿散乱による問題が起こっているのは知っていますか?」の問いに、半分以上の方が「知らない」と答えられていたこと。
大雪山のトイレ問題はすっかり登山者に浸透しているから、携帯トイレ使用の協力をしてくださっているものだと思っていたので、これからは携帯トイレ利用のお願いと併せて、深刻なトイレ問題についての周知も続けていかなければいけない、と襟が正されたアンケート結果でした。
トイレ問題を知らないにも関わらず、当たり前に携帯トイレを使ってくださっている意識が高い登山者が多いのにも驚きです。
携帯トイレをお持ちでない方には、携帯トイレをお配りしました。

本州からもたくさんの方が登りに来ていました。
大雪山の雄大さ、富良野岳のお花の多さに驚かれ、感動されていました。
「そうなんです、凄いんです、富良野岳!」と自分のお庭が褒められているかのように誇らしく思いました。
これからも国立公園を管理する立場として恥ずかしくないよう、美しい大雪山の環境を守っていきたいと思います。

 
【上富良野山岳会、ジオクラブ、凌雲閣スタッフの皆さん】【富良野緑峰高校山岳部の生徒さん】
キャンペーンにご協力いただいた関係者の皆さん、アンケートにお答えいただいた皆さん、ありがとうございました。