アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]
アクティブ・レンジャーの休日 その2
2023年02月13日
東川
こんにちは、東川管理官事務所の渡邉です。
以前、プライベートで行った快晴に恵まれた厳冬期の美瑛富士を紹介しましたが、今回は一泊で原始ヶ原から富良野岳に行ってきました。
天気は良くなかったのですが、あまり知られていない冬の原始ヶ原について紹介したいと思います。
原始ヶ原の林道は除雪されていないので、富良野市本幸の最終除雪地点からスキーで約2時間かけて登山口に到着しました。
ここから登山道沿いに登っていきますが、宿泊装備+ラッセルがあるので、夏のようにサクサクとは進めません。
夏は1時間半で辿り着くところを、3時間かかかり原始ヶ原湿原に到着しました。
湿原から見る富良野岳が楽しみで頑張りましたが、残念ながら、富良野岳は雲に隠れていました。
夏の原始ヶ原もひと気は少ないですが、冬となると・・・あるのは雪と針葉樹の原生林のみ。
あまりに静寂で、あまりに広大で、まるで数千年前から時が止まっているかのような不思議な感覚に陥りました。
この日の幕営地はアカエゾマツに囲まれた湿原上部の標高1250mの場所にしました。
ここまで6時間半かけて歩いてきましたが、まだ十勝岳温泉登山口よりも標高が低いことに驚きです。
原始ヶ原から富良野岳へ登る人が少ないのがうなずけます。
翌朝のアタック日の天気は曇り。今日も富良野岳は見えませんが、ピークを目指します。
湿原を抜けると、森林限界となり目印となるものは一切なく、ガスで視界はない上に、のっぺりとした尾根なので、コンパスで進路を決めながら、下山時に迷わないよう目印となる旗を立てていきます。
標高1,550m付近で斜面が凍ってきたので、スキーを置いてアイゼンに履き替えました。
稜線は強風と濃霧で足下の起伏がわからないので、コンパスで方角を確かめながら、かなり慎重に歩きました。
テン場から約3時間で富良野岳(標高1911.9m)に到着!
地味な平行移動や靴擦れ、重たい荷物など、これまでの苦労を忘れ、登頂の喜び、登山の楽しさで胸がいっぱいになりましたが、喜びもつかの間、視界なし、風強し、なのですぐに下山にかかります。
ルート旗とコンパスを頼りにスキーを残置した場所まで戻り、いざテントに向かって滑降!
麓に向かって広がる壮大な森と、まるで用意されたかのようなオープンバーン。
自力で登った山を滑り下りる冒険心や開放感、一本にかける緊張感はゲレンデでは味わえません。
斜度は緩いですが、疲れた足&スキー下手な私にはちょうど良い斜面でした。
テントを回収し、登りは6時間半かかった道を、下りは2時間で一気に滑り降り、無事に目的を達成。
残念ながら天気には恵まれませんでしたが、冬の原始ヶ原は深遠で、そんな空間に身をおけることが幸せでした。
これからも自分の足で大雪山の色々な表情を見に行きたいと思います。
日に日に陽が長くなり、春の訪れが近いのを感じます。嬉しい人が多いのでしょうが、冬大好きの私にはまだ受入れたくない現実です。。。
※厳冬期の大雪山の登山は雪崩、道迷い、滑落、低体温症、外傷などあらゆるリスクが潜んでいます。※
以前、プライベートで行った快晴に恵まれた厳冬期の美瑛富士を紹介しましたが、今回は一泊で原始ヶ原から富良野岳に行ってきました。
天気は良くなかったのですが、あまり知られていない冬の原始ヶ原について紹介したいと思います。
原始ヶ原の林道は除雪されていないので、富良野市本幸の最終除雪地点からスキーで約2時間かけて登山口に到着しました。
ここから登山道沿いに登っていきますが、宿泊装備+ラッセルがあるので、夏のようにサクサクとは進めません。
夏は1時間半で辿り着くところを、3時間かかかり原始ヶ原湿原に到着しました。
湿原から見る富良野岳が楽しみで頑張りましたが、残念ながら、富良野岳は雲に隠れていました。
夏の原始ヶ原もひと気は少ないですが、冬となると・・・あるのは雪と針葉樹の原生林のみ。
あまりに静寂で、あまりに広大で、まるで数千年前から時が止まっているかのような不思議な感覚に陥りました。
この日の幕営地はアカエゾマツに囲まれた湿原上部の標高1250mの場所にしました。
ここまで6時間半かけて歩いてきましたが、まだ十勝岳温泉登山口よりも標高が低いことに驚きです。
原始ヶ原から富良野岳へ登る人が少ないのがうなずけます。
翌朝のアタック日の天気は曇り。今日も富良野岳は見えませんが、ピークを目指します。
湿原を抜けると、森林限界となり目印となるものは一切なく、ガスで視界はない上に、のっぺりとした尾根なので、コンパスで進路を決めながら、下山時に迷わないよう目印となる旗を立てていきます。
標高1,550m付近で斜面が凍ってきたので、スキーを置いてアイゼンに履き替えました。
稜線は強風と濃霧で足下の起伏がわからないので、コンパスで方角を確かめながら、かなり慎重に歩きました。
テン場から約3時間で富良野岳(標高1911.9m)に到着!
地味な平行移動や靴擦れ、重たい荷物など、これまでの苦労を忘れ、登頂の喜び、登山の楽しさで胸がいっぱいになりましたが、喜びもつかの間、視界なし、風強し、なのですぐに下山にかかります。
ルート旗とコンパスを頼りにスキーを残置した場所まで戻り、いざテントに向かって滑降!
麓に向かって広がる壮大な森と、まるで用意されたかのようなオープンバーン。
自力で登った山を滑り下りる冒険心や開放感、一本にかける緊張感はゲレンデでは味わえません。
斜度は緩いですが、疲れた足&スキー下手な私にはちょうど良い斜面でした。
テントを回収し、登りは6時間半かかった道を、下りは2時間で一気に滑り降り、無事に目的を達成。
残念ながら天気には恵まれませんでしたが、冬の原始ヶ原は深遠で、そんな空間に身をおけることが幸せでした。
これからも自分の足で大雪山の色々な表情を見に行きたいと思います。
日に日に陽が長くなり、春の訪れが近いのを感じます。嬉しい人が多いのでしょうが、冬大好きの私にはまだ受入れたくない現実です。。。
※厳冬期の大雪山の登山は雪崩、道迷い、滑落、低体温症、外傷などあらゆるリスクが潜んでいます。※