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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

7月後半、表大雪からトムラウシ山まで2泊3日で縦走をしました。

神々の遊ぶ庭 大雪山

2022年08月08日
東川 渡邉 あゆみ
こんにちは、東川管理官事務所の渡邉です。
7月末に、裾合平からトムラウシ山まで2泊3日の縦走をしてきました。
(当初は旭岳から登る予定でしたが、中岳温泉の携帯トイレブースが汚れているとの情報があり、旭岳には登らず清掃のため中岳温泉経由でのスタートとなりました。)

アクティブ・レンジャーに転勤はありませんが、私たちの上司であるレンジャーは約3年おきに全国の国立公園を転勤してまわります。
当所も4月に新しいレンジャーが着任されたので、今回は大雪山国立公園のゴールデン・ルートと呼ばれる表大雪からトムラウシ山までの縦走路をレンジャーと一緒に歩き、大雪山の魅力・素晴らしさ、逆に問題点・課題点を知ってもらうことを目的に巡視を行いました。
巡視中に出会う登山者の方とお話をしたり、残念ながらマナーを守られていない方には注意を促すこともあります。

1日目は旭岳ロープウェイに乗り、姿見駅を出て、中岳温泉で携帯トイレブースの掃除をしてから、白雲岳に向かいます。

白雲岳野営指定地は平日にも関わらずこの具合。小屋もギュウギュウでした。
 
2日目は表大雪のハイライト“高根ヶ原“を歩きます。
歩き始めてすぐ、満開のチシマノツガザクラとチシマキンレイカに出会い、あまりの密集度と広がりに、なかなか歩み進めることができません。
一生分のチシマツガザクラを見たような気がします。本当に可愛い・・・♡
 
 
7月は高山植物の開花がピークになる頃ですが、特に高根ヶ原は大雪山の成り立ちの中でも歴史が古いため高山植物の種類は特別多く、ここでしか見られないお花もたくさんあります。
次々と新しいお花に出会い、大雪山の持つポテンシャル、底力をひしひしと感じることができます。
胸いっぱいで忠別岳、五色岳を越えヒサゴ沼野営指定地に到着。ここでもテントで一泊。
ヒサゴ沼はロケーションが良く、最高のテンバです◎

3日目はヒサゴ沼からトムラウシ山に向かうのですが、途中に通る岩がゴロゴロと積み重なる“ロックガーデン”が大好きで、今年もここに来れたことに胸がいっぱいになりました。
ロックガーデンはとても歩きにくいのですが、360度岩しかない異様な光景に圧倒され、まるでナキウサギになったよう。自分がいる場所の奥深さを感じることができます。

ずっと濃かったガスもトムラウシ山を前にすると晴れてきて、神様が演出してくれたようで胸が熱くなりました。


残念ながらトムラウシ山からの展望はありませんでしたが、ここに至るまでの道がドラマチックすぎて、展望を求めるのを忘れていました。
大雪山は「神々の遊ぶ庭」と呼ばれていますが、表大雪~トムラウシ山でのルートはまさに人知を超えた神々が作り出した圧倒的な自然があります。
活火山や巨大なカルデラ、熔岩台地、ロックガーデンなど次々と変わる景色の面白さ、自然が作り出した造形美、胸を打つほどの悠大さ、多種多様の高山植物の愛らしさと癒やし。大雪山の神様はなんとセンスが良いのでしょう・・・。
3日間で見つけたお花の種類は約70種。照合できただけでそれだけあるので、本当はもっともっとあるのでしょう。
みなさんにもぜひ”ゴールデン・ルート”ぜひ歩いてもらいたいです。