北海道のアイコン

北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

秋と冬の間

2007年10月18日
東川
10月上旬、吹上温泉から十勝岳温泉登山口の間にある「翁歩道」で、自然観察会を行いました。普段は利用者のほとんどいない静かな歩道ですが、ぽかぽか陽気のこの日は23名の参加者が紅葉真っ盛りの十勝岳連峰裾野の自然を満喫しました。足下にはゴゼンタチバナやイワツツジ、マイヅルソウ、ツルリンドウなどの赤い実が、横を見ればミネカエデやダケカンバの黄色い葉とナナカマドやオオバスノキの赤い葉が、太陽の光を受けて辺り一面を明るく染め、参加者の「綺麗!かわいい!暖かくて気持ち良いね」などの歓声が終始聞こえてくる麗らかな秋の日の観察会でした。


翁歩道:紅葉のトンネルを歩く参加者(田畑R撮影)

マイヅルソウの赤い実がかわいい

所変わって10月中旬、旭岳ビジターセンター裏にある見晴台トレッキングコースは、ふわふわ落ち葉の絨毯に覆われていました。
日当たりの悪い場所には昨晩降った雪が溶けずに残り、動物は臭いだけを残して慌ただしく移動し姿を見せず、森に響き渡る野鳥の声は寂しげで、秋と冬の境界線を歩いているように感じました。




同じく10月中旬、旭岳温泉から500mほど標高を上げた姿見の池園地周辺はもう冬です。
17日に旭岳山頂付近の保護ロープの様子を見に向かいましたが、6合目から上の雪の吹き溜まりにすっぽり腿まではまり、辺りはガスに覆われ風も出始めたので、「今日はここまで」と足早に下山したのでした。

大雪山はとても広く、同じ時期でも場所などによって自然環境が大きく違っています。特に秋から冬にかけての時期はそれを肌で感じます。心と身体が季節の変化において行かれないように、日々自然が発する声に耳を傾けていたいものです。

旭岳6合目

町は秋でも山は冬:左の山は十勝岳連峰のオプタテシケ山