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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

環境省アクティブ・レンジャー写真展~北の自然の舞台裏~

2023年06月01日
東川 渡邉 あゆみ

大雪山国立公園

東川管理官事務所 アクティブ・レンジャー 渡邉あゆみ


永山岳 7月
 
 7月半ば、愛山渓登山口から永山岳に向かっていたところ、登山道脇の植生帯から野鳥が勢いよく飛び出してきました。なんだろう?と、飛び出してきたところを覗いてみると・・・ありました、卵が。 色や状況からおそらくは“ビンズイ”の卵。巣は枯れ草でできていて、卵を温めやすく、転がっていかないよう、おわん型をしています。 野鳥はよく見かけていましたが、実際に卵を見たのは初めてだったので驚きと同時に、行き交う登山者に気付かれないよう、くちばしと足だけでこんなに可愛らしい巣を作って、人知れず卵を温めていたんだ・・・とビンズイの逞しくも健気な暮らしを想像し、愛おしさで胸がいっぱいになった瞬間でした。ただし、長居をすると親鳥が警戒して抱卵を放棄してしまうので、一枚だけ写真を撮ってその場を立ち去りました。 4つとも無事に孵って、美しいさえずりを聞かせてくれたら嬉しいです。

登高への誘い


上ホロカメットク山 6月末

 地肌むきだしの荒々しい岩壁、浸食で深く切れ込んだ谷、点在する奇岩、太古の噴火活動の激しさを物語る“上ホロカメットク山”は、十勝岳の南隣にある山です。 日本と思えないようなダイナミックな風景、名前のとっつきにくさとは裏腹に、上富良野町の十勝岳温泉登山口からおよそ2時間半で頂上に達することができます。反対側の南東斜面には高山植物がところせましと咲き、十勝岳や富良野岳への縦走もできるので、通称「カミホロ」として多くの大雪山ファンに人気があります。 大雪山国立公園の中でも、ここまで迫力ある山岳景観は“カミホロ”でしか見られません。いつ来ても、何度登っても、清々しさを感じさせてくれる大好きな山です。