アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]
美味しんぼ
2020年08月26日こんにちは、東川管理官事務所の渡邉です。
大雪山と言えば、テントを担いでの縦走。そこで欠かせないのが「テントでの食事」です。
標高の高い山では沸点が低いためご飯を上手に炊くのが難しく、アルファ米を食べている人が多いようですが、実はいくつか留意すれば簡単に美味しいご飯を炊くことができます。
アルファ米やフリーズドライ食品も最近は美味しくなったと聞きますが、やっぱり手作りのご飯は食欲もそそり、満足度も高く、心身のリカバリーにもなるので、山ではいつもご飯を炊き、調理をします。
生米は重いと敬遠されがちですが、実際のところ・・・
私は、山では一食0.8合くらい食べるので、生米の状態だと120g⇒炊きあがり後、約264g。(お米の種類によっても変わります)
某社のアルファ米は、作る前が1袋100g⇒出来上がりが260g。
作る前の重さの差は20g・・・アメ玉4つ程度の重さしか変わらないようです。
そこで、今回は「私流・山で失敗しない米の炊き方」を紹介します。
用意する物:生米(無洗米じゃなくて○)、水、コッヘル(鍋)、ガス缶、ガスストーブ
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① コッヘルに米を入れ、人差し指を米の上に立て、水を「第一関節の上のシワ」と水平になるまで入れる。
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② 10分ほど、うるかす。(水になじませる。)
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③ フタをして、強火で点火する。
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④ 沸騰したら、弱火よりも小さい"とろ火"にし、フタの上に重しをのせる。
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⑤ 15分ほどしたら、米の炊けた香ばしい匂いがしてくるので、強火にして一気に水分を飛ばし、パチパチ音がしてきたら火から下ろす。
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⑥ フタをしたまま、こぼさないようひっくり返し、10分ほど蒸らす。
【炊きあがり】
⑤の段階で味見をすると、"芯飯"や"べちゃっとしたご飯"になっていることがあり「失敗した!」とヒヤッとしますが、⑥の「ひっくり返して蒸らす」ことで、ちょ~どいい炊き具合のご飯になり、山でも失敗した記憶はほとんどありません。
蒸らしている最中に、おかずや汁物を作るといいですね。
【ある晩のディナー】
夏だと腐ったりするので持ち運びできる食材も限られますが、干し野菜や干しきのこ、パックの食材や缶詰、珍味等の食材を使えば、献立は無限大。
家では作らない謎の組み合わせでも、裏切られるような美味しい一品になることがあり、翌日への鋭気が養われ、心身ほかほかでシュラフに潜り込めることができます。
グツグツ煮炊きする音を聞きながら、テントの中を整理したり、地図を見たり、そういったテントの時間も山っぽくて大好きです。
是非、山で炊くお米、試してみてください。