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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

雪解け時期になると行う事

2012年05月25日
東川
 5月も中旬を過ぎ、白一色の山肌から黒い山肌が目立つ時期となってきました。
 近年にない豪雪に見舞われた北海道の今年の冬でしたが、山の雪解けも着実に進んでおり、春の訪れを告げる花、ニリンソウやエゾエンゴサク、湿原ではミズバショウやエゾノリュウキンカも目立つようになってきました。


この時期ひときわ目立つ存在の1つ、足元にひっそりと咲くニリンソウ

 雪解けとともに毎年行う事、それは冬の時期に設置しているスノーモビル等の乗入れ規制看板の撤去作業です。この作業を行うと「冬が終わった」という少し寂しい感じがすると同時にこれから訪れる夏山シーズンへの気持ちが切り替わる作業です。

あれだけあった積雪もすっかり無くなり、まさに今は「新緑の季節」という言葉がぴったりと来る時期でしょう。

 国立公園内の乗り入れ規制・禁止区域への車馬等の違法な乗入れを防ぐために毎年啓発活動を行っていますが、残念な事に今シーズンは美瑛町および富良野方面においてスノーモビルと思われる違法乗入れ跡が確認されました。
 夏山と違い、積雪状態になればどこでも入っていくことが出来ます。しかしながらその雪の下にはじっと春を待ちわびている植物が眠っています。また、冬でも冬眠をしないでいる貴重な野生動物たちも多く生息しています。

 これらを守っていくために我々が出来る事は何でしょうか?

 旭岳スキーコースオープンの時にも触れましたが、雪の時期においても夏と同じ自然に配慮しなければならないのは当然の事でしょう。
「植物を傷つけない」
「野生動物を驚かさない」
「ゴミは持ち帰る、雪の下に埋めない」
これらは山に入る人間の最低限我々が守らなければならないマナーであると思います。
 それだけではありません。冬の時期でも静かな山歩きを楽しんでいる人がいます。そのことも忘れないで下さい。

 夏冬問わずに、静かで原始的な風景が大雪山で保たれていく事を望みたいものです。


3月に富良野方面の乗入れ規制区域付近で確認されたスノーモビルの乗入れ跡。(赤枠部分)
環境省では地上からだけでなく、空からも監視を行っています。
このような監視業務がなくなる事が理想なのですが・・・。

 大雪山におけるスノーモビルなどの乗入れ禁止・規制区域についてはこちらで詳しく見ることが出来ます。
http://hokkaido.env.go.jp/nature/mat/data/m_1_7/snowmobile.pdf
 また、スノーモビル販売店や山道具販売店などでも同パンフレットは手に入れることが出来ます。