北海道のアイコン

北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

胸アツな二日間

2019年06月21日
東川 渡邉 あゆみ

 いよいよ、大雪山国立公園パークボランティアの山での活動が始動しました!

 最初の活動は、毎年山開き前に行っている前期登山道整備。道迷いや登山道外への踏み込み防止のためのロープ張り、標識のペイントやゴミ拾い、残雪のカッティング等、6月8日(土)にカミホロカメットク山周辺、6月9日(日)に旭岳周辺で行いました。

 昨年11月に36名の新人さんが加わったパークボランティア(以下、PV)。今回は二日間で、新人PV16名、先輩PV12名、総勢28名の心強い登山道整備となりました。

 

 今回はいつもの作業の他に、鉄ピンの荷揚げ(1本、1.2kg×36本=合計43.2kg)・廃材の荷下げにもご協力いただきました。荷揚げももちろん大変ですが、これまで使ってた古いロープやコンクリート柵・木柵は荷揚げした鉄ピンよりもずっと重たく、「あとは下るだけ」と張り切って荷下げし始めたものの、時間が経つにつれて肩に食い込む重量感に泣きを見ることもあります・・・。

 

 「この先の行程も長いので、無理しないでください!」と弱腰の私をよそに、前のめりで山男・山女のザックにどんどん括り付けられる廃材たち。元気な新人パワーを追い風に、先輩PVも貫禄の荷下ろし。

 「同じ釜の飯を食う」ではないですが「同じ苦労をした仲間」として連帯感が生まれ、重たい荷物にクタクタになりながらも、お互い気遣ったり、冗談を言い合ったり、最後まで笑いが絶えないまま下山となりました。

 なんと二日間で荷下げた廃材は90kg!!すごすぎます。

 経験豊富な先輩PVがさりげなく火ばさみでゴミを拾ったり、チームワークよく順々にロープを張っていったり、力が弱い人はペイント作業や細かい作業専門となり・・・先輩PVがリードしてくださり、腕章を付けて「パークボランティア」として山に入る姿勢を新人PVに背中で教えてくれたようでした。こうやって伝統は引き継がれていくんですね~。

 天気もあまり良くなく、ハードな作業行程でしたが、みなぎる熱意の皆さんと一緒に山で作業できたこと、とっても嬉しく、皆さんの活躍と勇ましい背中からパワーをもらった二日間でした。そして私もまだまだ鍛え方が足りない、と自分への起爆剤にもなりました。

 あと3カ月!たった3カ月!?ひとときも見逃したくない山の瞬間。パークボランティアの皆さんと短い大雪山の夏を共有できること、楽しみにしています。

【お知らせ】

  • ※ カミホロカメットク避難小屋のトイレ2基共、鍵が錆びて、内側から閉まらなくなっています。

  • ※ 中岳温泉上部の登山道上に雪の吹きだまりがあり、非常に危険な状態となっています。雪が溶け、登山道が出る6月末頃までは旭岳~裾合平1周コースは控えた方がいいでしょう。