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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

季節の交差点

2008年03月19日
東川
全国のアクティブレンジャー日記を見ると九州地区では春もみじの話題、中国四国地区ではカタクリ開花の話題が、近畿地区ではスミレやツバキ開花の話題が取り上げられ、ここより早い春の訪れを少しうらやましく思いながら大雪山の麓へ現地調査に出かけました。
スキーを装着していざ歩き出すと、一歩前に進む度にスキーが重くなっていきます。この日、昼間の気温はプラス1℃。山の麓はもうフカフカサラサラの雪では無くなっていました。大雪山にも春が訪れようとしている事を、足裏の重りから感じとりました。


重いスキーに悪戦苦闘しながら歩いていると、遠くにエゾシカの群れを発見しました。雌鹿数頭が2頭の子鹿を守るようにこちらを警戒していました。厳しい冬を乗り切り、命を繋いだシカ達も春の訪れが待ち遠しいのではないでしょうか。この日は道路沿い数カ所でエゾシカの群れを確認しました。



現地調査の帰りに見かけた小さい春は、ヤナギの芽吹きでした。冬芽が帽子のように新芽に残っていました。
遅い早いに関わらず、季節は巡り、冬芽から新芽へ、親から子へと、命は受け継がれています。
大雪山で花の開花や春もみじの話題を提供できるのはまだ少し先になりそうですが、去る冬を惜しむ人も、春を待ちわびる人も、季節の交差点で少し立ち止まり目の前のものを観察してみて下さい。昨日とは違う変化がそこにあるはずです。