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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

出会い

2012年03月14日
東川
 3月に入り気温の高い日が多くなり、町中では一気雪解けが進んだここ東川です。肌を刺す空気はまだまだ冷たいのですが、季節は確実に冬から春に向かっているのが実感できます。
 が、一歩山に入ればまだまだ雪がたっぷり。比較的天候が安定することの多いこれからの時期がスノーアクティビティを楽しむには良い季節といえるかもしれません。

 朝からスッキリと晴れ渡った3月4日(日)に毎年恒例の東川町との共催で行っている自然観察会が東川在住のネイチャーガイド塩谷秀和氏を迎えて開催されました。
「スノーシューで歩く巨木の森」と題して忠別ダム周辺の森を歩いた今回の自然観察会では、さまざまな出会いのあった1日となりました。

 まず、そのうちの一つ。参加者の皆さん何か必死に観察しています。さてさて皆さん何をそんなに必死に探しているのでしょうか?

その先にあるものは何かというと実はエゾモモンガ(※)の巣なのです。巣の周りには「主(あるじ)」のものと思われる排便の後が・・・。

しばらく観察していると。

日中にもかかわらず素晴らしいタイミングで「主(あるじ)」が巣穴から出てきてくれました。
今回参加の方はエゾモモンガを見るのは初めてという方がほとんどだったようですが、本当にラッキーでした。

 その後、木の上でのんびりとくつろいだ姿を見せてくれた後には見事なモモンガジャンプをご披露してくれ、参加者の皆さんこれ以上ない思い出になったことでしょう。

 そして、もう一つの出会いは

本日の目的でもあった樹齢400~500年と思われるミズナラの巨木とご対面。町内の森をくまなく歩き回っている塩谷講師いわく「東川町内では最も太い木ではないか?」とのことでした。
東川の「生き字引」との出会いと行った所でしょうか。
江戸時代もしくはそれ以前からこの地にあったものだと思うと、とてつもない年月を生き続けているのだと実感できます。

 今回で平成23年度の自然観察講座全3回が全て終了となりました。今年度参加していただいた皆さん、この場を借りて皆様にお礼を申し上げたいと思います。本当に有難うございました。
 次年度の開催日程や場所等は今の所未定ですが、さてさて来年度はどのような「出会い」が待っているのでしょうか? これからも参加される方との出会いを大切にしていきたいと思います。皆さんまた是非お会いしましょう!

※エゾモモンガ(蝦夷小鼯鼠)ネズミ目リス科モモンガ属 
学名Pteromys volans
北海道全域に生息し、体長は15cmほど。夜行性だが、日中も活動することがある。特に発情期である2月下旬から3月にかけては日中でも比較的容易にその姿を見ることが出来るという。
手には滑空するための被膜を持っており、滑空距離は50mにもなるといわれている。