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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

ヒサゴ沼・9月

2007年09月07日
東川
上川事務所・大久保ARの日記にもありますが、9月1日・2日はトムラウシ山周辺と忠別岳周辺・ヒサゴ沼周辺にて登山道整備及び野営指定地の清掃活動が行われました。
ヒサゴ沼コースには、パークボランティア2名と東川事務所から田畑レンジャーと私の4名が参加し、ヒサゴ沼避難小屋周辺の保護ロープの補強、避難小屋・トイレ・野営指定地などの清掃活動に汗を流しました。

ヒサゴ沼に向かう途中、沼の原湿原や五色ヶ原のお花畑にエゾシカの足跡を多数確認し、観察してみると、ゆっくりと湿原を歩いたり、思いっきり走ったり、飛んで着地したときにズルッと滑ったり・・と思われる足跡が沢山見受けられました。今回は姿こそ確認出来なかったものの、こんな山奥でも逞しく生きる野生動物の営みを感じつつ歩き進むと、右を見ればタカネトウウチソウが、左を見ればエゾコザクラが満開の時を迎えていて、自然の多様性と奥深さを感じる素晴らしい場所が大雪山に沢山残されていることに改めて感激しました。

しかし、避難小屋に到着して目にしたものは小屋やトイレにゴミや使用済みのティッシュを捨てていったり、植物帯に踏み込んだりする人も相変わらずいるという現実でした。

多くの人が様々な目的で色々な意識を持って大雪山を訪れていますが、自然は訪れる人を選べないし、自然は人が思っているより脆弱な部分を持ち合わせているものだ、という事も忘れてはいけないのではないでしょうか。

今回も課題は残されましたが、意識の高いパークボランティアの方との活動は、きついとか疲れたとかいう事をまったく感じない、楽しくあっと言う間に過ぎた2日間でした。



タカネトウウチソウが咲く五色ヶ原を行くパークボランティアと田畑レンジャー。

大沼野営指定地:水面越しにトムラウシ山を望む。

ヒサゴ沼周辺の保護ロープの補強。
重い荷物を背負っての作業は大変ですが、目的地はもう目の前。


このコースは7月にも上川事務所のレンジャーとパークボランティアで整備・清掃を行い、避難小屋に貯まっていたゴミも降ろしたのですが、今回も小屋の隅に新たにゴミがたまっていました。



トムラウシ山:いつまでも見ていたい雄大な景色。ヒサゴ沼までの景色も空気も素晴らしく、疲れる暇もないくらい楽しい山行でした。