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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

まさにゴボウ抜き

2024年10月23日
東川 渡邉 あゆみ
こんにちは、東川管理官事務所の渡邉です。
冬を過ごすためにシベリアから南下してきたハクチョウのV字飛行が見られる季節になってきました。

ハクチョウは“つがい”となったパートナーとは一生ペアで過ごし、家族群れで生活をします。
この春、シベリアで生まれたヒナは生後約半年で、4,000kmもの旅をしてきたことになります。
家族で支え合って、荒波(空ですが)をくぐり抜けてきたんだな~と想像すると、ハクチョウがとても尊い生き物に思えてきます。

(私も一員に混ぜていただけないでしょうか・・・)


これからハクチョウは湖沼や河川で水草や昆虫、田んぼでは落ち穂などを食べて暖かくなるまで日本で過ごします。
安息の地で心ゆくまで羽を休め、また来春、逞しく北上する姿を見せて欲しいです。
 
さて、ひと月ほど前ですが、今季一番の快晴と言えるような秋晴れの下、パークボランティアの方々18名と十勝岳周辺の登山道整備を行いました。
今回の作業内容は夏山シーズン終幕に向けて、十勝岳~上富良野岳のロープ下ろし、ゴミ拾い、古い鉄ピンを引っこ抜く等です。

十勝岳は活火山の山。数十年前、ロープを張るために設置された鉄ピンは錆び、地表から出ている部分は風化し、鉄ピンの先端だけが残り、とても危ない状況が続いていました。転んで、目にでも突き刺さったら一大事です。

鉄ピンは地面と固着し、まるで接着剤で固めたよう。ここでも火山の特異な環境を実感します。ハンマーで叩いたり、ゆすったりしてもビクともせず、しかも地表から下は30cm以上も深く埋まっており、一年で5本抜けたら良い方という低い成果が続いていましたが、なぜかこの日、鉄ピンは面白いくらいにスルスルと抜けました・・・!!

そのスタイルはまさにごぼう抜き。
抜いて
抜いて

 
抜きまくり、全部で40~50本抜きました!!!スッキリ~~~~!!!!

長年、この鉄ピンと戦ってきたパークボランティアの方は、この行事に思い残すことはないほど達成感に包まれたとか・・・(笑)
まだ全て抜け切れていないので、パークボランティアの皆様、今後ともご協力よろしくお願いします。

A隊 上富良野岳~大砲岩
B隊 十勝岳~大砲岩

今年度から頼もしい新人さんが活動に加わり、有意義な活動ができ、改めて感謝を伝えます。ありがとうございました。
今シーズンの主な行事は終わりましたが、また来シーズン、山で会えたら嬉しいです。みなさん、お疲れさまでした。


またとない秋晴れに恵まれ、山から十勝岳温泉の紅葉も見ることができました。
凌雲閣さん、いい場所に建ってますよねー。