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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

旭岳にも春の足音

2010年05月20日
東川
異常なほどの低温続きであった4、5月のここ大雪でしたが、ここに来てようやく気温も上がり雪解けが進んできたようです。山関係者に会えば必ず言われる言葉が「今年は雪多いね」、これが定番の挨拶となっているようです。

 本日は昨年度、環境省北海道地方環境事務所にて行った大雪山国立公園勇駒別園地整備事業の木道の雪解け状況の確認に行ってきました。新たに設置した木道箇所は旭岳ロープウェイ山麓(旭岳温泉)駅のすぐ裏手。春を告げるこれからの時期にミズバショウやエゾノリュウキンカ(ヤチブキ)が咲き乱れる旭岳の春の風物詩といわれている箇所。これまでは遠目でしか見られなかった湿原の花々が今年からは足元で見られるようになりました。
あちらこちらで開花情報は伝えられているようですが、ここでも改めて写真を載せます。というのは、ここの花々は本当に見事だからです。ミズバショウの群落は一般的だと思いますが、エゾノリュウキンカがこれだけ群落で見られる箇所というのはなかなかないと思われ、この日も大きなカメラをお持ちになった写真愛好家の方々を目にしました。


こちらが新たに設置された木道。雪解けの進んだ場所ではエゾノリュウキンカが見頃になって来ました。

 ただ今年は残雪が非常に多く、散策には危険な箇所もあったため、本日は雪割り作業を行いました。


作業時の風景。入口付近はまだまだ1m近い積雪がありました。旭岳ビジターセンター職員さんや地元ガイドさんもボランティアで汗だくになりながら雪割り作業に加わっていただき本当に有難うございました。

このような感じで何とか道の確保が出来ました。後は雪解けが進むのを待つばかりです。

 昨年度に着工した部分は全工事箇所の一部ですが、今年度未着工箇所の工事が始まる予定です。
 この旭岳のエゾノリュウキンカ群落、雪解けの遅い箇所では6月中旬まで見ることが出来ます。ここ旭岳にもようやく遅い春がやってきたという今日一日でした。

注)散策される方へ。
木道脇の残雪はこの時期、気温の高い日は一日20cm以上雪解けが進みます。踏みぬき易いなど、危険な箇所もありますので、木道脇の雪の上を歩かないように、必ず木道部分を歩くようにお願いします。