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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

まだまだ山は冬

2010年06月04日
東川
雪解け状況などの確認の為に、今季初めての旭岳に行ってきました。雪解け時期は道標などの倒壊などがないか、また特に急斜面では登山道の崩壊などは見られないか?これから山開きに向けて一般登山者の安全確保の為にも、この時期の現地調査というものは我々の重要な任務と言えます。連年にない積雪に見舞われたここ旭岳、6月だというのにこの残雪状態を見る限りはまだ5月中旬の春スキーの季節ではないかと思わせるほどの状態でした。
ここ旭岳の山開きは6月19日ですが、もちろんそれ以前に登ってはいけないという事ではありません。毎年のことですが、雪解け時期である6月は残雪による道迷いが頻繁に発生する時期ですので、くれぐれも気を付けて山に入るようにしてもらいたいものです。


旭岳山頂までの登山道ではまだ大きな雪渓が3カ所ほど。写真は7合目付近の雪渓。気温の低い早朝などは夏靴では非常に危険な状態と思われました。

この日は、旭岳山頂から夏山ではおなじみの裾合平一周コースを歩きましたが、当然のことながら8月まで雪の残る裾合平は一面の積雪状態で夏道は全く出ていない状態。山開き後もこの状態では積雪が多く、非常に歩きにくい状態が7月まで続であろうと思われました。


裾合平名物のお馴染白鳥の雪渓はまだまだ先。頭の部分だけ出来上がってきていました。赤丸部分、分かりますか?

旭岳の隣に夏の時期は登山道がなく行けない「熊ヶ岳」という山があります。まさにこの時期は斜面に熊が出没します。雪渓ではありませんが、中央の雪解け部分、熊の形に見えませんか?

もう何十回と歩いたであろうこの旭岳裾合平コースも、この残雪期は非常に苦労することが多いルートです。本日は視界も良かったため特に道迷いにつながることはありませんでしたが、雪解けの遅れている今季に夏山計画を立てている方は雪解け情報等を最寄りのビジターセンターなどで収集してから山に入ることをお勧めします。

追記、本日一番気になったこと。
冬の間、もしくは5月の春山シーズンには大雪山の秘湯「中岳温泉」で夜を明かすという方がかなりいるようです。温泉周辺にはかなりの数の排便の跡やティッシュが散乱していました。雪の下に埋めてしまえばその場では見えなくなりますが、雪解け後にはもちろん・・・、どうなるか分かりますよね。
大雪山国立公園内では野営指定地以外での宿泊は禁止されています。雪見の秘湯は楽しいものですが、くれぐれもマナーだけは守って山に入るようにしてもらいたいものです。