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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

登山道で思う事 その1(ゴミ編)

2011年07月14日
東川
雪解けの遅かったここ大雪も7月に入り高山植物があちらこちらで咲き始めています。
雪解けとともに咲き始める高山植物と併せて、残念ながらこの時期現れて来るのが(出来れば現れて欲しくは無いのですが)冬の間に放置されたゴミ、もしくは雪解け水などによって土が削れて出て来る昔埋められたと思われるゴミです。
 毎年雪解け時期に合わせて旭岳の裏旭野営指定地周辺のロープ張りなどを行うのですが、「なんでこんなものが?」と思うものも多々あります。

 一例としては。

①昔のジュースやお酒の缶や瓶(この辺は毎度の事、驚きません)
古いロゴマークなどを見て「懐かしい!」なんて思ってしまうのですが・・・。
昔は「ゴミは埋める」という事が美徳とされていたようです。現在はこのような事をしている方はいないとは思いますが、生ゴミなどの臭いにヒグマが誘発されて来る等の危険性もあり、このような事は決して行わないようお願いしたいものです。

②ティッシュや人間の体の中から廃棄されたもの(これも慣れました)
積雪期に雪を掘って用を足せば、その時は見えなくなりますが、雪解けと同時にそれらは姿を現します。「自分で出したものはゴミも含めてすべて持ち帰る」山での常識ですので、携帯トイレの使用をお願いしたいと思います。

③衣服(結構あります)
グローブや帽子などは忘れていったものと思いますが、下着や靴下など・・・?もういらないと思って、捨てていったのでしょうか?
(大した荷物ではないでしょうから持ち帰ってください)
次に来る人の為に役立つものではありません。

④ぬいぐるみ(何故・・・)
夜、これを抱いていないと眠れない方だったのでしょうか?大事なものを捨てていった?忘れていった?いずれにしても山でぬいぐるみを見るとは思いませんでした。

⑤テント(はっ?)
「もう古いからいらない」と言う事だったのでしょうか?常識以前の問題だと思いました。テントをそこから担ぎ下ろしてくる人間の事を考えてください。

「過去にこの辺りにゴミをいつも埋めてしまっていたからその罪滅ぼしです」という事で、毎年旭岳周辺のゴミ拾いに来られる方とお会いした事があります。昔の過ちを今後繰り返さないように一人一人が気を付けて山が守られていけるようになって欲しいと思います。

本日回収した中にもやっぱりありました、お酒の瓶など。
人間の中から出されたものなどは生々しくてお見せできませんが(ビニール袋の中)、やはりいくつか見つけました(悲)。

 最後に旭岳方面の雪解け状況です。(いずれも7月12日撮影)

【写真左】旭岳8合目付近より(西側斜面)
【写真右】裏旭野営指定地より(東側斜面)
このように同じ山でも表と裏では全く状況の違う所があります、視界不良時や気温の低い時などは要注意です。


おなじみの裾合平の白鳥の雪渓は今年も良い形になりました。ただ、登山道は雪が残っている所がほとんどで、気温が上がる日中は雪がシャーベット状になり、場所によって足首上位まで埋まる所もあり非常に歩きにくい状態。花はまだまだ先のようです。今年の裾合平の花畑は7月下旬から8月上旬くらいでしょうか?