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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

観察講座で見つけたもの

2008年03月10日
東川
3月2日(日)、冬の自然観察講座を美瑛町白金温泉の小松原保護林周辺で行いました。
小松原保護林は約150年前の十勝岳噴火の火砕流で一度焼け消えた原生林が再生して出来た森で、現在はアカエゾマツ・クロエゾマツ・トドマツなどの針葉樹、ドロノキ・ヤチダモ・ヤナギ・コシアブラなどの広葉樹から成る針広混交林です。


参加者16名と小松原保護林歩道入り口手前でバスを降り、スノーシュー(西洋かんじき)を装着して、今回の観察会の講師である東川在住のネイチャーガイド・塩谷 秀和氏の解説を聞きながら歩道に向かいました。

歩道入り口から森を覗くとすぐに目に留まったのは団子9兄弟。倒れかけた樹に雪がつき面白い形になっていました。

こちらは、立ち枯れた樹の上に雪が丸く積もった巨大なキノコ。自然が作り上げた芸術品に自分なりの名前を付けて楽しんでいるのは私だけではないようですが、みなさんはこれらが何に見えますか?  

さて、森の中を奥に進むと、樹の幹に縦に深く裂け目の入った大きな大きなドロノキがありました。講師の方がお手製の樹木径測定メジャーで直径を測ってみると、なんと110cm(周囲345cm)もありました。樹齢150年を超すと思われる大木は存在感があり、抱きついたり、まじまじと眺めたり、つついてみたりと参加者の皆さんの反応は様々でした。

その後も歩きながら樹木の解説の他に、昆虫や動物などの身近な自然について、地球の水分量や世界の森林保護の歴史、地球規模の自然環境変化や現状などについてのお話をして頂きながら歩道入り口に戻りました。
内容の濃い講座に私の頭は一杯一杯になりましたが、参加者の皆さんはそれぞれが自分なりの発見や収穫を持って帰ったようです。
一つ疑問が解き明かされるともっともっと知りたくなる、それが自然観察講座参加者にリピーターが多い訳なのかも知れないと感じた、冬の森の観察講座でした。