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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

冬の研修会

2008年02月25日
東川
2月中旬に大雪山国立公園パークボランティアの冬期研修会が、美瑛町にある青少年交流の家で1泊2日の日程で行われました。
1日目は室内研修で、雪崩事故防止研究会・雪氷学会北海道支部雪氷災害調査チーム等で活動し十勝岳連邦の冬山に精通している大西氏を講師に迎え、雪崩の基本知識・雪崩から身を守るために・十勝岳連邦山岳エリアの雪崩の傾向・雪崩の事例という題でスライドによる講義を受けました。また、実際に大西氏が使用している山道具などを用いた説明もあり、合計3時間の室内講義が行われました。


大西氏はテレマークスキーという道具を使って冬の十勝岳連邦山岳エリアを滑っている方ですが、厳しい自然の中に深く足を踏み入れる人ほど自分が楽しんだ分、自然やその地域に恩返しをしたいという思いが強いのではと感じました。そして自然環境の変化にとても敏感です。そんな大西氏の内容の濃い講義と熱い思いが伝わり、パークボランティアの皆さんと大雪山の各自然保護官事務所の職員は3時間の講義を真剣に聞いていました。その後の講義はパークボランティアの関口氏による「生き物たちの共生と知恵」という題での講義。大雪山に生息・生育する動物と植物の切っても切れない共生関係について、スライドを見ながら分かりやすく楽しく説明して頂きました。1時間という短い時間でしたがこちらも大変内容の濃い講義でした。





2日目は野外研修で、前回のアクティブレンジャー日記でお伝えした白金原生林周辺を39名が4班に分かれてトレッキングしました。
前日の朝に各コースのリーダーが雪を踏んで歩きやすいようにして下さっていたのですが、雪はその後もシンシンと降り続き、一晩で20cmは積もったのではないかと思います。それでも前日のトレースに助けられ、また先頭を行くスキー隊3人の逞しいラッセルに助けられ(私はスノーシューでスキー隊の後を楽に歩かせて頂き)、野外活動でのチームワークの大切さを再認識しました。エゾリス・エゾシカ・オジロワシ・ヒガラなどの野生生物の姿を見ることが出来、楽しくて予定時間を少しオーバーしてしまいましたが、充実した2日間の研修会を終えました。