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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

白金の魅力

2009年10月30日
東川
 早いもので、10月も今週で終わり。11月が始まると同時に、今年はどうやら平地でも雪の便りが聞こえてくるようです。旭岳方面に比べて比較的雪の降り始めが遅い白金方面でも、どうやら雪のない探勝路は今週が最後のようです。

 これからの時期、気軽に自然を楽しみたい方には白金温泉周辺をお勧めします。ここまでのアプローチは美瑛町内からも近く、峠越え等もないため比較的冬でも訪れる人が多い場所。最近、口コミである場所がとくに人気を呼んでいるようです。


それがここです、通称「青い池」(見たとおりそのままですが・・・)白金街道沿いに車がたくさん止まっているので、入り口は分かりやすいと思います。そこから歩いて10分ほど、あまりの色の綺麗さに吸い込まれてしまうようですよ。

 
 さて、白金といえばこの青い池に代表されるように、ブルーリバーと呼ばれるいわゆる水の「青色」が特徴ですが、ここの青色は何故このような色になるのでしょうか?
 単純に考えると、ここの温泉の成分ではないかと考える方が多いようですが、ここ白金の温泉を利用された方は分かると思います、ここの温泉の色は薬用効果のありそうな薄緑色です。ということは、この成分とは関係ないようです。
 調査によると、どうやらこの川に流れ込んでいる「地下水」にその原因があるようです。この地下水には、非常にたくさんの鉱物成分が含まれており、とくにアルミニウムが豊富。川に溶け込み、水酸化アルミニウムになったアルミは、コロイド状という粒子になり、それが、光をまんべんなく散乱させる結果、青色が強く見えるようになるようです(海の色が青く見えるのと同じ現象)。それに加えて、白金の温泉水の成分には、光の散乱を助けるイオウや石灰成分などが川底の石や岩を白くし、水の青さをより一層引き立ててくれるようです。
 残念ながら、厳冬期にはこの「青い池」は凍結して見ることは出来なくなってしまいますが、川のほうは冬でも凍ることはありませんので、一年中この「ブルーリバー」を楽しむことができます。
 まさにここは大自然が作り出したものの中に、人によって流失した温泉水が生み出した「偶然の一品」と呼べるのはないでしょか?


青い池の近く、こちらは冬でも凍らないブルーリバー(美瑛川)。川が青くなる所というのは、非常に貴重な場所。


こちらは地元ではすっかりおなじみになった「就実の丘」から見た大雪山(旭岳方面)。このようにすっきり晴れ渡る日、次はいつになるでしょうか?山はもうすでに真っ白、今週末からさらに積もりそうです。
この日はまだ残るキガラシの花の黄色と、山の白が見事でした。

 残念ながら、訪れる人が増えてくるとそれにつれて増えてくるのがゴミです。いつまでもこの綺麗な場所を残していくために、ゴミは必ず持ちかえるようにしてもらいたいものです。また、山火事防止の為にも特に空気の乾燥するこれからの時期、森の中での歩きたばこなどは慎むようにしてください。