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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

【日本のいのち、つないでいこう! COP10まで 10日前】

2010年10月13日
ウトロ
「冬を呼ぶ虫、トドノネオオワタムシ(カメムシ目・アブラムシ科)」

すでに、白いものがチラチラと舞う季節になってきた知床五湖・・・?



写真の中にポツポツと白いものが飛んでいるのが確認できるでしょうか。雪かなと思いましたが、実はコレ、虫です。北海道ではこの虫は、ユキムシとの愛称で呼ばれており、冬の使者と言われています。それは、この虫が飛ぶようになると、雪が舞う日も近いとのことからです。ユキムシは、ヤチダモとトドマツの二種の木を行き来して生活をしています。風の無い日に群れて飛び、ヤチダモの木に集まり交尾をして産卵するのですが、春に孵化するのはメスだけでトドマツに飛んで戻り、再び晩秋に飛び立つまで翅(はね)のないメスだけで繁殖するのです。

近くで見てみると、フワフワとした綿のようなものがついていて、かわいらしいとは思いませんか。しかし実際には、顔の目の前を舞っているので、手で追い払われていたり、嫌がれている姿をよく見かけます。 

知床は冬になると、閉鎖される場所が多く、観光客が見て回れる範囲が段々と少なくなってきます。しかし、冬の知床を求めて渡ってくる鳥たちなど、これからの季節でしか出会えない生きものとの再会にわくわくする季節でもあります。