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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

知床五湖とカイツブリ

2008年09月04日
ウトロ
知床国立公園の中で最も訪れる人の多い知床五湖。高架木道、1-2湖周回路に加えて、8月20日から1-5湖の遊歩道が解放され、森の静かな雰囲気を味わいながら5つの湖を散策できます。



3湖

 湖では、オシドリやキンクロハジロ、カイツブリといった水鳥たちが見られます。カイツブリはハトより少し小さい大きさの水鳥です。知床五湖では夏の間観察することができ、ぴょこんと水の中に潜って小魚や水生昆虫などを食べたり、「ケリリリリリ」と体の割には大きな声で鳴いて観光客の方を驚かしています。
 9月1日の巡視の際、知床五湖の5つめの湖「5湖」で湖の上に草を積み上げて座っているカイツブリを発見しました。



カイツブリ

 このカイツブリは一体何をしているのか調べてみると、どうやら湖の上に木の枝や水草を積み上げて「浮巣」と呼ばれる巣を作り、卵を抱いているのではないかということがわかりました。この時期に卵を抱いているのは遅い気がしますが、一度繁殖に失敗しても再び産卵するらしく、繁殖の時期も2月~10月と長いようです。知床五湖では成鳥の他に今年産まれたヒナも元気に泳ぎ回っていました。繁殖が成功しヒナが無事に育つといいなと思います。観察する際はそっと見守ってあげてください。

 
 注意:知床五湖はヒグマの生息域です。散策する際は鈴などを携帯し、充分注意しましょう。ヒグマの出没状況によっては遊歩道が閉鎖となることがあります。