アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]
シレトコスミレの調査に行ってきました
2018年07月06日じめっとした暑さが続き、果たして夏を越すことが出来るのか不安な知床国立公園ウトロ側の白石です。
夏がやってきましたね。
さて、今回はエゾシカによるシレトコスミレの食害調査についてです。6月28,29日の一泊二日で調査に行って参りました。人生二回目の登山です。
展望台まで上がり、採掘跡地までくると硫黄の香りがツンとしてきました。いつ嗅いでも硫黄の香りは慣れないものです。途中、ガレている道や滑落注意のロープの張られている箇所がありますので十分お気を付けください。
そして岩登り。岩登りは楽しくできました。硫黄山好きです。
新噴火口のあたりから地熱の関係か、温度が高くなることが多いのでこまめな水分補給を!
沢出合いから雪渓がありました。それでも例年に比べると雪渓は少ないそうです(笠井AR談)
そしてでました、雪渓。羅臼岳の大沢よりなだらかですが、これまた長い長い。
どうにも雪渓は苦手です。ひぃひぃ言いながらなんとか登りました。これで少ないほうだというから驚きです。
硫黄山頂上に向かう途中でかなり急な雪渓をトラバースすることになりますのでアイゼン・ピッケルを装備していくと良いかもしれません。
ようやくたどり着いた頂上からは濃霧により何も見えませんでした。現場からは以上です。
一日目は第一火口でお泊りです。第一火口は9月まで雪渓が残ります。今回も一面真っ白でした。
夜ご飯は大定番カレーライスです。山の上で食べるご飯は格別においしいですね!!
さて二日目は調査に出かけます。テントを置いていざ調査地へ。知円別分岐まで大変良い尾根でした。落ちたらどうなるんだろうと考えると非常にワクワク感が増してとても楽しかったです。
お目当てのシレトコスミレは硫黄山の尾根大岩から少しずつですが咲き始めていました。
登山者の皆さんもぜひご覧になってください。
小雨のためか少ししょんぼり気味です。
道中エゾシカの足跡が確認されました。やはり食べに来ているようです。
調査地ではコドラート法を用いシレトコスミレの調査を行います。
今年もわずかですが被食株が確認されました。
硫黄山ではシレトコスミレ以外にも羅臼岳とはまたちょっと違った花々も見られます。ただ、くれぐれも植生を壊さないよう登山道を外れて歩かないようお願い致します。
展望台まではヒグマ出没の可能性が高いので十分注意してくださいね!
ミネカエデ カラフトイソツツジ
おまけ
今回は余裕を持って頂上にたどり着けました。硫黄山制覇です!
下りの際、新噴火口から晴れ、きれいな青を見せてくれました。