アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]
白樺、青空、南風
2016年05月16日灰褐色だった山肌に新緑が芽吹き、枯野が青々と草花で覆われ、これはまぎれもなく......春到来!!!!と思ったらゴールデンウィークは大雪でした。車の冬タイヤはGW明けまで換えない知床国立公園・ウトロの高橋です。
4月20日の知床五湖開園を皮切りに、今年も知床の観光シーズンがスタートした感があります。
知床五湖の一年は除雪から始まる
毎年知床五湖の開園日に先だって実施しているのが、遊歩道の除雪作業です。地元のネイチャーガイドの皆さんや、園内の運営を担う知床財団の皆さん、斜里町役場・北海道庁・環境省といった各行政機関関係者らが総出で、冬の眠りについている知床五湖を叩き起こすが如く除雪をおこなうのが慣例になっています。
この冬は降雪が少なかったため、「今年は除雪が楽でいいね」などと言っていたのですが、帳尻を合わせるように連休初日から季節外れの大雪が降り、道路が閉鎖され、これに伴って五湖も連休前半は生憎の閉園続きでした。
大雪のおかげで白銀の輝きを回復した知床連山
知床五湖に続いて開くのが「知床横断道路」です。その名の通り、知床峠を越えて半島を横断しウトロと羅臼を繋ぐこの道路。冬の間、車で2時間半かかっていたウトロ~羅臼間をその5分の1、30分の距離に短縮してくれます。
今年も無事開通を記念して開通式がおこなわれました
知床横断道路から知床峠に登り、残雪の羅臼岳を望む
知床峠は暖かい日差しにウグイスの鳴き声が響き、なんとものどかな雰囲気。ですが残雪の上を吹き渡ってくる風は冷え冷えとして、冬の名残を感じさせます。峠から見える羅臼岳・南西ルンゼの広大な雪渓には、春のザラメ雪を楽しむバックカントリースキーヤー/ボーダー達の姿が......(うらやましい)。
山腹から海に向かってオープンバーンが続く
日一日と暖かさを増していく知床はこの後、6月にカムイワッカ湯の滝への道路が開通、7月に羅臼岳の山開き、と続いていよいよ夏のハイシーズンに突入します!知床の夏はとても短いものですが、動物も植物も長い冬を堪え忍んだ分一気に燃え上がるかのような、濃密な夏......それはまるで、儚い一夏の恋にも似た――今年の夏休みは是非、知床でアバンチュールを体験してみませんか!!!!