北海道のアイコン

北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

フレペの滝遊歩道

2013年05月17日
ウトロ
はじめまして。4月からウトロ自然保護官事務所のアクティブレンジャー(AR)になりました笠井憲子です。よろしくお願いします。

5月15日のフレペの滝遊歩道巡視でのことです。
巡視中にエゾシカが林内から集団で出てきました。何だろうなと思いながら進んでいくと、何やら黒い塊が見えるではありませんか。さて、この黒い塊は何でしょうか?




正解は


ヒグマです。


距離は大分離れておりましたが、緊張が走ります。
クマスプレーをいつでも噴射させられるようにしながら、ヒグマが何をしたいのか様子を見ながら徐々に後退していきます。
ヒグマはシカをガン見し、私の存在には気付いていない様子なので、ホーホーと声を掛けますが人間を気にする様子もなく悠々と歩き回り、そのうち出てきた方角とは逆の林内に去って行きました。

巡視中に足跡や糞などの痕跡はよく見ていましたが、姿を見ることであらためてヒグマ高密度生息地域の知床なのだと感じました。
このフレペの滝遊歩道は観光で来られるお客さんも多く利用しているところです。
知床でヒグマを見かけたら、あわてない、さわがない、走って逃げないで、冷静にヒグマとの距離を取るようにしてほしいと思います。