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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

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2011年05月19日
ウトロ
18日の午後、ウトロの海にケイマフリのデコイを浮かべました。
ケイマフリ?デコイ?知らない方も多いかもしれません。ケイマフリとは、絶滅危惧種で世界的に希少な海鳥。国内ではここ斜里町と天売島など北海道や青森県の一部などで少数が生息しています。約50つがいがここウトロで営巣しています。また、デコイとは実物大の模型のことです。

そして、なぜウトロの海に浮かべたのか。
ケイマフリは、繁殖地が一部の地域に限られており、この場所で何かあった時には、繁殖場所がなくなってしまいます。ウトロ沿岸の断崖は国内でも数少ない繁殖地の一つです。今回デコイを設置した場所は、かつて繁殖に利用していた場所であり、この場所を再び利用してもらうことで繁殖地の分散が狙いです。

ケイマフリは仲間同士で集まって行動する習性があり、デコイに引き寄せられて、本物のケイマフリが、「ここでも営巣できるね!」と気がついてもらえればと思います。

また、デコイを置くことで、地域の人、観光船に乗った人の話題にあがり、海と陸との繋がりを考えるきっかけとなればとの狙いもあります。



さて、私の今回のお仕事は写真撮影。
重りの石を海中にいれ、デコイを投げ入れる「ウトロ漁業共同組合の山本氏」と「知床海鳥研究会の福田氏」の勇姿を撮影しました。次の日の新聞に採用です。


帰路の途中、交尾中?のケイマフリの撮影をいたしました。(後ろの岩の上)
確かにここは繁殖地のようです。