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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

10月25日から狩猟期が始まりました

2007年10月29日
ウトロ
 知床ではエゾシカは間近で観察することができ、立派な角を持ったオスジカや子ジカのかわいらしい姿は観光客の方々にも大人気です。しかし、数が増えすぎてしまったため、農作物を食べて被害をもたらしたり、林の草や木の樹皮を食べ過ぎて枯らしてしまうなど生態系のバランスを崩してしまっています。北海道ではこの問題に対してエゾシカを適切に保護する一方で、管理もしていこうという計画が進められてきています。狩猟によってエゾシカの頭数を減らしていこうとすることもその計画の一つです。


のんびりと草を食べるエゾシカ

ふだんは人を気にせず生活している知床のエゾシカたちですが、同じ場所で猟を続けると警戒心が強くなり、ハンターを避けて群れを移動させてしまい思ったように頭数を減らすことができません。そこで今年から、狩猟区域を分けて(ウトロ側で3区域、羅臼側で2区域)、狩猟できる期間をずらしていく輪採制という制度が試験的に導入されました。エゾシカが群れを移動させて油断したところで猟区を入れ替えて、狩猟効率を上げていこうとするのがこの制度のねらいです。



エゾシカ可猟区域の看板(北海道によるもの)

ウトロ側の狩猟区域には国指定鳥獣保護区と隣接している箇所があります。国指定鳥獣保護区ではエゾシカを含むすべての鳥獣の捕獲が禁止されています。
 現地でそれぞれの区域の境界がわかりにくいため、北海道・斜里町の方々と一緒に狩猟区には区域と狩猟できる期間を表す看板、鳥獣保護区には区域を表す看板を設置しました。



鳥獣保護区看板設置作業の様子

狩猟の期間は2月11日まで続きます。狩猟区域周辺に行かれる際はハンターに動物に間違われないように目立つ色の服装を身につけてください。




鳥獣保護区にいたキタキツネの子。暖かそうな冬毛になっていました。