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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

冬の知床五湖の世界へ(厳冬期エコツアー)

2026年02月16日
ウトロ 田中華蓮
1月22日から「厳冬期の知床五湖エコツアー」が始まりました。
冬期の知床五湖は、一般の人へは開放しておらず道路も通行止めとなっていますが、
3月22日までの60日間は、登録ガイドの案内のもとでどなたでも知床五湖を歩くことができます。
 
道中から眺められる結氷した湖畔






 

結氷した湖面と知床連山

雪に覆われた森はとても静かです。
森中を歩き回っていたヒグマも、ざわめいていた
虫も眠りのなか。

雪原が天然のレフ版となって光を照り返すので、真っ白な森に佇む木々がくっきりと浮かび上がります。
澄んだ空気を吸い込めば心がほろほろと和らぎます。
夏場に生い茂っていたササ薮や、どろどろの沼地も雪の下に閉ざされて、
スノーシューを履けば森の中を縦横に歩いていけちゃいます。

ミズナラの前を通ると、ヒグマの大きな爪痕を発見することもありあます。
ヒグマは秋にミズナラに実るドングリなどをたっぷりと食べることで冬眠に備えます。
今は静かな森ですが、知床に棲む獣たちの息づかいをたしかに感じられるのも魅力のひとつです。










ミズナラの木に付いたヒグマの爪痕

冬の知床五湖のツアーは、夏とは違ったルートを通って5つの湖を巡ります。
凍結した湖には様々な動物の足跡を見つけることが出来ます。
エゾシカやキタキツネが餌を探して一直線に、あるいはくねくねと曲がりながら踏みしめた跡を見ると、
彼らが厳しい冬を生き抜くために懸命に歩む姿が目に浮かびます。

私たちアクティブレンジャーは業務の一環として、このコースの巡視を行っています。
具体的には、ツアー期間のために設置された仮設プレハブ小屋や仮設トイレの利用状況、
ルートを大きく逸脱した利用がないかの確認から、融雪時に踏み抜きの危険があるような場所に杭を立てて注意を呼び掛けるようなこともしています。
もしもツアーで知床五湖を訪れた際にレンジャーを見かけたら声をかけてくれると嬉しいです。

雪原に続く獣の足跡