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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

冬の海 命のつながり

2011年01月04日
ウトロ
12月21日、海ワシ飛来調査の際にオジロワシやオオワシが、この時期にしては珍しく多くカウントされました。その数約80羽。
一本の樹の上に10羽近く停まっているものもありました。
ワシが多く停まっている海岸には5mほどのミンククジラと思われるクジラの死体が漂着していました。ワシたちは、海からやって来たごちそうを食べに集まってきていたようです。


樹の上のオオワシたち

11月から12月にかけて知床半島ウトロの海は大荒れの日が続きます。この時期、弱ったクジラの赤ちゃんが波で攪乱されることが原因で死亡し、海岸に漂着することがあります。このクジラは見つけたときは既に死亡して何日か経っていました。ワシやカラスなどにつつかれて、ところどころに穴が開いています。


漂着したクジラ(12月21日)

1月2日、動物に食べ尽くされたクジラは背骨がむき出しになり、ほとんど骨になっていました。
もうワシ達はほとんど寄ってきません。ざばーん、ざばーんと打ち寄せる大きな波がクジラを洗い、どんどん骨になっているようです。


漂着したクジラ(1月2日)

大きなクジラが十数日で朽ち果ててしまうとは・・・。知床の冬の海で行われる生き物の命のつながり、自然が浄化作用の早さに驚きを感じました。