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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

海岸線がにぎやかになってきました

2008年06月23日
ウトロ
 斜里からウトロの海岸線では海鳥たちが岩礁の上で休んでいたり、海上で泳いでいるのを見かけます。一番よく見かけるのは黒い羽の海鳥たちやカモメの仲間たちです。



岩礁で休む海鳥たち

この黒い海鳥、一見同じ種類の海鳥に見えますが、体や顔の色、体の大きさが違っています。
顔が白く体が黒く黒光りしているのはウミウの成鳥、体が茶色でおなかが白っぽいのはウミウの若鳥、ウミウより体が一回り小さく顔も体も真っ黒なのはヒメウです。
以前にも紹介しましたが、ウミウは知床で繁殖しています。6月16日にフレペの滝遊歩道の巡視の際に展望台から断崖部の営巣地を見渡したところ、黒いふわふわの羽毛に包まれたヒナを確認することができました。



オロンコ岩のオオセグロカモメとウミネコ~ウトロ観光船乗り場より

断崖部では大型カモメ類のオオセグロカモメと中型カモメ類のウミネコも繁殖を行っています。
オロンコ岩の営巣地を確認したところ、オオセグロカモメの営巣地の中に昨年は確認されなかったウミネコの巣が4巣ほどありました。どちらのカモメも既にヒナが孵っており、ごま模様の羽毛に包まれたヒナが小さな羽を動かしていました。実はオオセグロカモメはウミネコの天敵で、ヒナや卵を襲って食べてしまうことがあります。敵に囲まれた中で産まれたヒナが無事に育つか見守っていきたいと思います。



ゼンテイカ~オロンコ岩にて

 オロンコ岩の上で咲く花の顔ぶれも変わってきました。6月22日には、ハマナス、センダイハギ、エゾノシシウド、キバナカワラマツバ、オオダイコンソウ、ヒオウギアヤメ、クサフジなどが開花していました。三角岩ではエゾカワラナデシコのピンク色の花が見頃です。海岸線ではエゾスカシユリが咲いているのがちらほら見えだしています。

最果ての知床でも季節が夏へと変わりだしています。