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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

【日本のいのち、つないでいこう! COP10まで 1日前】

2010年10月15日
ウトロ
知床のシンボルになりそうなハンゴンソウ(キク科キオン属)

知床の夏に咲き誇っていて、みんなの目を楽しませてくれていたハンゴンソウ。現在、知床でもっともよく目にする花ではないでしょうか。知床では、シカによる採食が進み、昔はよく見られた花がどんどん無くなってしまっているようです。しかし、その中でも、たくましく咲き誇っているのがハンゴンソウ。鮮やかな黄色い花は観光客を楽しませています。ハンゴンソウに含まれるなんらかの成分をエゾシカは嫌がるため、生き残っているようです。


8月中旬のフレペの滝遊歩道の様子。一面が黄色く染まっている。


しかし、冬になってみると、このハンゴンソウがシカ達の大事な食料元になっているようです。ハンゴンソウは雪が積もった大地から枯れたままの姿で立ちつくしています。それをむしゃむしゃと食べるエゾシカ。夏には、見向きもしないハンゴンソウに冬には支えられているのですね。一見、つながらないようにみえる生きもの同士もどこかでつながっているようです。この他にも目に見えない場所で、つながっている生きものがたくさんあるのでしょう。


1月中旬の様子。硬そうに見えるハンゴンソウの茎を懸命に食べています。

さて、今時期は枯れているハンゴンソウよりも、まだかろうじて緑色を保っている草を食べたいようです。