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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

知床のアライグマ

2008年11月07日
ウトロ
10月23日に、国立公園内ではありませんが、斜里町では2例目となるアライグマの死体が回収されました。きれいな死体としては初です。テレビアニメなどから人気が出て、一般の家庭でも飼育されるようになったアライグマですが、逃げ出して野性化した個体による生態系への影響が懸念され、現在は特定外来生物に指定されています。

※特定外来生物とは、外来生物法によりもともと日本にいなかった外来生物のうち、生態系などに特に大きな被害を及ぼすものが指定されるもので、指定された動物については『飼育・栽培・保管・運搬・販売・譲渡・輸入』などが原則として禁止されます。また既に定着しているものについては、必要に応じて防除が行われます。

そのため、ここ知床のある斜里町においても国立公園への分布拡大を防止するため、環境省事業により捕獲による防除が開始されています。一般的にアライグマの捕獲には箱ワナを用い、ワナの中にはアライグマをおびき寄せるためのエサ(お菓子やピーナッツクリームなど様々)を入れます。しかし、知床ではそのエサがヒグマを誘引してしまうという問題があります。このため、ヒグマが多く生息する国立公園内やその周辺地域では、まずは自動撮影カメラを置いて、アライグマがカメラで確認されたら、ヒグマを誘引しないようなエサ(マスの切り身など天然のエサ)を入れた箱ワナを設置することとしています。
 また箱ワナに他の動物がかかったときは放逐することとしています(毎日見回っているので、関係ない他の動物がワナの中で死んでしまうことはまずありません)が、例えば特定外来生物に指定されているミンクがかかった場合などは、アライグマと同様にできるかぎり苦痛を与えない方法で殺処分されることになっています。

 知床斜里町では、これまでにもアライグマの目撃情報は何件かありますが、生きた個体の捕獲は未だ無く、2例の死体の発見も国立公園の外側です。しかし、そのままにしておけば生息域を拡げるおそれがあり、決して楽観視はできません。分布を拡げようとしている今が大事なときです。もし知床でアライグマを目撃した際はご一報下さい!


回収されたアライグマの死体です。ダニがたくさん付いていました。標本として保存される予定です。

アライグマとよく間違われる動物としては、タヌキがよく挙げられます。両者を見分けるポイントのうち最もわかりやすいのは、尾に縞があるかどうかでしょう。アライグマは尾に縞模様があるのに対し、タヌキは縞がありません。

タヌキの尾です。縞がありません。