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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

のんびり?必死?

2011年06月17日
ウトロ
知床五湖・高架木道から撮った写真です。

2頭のオスジカがいますが、何かが違います。皆様分かりますか?

写真をアップしてみましょう。

左側のオスジカ・・・ 

右側のオスジカ・・・


正解はそう、「角」。
右のオスジカの角は、枯角で、まだ去年の角のまま(まだ抜け落ちていません)。
左のオスジカの角は、伸びてきている袋角(去年の角はすでに抜け落ちて、新たな角がはえてきています)。

オスジカ2頭、角の成長の度合いは著しく異なっていました。6月中旬でまだ角を落としていないのは、意外な感じがしました。一般に若いオスは角が落ちるのが遅いと聞きますが、多くのオスジカは4月~5月頃には角は落ち、新しい角がはえてきます。

袋角を頭の上に乗っけている姿は、何だか不思議です。角だけポコっと取れそうです。
袋角は成長をしているので、血液が通っていて、温かく柔らかいといいます。どれぐらい温かくて、どれぐらい柔らかいのか、いつか触ってみたいなぁと思っています。そんなことが可能ならば・・。

角の大きさは、メスジカの獲得に大きく関わります。大きくて立派な角を持ったオスジカがもてるようで、オスジカ同士の闘争にもやはり大きい角は有利に働きます。
いまだ枯角のままだった右側のオスジカは、いつ角を落とすのでしょうか。秋の繁殖期までに、新しい角をどれだけ大きくできているでしょうか。

のんびりと草をはんでいるようでしたが、本当は早く枯角を落として、少しでも袋角を大きくしようと、左側のオスジカに負けじと必死で草を食べているのかもしれません。