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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

スノーシーズンの到来

2022年12月29日
上川 忠鉢伸一
こんにちは
大雪山国立公園管理事務所の忠鉢です。
 
雪が積もるのが例年よりも遅かった北海道ですが、12月中旬に大雪が降り、事務所がある上川町では道路脇の雪が山のように積み上げられています。
最近では最高気温でも氷点下の日が多くなり、本格的な冬の寒さが訪れています。
 
上川事務所のアクティブレンジャーは冬季の主な業務として、国立公園内へのスノーモビル乗入れ規制パトロールを行っています。
国立公園の入口付近に乗入れ規制看板を立てに行きました。


 

なぜ国立公園内にスノーモビルを乗入れてはいけないのか?

スノーモビルはゴム製のキャタピラをエンジンで回転させて走行します。また、雪の深い場所で走行する為にキャタピラには突起がついていて、その突起を雪に差し込んで大きな推進力を得る仕組みになっています。
 
走行時のエンジンの騒音や、キャタピラなどによる樹木の損傷などによって、生態系へ影響を及ぼす心配が大いにあります。
春~残雪期など雪が緩んでいる時期にスノーモビルで侵入した場合、植生帯は深くえぐられて植物は大きなダメージを受けてしまうでしょう。また、静かに過ごしていた鳥や動物達が騒音や排気ガスに怯え、ストレスを与えてしまう事も考えられます。
環境保護の観点から国立公園内でのスノーモビルの乗り入れは禁止されているのです。
 
今年度は北海道の国立公園内をスノーモビルで走行した容疑で書類送検された事例もありました。禁止されていることが分かっていながら乗入れたと供述していたようです。
規制に違反した場合の罰則は1年以下の懲役または100万円以下の罰金となっています。
ルールを守らずに自分勝手な遊び方をすることは、結局自らの手で遊べる場所を狭めていくことになっていくのではないでしょうか。
 
環境省ではスノーモビルの国立公園乗入れを規制していますが、その他の場所であれば自由に乗入れても良いというわけではありません。
あまり知られていないのかもしれませんが、国有林、道有林でも材木の育成や植生保護の観点から乗り入れは認められていません。
スノーモビルパークや、所有者の許可を得た私有地などで走行するようにしてください。
 
北海道HP

森林管理局HP
 
冬季の工事や人命救助ではとても頼りになる道具になっているスノーモビルです。
大雪山国立公園では、数年前からスノーモビルによる登山道補修資材の運搬を行うと共に
スノーモビルによる乗入れ状況調査も行っています。
国立公園内への無秩序なスノーモビルの乗入れを防ぐためにも、今後も乗り入れの監視活動は続けていきます。
スノーモビルによる国立公園乗入れに関する情報や、無許可のスノーモビルによる乗入れを発見した方は大雪山国立公園管理事務所までご連絡お願いします。
 
環境省スノーモビル乗入れ規制マップ
 
代替テキスト
R3.3月 スノーモビルによる登山道補修資材の運搬