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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

大雪山の初冬

2021年10月29日
上川 入江瑞生

愛山渓温泉の近くにある雲井ヶ原に行ってきました。

この雲井ヶ原湿原は登山口から20分ほど歩くと愛別岳、比布岳、安足間岳、永山岳を

眺めることができるとても格好の場所です。比較的簡単に行くことができ、

この景色が見られるのでおすすめの場所の一つでもあります。

この日は冠雪した雪のほとんどが溶けまだ秋の陽気を感じるほど暖かかったです。

湿原に着くと足下でシリシリシリとなく声がしました。しゃがんで声の主を探してみると

ツマグロバッタがいました。

  

   

一匹だけ余り動かない個体がおり観察していると、木の間におしりを近づけているのが分かります。何をしているのか上の写真で皆さん分かりますか?

拡大すると↓↓

何度もおしりを上下させ産卵している個体のようでした。外骨格で覆われているので、

表情からは何もよみとれませんでしたが、最後の力を振り絞って次の世代を残していくその姿に釘付けになってしましなかなかその場を離れる事ができませんでした。

産卵が終わり、ツマグロバッタがその場を立ち去ったので卵が見られないかのぞいてみました。

黄色の丸っこいものはあったのですが、他の場所にも着いておりカビのようでした。私の目では確認できないもう少し深い所に産んだのか、産む場所変更したようでした。

古くなった木道の上での出来事で、朽ちてゆく木道も生き物たちが利用している場合があるのだと改めて感じました。

一週間後に行くと真っ白の世界でした。もう春まで溶ける事はなさそうでした。