アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]
再会
2008年02月13日
上士幌
先日タンチョウの生息調査で大樹町生花に行ってきました。
十勝は北海道有数の冷え込みの厳しい地域で今日もとても寒かったのですが、いました、いました。川沿いに6羽。餌を探しながら下流に移動しているタンチョウの群れを発見。
生花は以前タンチョウを救出し、放鳥した場所です。スラリータンク(牛の肥だめ)で糞に混じったデントコーンを食べようとして落下し、助ける頃には虫の息だったタンチョウを網ですくい上げ、低下した体温をお湯で回復させながら洗い、ビニール手袋にお湯を入れて作成したお手製湯たんぽで覆いながら帯広動物園に搬送。元気になったタンチョウを放鳥する際、1時間の道のりを時々暴れて補定バンドから抜け出てしまうのを必死でなだめながら無事生花で放鳥。
その後無事に家族と合流できたと聞いていましたが、こないだ生花でタンチョウが車に轢かれて死亡するという事故が起きたりもしていて、元気にしているか気になっていました。
タンチョウの群れの様子を望遠鏡で観察していると・・・。
冬の輝く白銀の世界に調和するかのごとく純白と漆黒の美しいコントラストをもつタンチョウの足下に金色に輝くリングが見えました。番号は066番。*
「よかった・・・!あの時のタンチョウだ。」実に約2ヶ月ぶりの再会でした。やはり苦労して救出・放鳥した個体が元気にしているのは嬉しかったです。
あのタンチョウは仲間達と一緒に川で餌をつついていました。
タンチョウは一時期乱獲などにより十数羽まで減少しましたがタンチョウに携わる方々の努力の甲斐あって現在着実に増加しており1000羽近くまで増えています。タンチョウは釧路の鳥というイメージが定着していますが、これにより最近は十勝でも見られるようになってきているのです。
しかし、まだ完璧に自力で生活できる個体は多くはなく、夏は十勝で過ごし、餌のない冬場は釧路に渡って給餌に依存するものも多くます。
そして、増加の一方人間との軋轢も問題になっており時折上記のような事故も起きます。さらに、増え始めたタンチョウが牛舎に侵入し牛の餌を食べてしまうなどといった被害は酪農家にとっては困った問題です。
現在のタンチョウは給餌などによって人との境界がだんだん近くなってきていますが、将来的にはタンチョウの住める環境を作ることによって人間の生活と隔離することが理想です。
またこれはタンチョウだけでなく他の動物にもいえることで豊かな森や湿原など私たちが傷つけてきた環境が現在の軋轢を作り出しているのであり、私たちは野生動物の住める環境を取り戻すよう努力していかなければなりません。
※環境省では保護増殖事業でタンチョウの個体識別のために標識番号の付いたリングを付けています。
十勝は北海道有数の冷え込みの厳しい地域で今日もとても寒かったのですが、いました、いました。川沿いに6羽。餌を探しながら下流に移動しているタンチョウの群れを発見。
生花は以前タンチョウを救出し、放鳥した場所です。スラリータンク(牛の肥だめ)で糞に混じったデントコーンを食べようとして落下し、助ける頃には虫の息だったタンチョウを網ですくい上げ、低下した体温をお湯で回復させながら洗い、ビニール手袋にお湯を入れて作成したお手製湯たんぽで覆いながら帯広動物園に搬送。元気になったタンチョウを放鳥する際、1時間の道のりを時々暴れて補定バンドから抜け出てしまうのを必死でなだめながら無事生花で放鳥。
その後無事に家族と合流できたと聞いていましたが、こないだ生花でタンチョウが車に轢かれて死亡するという事故が起きたりもしていて、元気にしているか気になっていました。
タンチョウの群れの様子を望遠鏡で観察していると・・・。
冬の輝く白銀の世界に調和するかのごとく純白と漆黒の美しいコントラストをもつタンチョウの足下に金色に輝くリングが見えました。番号は066番。*
「よかった・・・!あの時のタンチョウだ。」実に約2ヶ月ぶりの再会でした。やはり苦労して救出・放鳥した個体が元気にしているのは嬉しかったです。
あのタンチョウは仲間達と一緒に川で餌をつついていました。
タンチョウは一時期乱獲などにより十数羽まで減少しましたがタンチョウに携わる方々の努力の甲斐あって現在着実に増加しており1000羽近くまで増えています。タンチョウは釧路の鳥というイメージが定着していますが、これにより最近は十勝でも見られるようになってきているのです。
しかし、まだ完璧に自力で生活できる個体は多くはなく、夏は十勝で過ごし、餌のない冬場は釧路に渡って給餌に依存するものも多くます。
そして、増加の一方人間との軋轢も問題になっており時折上記のような事故も起きます。さらに、増え始めたタンチョウが牛舎に侵入し牛の餌を食べてしまうなどといった被害は酪農家にとっては困った問題です。
現在のタンチョウは給餌などによって人との境界がだんだん近くなってきていますが、将来的にはタンチョウの住める環境を作ることによって人間の生活と隔離することが理想です。
またこれはタンチョウだけでなく他の動物にもいえることで豊かな森や湿原など私たちが傷つけてきた環境が現在の軋轢を作り出しているのであり、私たちは野生動物の住める環境を取り戻すよう努力していかなければなりません。
※環境省では保護増殖事業でタンチョウの個体識別のために標識番号の付いたリングを付けています。