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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

バランス

2012年06月22日
上川
いるのは人から聞いて知っていましたが、なかなかその姿を見たことはありませんでした。
先日の緑岳巡視の帰り、不意に足元に現れた小さな物体が、こちらを振り返った瞬間目が合った!!

かわいい!!
一瞬で心奪われるほどの容姿。



エゾオコジョです。
もう夏毛に変わっていました。

こちらを確認しては、近くの隙間を通って、あちこちの穴から顔をのぞかせてくれます。
かわいいと見とれていたら、少し離れたところからはナキウサギの鳴き声が聞こえました。
エゾオコジョは、小柄な体でかわいらしい顔つきですが、立派なハンターで、岩塊地を中心に分布していて、ネズミや鳥、虫などを食します。また同じ生息地のナキウサギを襲うともいわれています。

襲う物と襲われる物、どちらも頑張って大雪山で生き残っていてほしいと願うばかりです。

自然の絶妙なバランスで成り立っている生態系を実感したな~と実感していた帰り、登山口の高原温泉付近では、エゾシカに合いました。なにやら怪しい動きをしているのでしばらく見ていたら、生まれて間もない子鹿が現れ授乳しはじめました。




母親のこちらから目線を外さない姿や、子どものおぼつかない足取りで歩く姿、身を隠してるつもりで顔を低く下げて車が通り過ぎるのを待っている姿など野生の生き抜く姿を見てたくましさを感じました。


目も合っていますが、一応身を隠しているようです。

エゾシカ問題が叫ばれる昨今ですが、生まれて間もない子鹿を見ると何ともいえません。かわいい~って思うだけでは駄目かもしれませんが、かわいい~って思うからこそ、次の何かにつなげたい。生態系のバランスについて、人と野生動物の関わりについて物思う1日となりました。